毎日のできごとの反省

 毎日、見たこと、聞いたこと、考えたこと、好きなことを書きます。
歴史、政治、プラモ、イラストなどです。

自ら犯した、鬼畜の残虐行為を公言する恐ろしい人たち

2019-08-10 19:47:43 | 自虐史観

 講談社現代新書の「七三一部隊」にこんな記述がある。旧日本軍の元軍医の証言である。元軍医は石井機関のメンバーではなかったが、三年半の間に十四人の中国人を生きたまま解剖し、手術の練習台として殺したというのだ。
 「 ・・・今思って異様なのは、その場にいた皆が二人の中国人を見てニヤニヤ笑い、普通の顔をしていたことだった。・・・
・・・一人はもしかしたら八路軍の兵士だったろう、堂々として悠然と自分でベッドに横たわった。部屋の中には手術刀、ノコギリそれにメスなどがあり、自分の運命は分かっていた。彼の心の中は日本に対する憎しみで溢れていただろうが、自分たちは皆、日本軍の威厳に八路軍の兵士が屈したと変な満足感を憶えていた。その彼の胸を開け、内臓を次々に取り出していった。
もう一人は本当に近所の農民だったろう、ベッドに行こうとせず、「アイヤー、アイヤー!」と泣きわめいた。看護婦は「麻酔する、痛くない」と下手な中国語で言い含め、麻酔を打った。その時、彼女はニヤと自分を見たのだった。それは自分を仲間と思ってなのか、それとも軍医さんは度胸がないねと思ってなのか、その意味は分からない。一度やるともう平気になる。三回目は進んでやるようになった。」

これが元軍医の証言である。彼は筆にするのもはばかれる残忍な行為をしたのである。ところがこの本の著者はこう書く。

筆者は、こうした体験をこれまで人前で話し続けてきた湯浅を尊敬している。」

と言うのだ。そして元軍医は当時の心境を次のように語ったという。

罪の意識はないんですよ。悪いとは思わないんですよ。だって天皇の命令で、その時信じてやったのだし、勝利のためなんだから悪くないんだと、細菌だっていいんだと私は思ったし、石井四郎に尊敬の念を持ったんですから」

 私には、元軍医の言葉も筆者の意見も到底受け入れられない。元軍医は任務とは言え鬼畜と言うべき残虐行為をした人間であり、BC級の戦争犯罪者(戦時国際法の違反者)に相当するのに罪も償っていない。いわゆるBC級戦犯と呼ばれる人たちは上官の命令で戦争犯罪を犯したとして処刑された人たちである。元軍医の言い分が通るならBC旧戦犯は処刑されるべきではなかったと言うことになってしまう。元軍医や筆者はそうは言うまい。矛盾である。これに関連して記憶は曖昧だがおよそこんな「事件」を思い出した。元軍医と同様に戦時中残虐行為をしたという元日本軍兵士が、アメリカに渡航して自らの残虐行為を講演で発表しようとして渡航申請をした。ところがアメリカ政府は、ナチスの犯罪者の渡航を禁止している法律があり、元兵士の行為はこれに準ずるものとして渡航を禁止した。すると元兵士とその関係者は、勇気ある証言をしようとしているのに、不当であると抗議したが通じなかったというのだ。

 それはそうであろう。米政府の判断が世界の常識なのである。極悪犯罪をした者が米国に入るのを禁止する、と言うのは正常な感覚である。まして英雄の如く聴衆の面前で講演するなどと言うのは考えられない。オウム事件の死刑囚が自らの行為を講演したらどうなるか想像したらいいのだ。聴衆は罵倒し、物は投げられ、挙句に被害者家族が刺殺しようとしても不思議ではないではないか。ところが元軍医は自分の残虐行為を公衆の前で話すと勇気ある証言として、尊敬さえされるというのだ。

 元軍医はいずれにしても恐るべき神経の持ち主である。もし証言が真実なら、天皇の命令で正しいと信じてやったのだとしても、現在はその事を信じていないのである。正しいと信じていたから恐ろしい残虐行為にも耐えられていたのだとしても、それが騙されていたのだから騙していた人間を恨むのと同時に自らの行為について悔恨に苛まれるのが正常であろう

 親の敵だと信じ込まされて人を殺して後、その人が無辜の人だったと気がつけば後悔する。しかし元軍医はそれ以上のひどいことをしたのである。それを公言して堂々としているのはまともとは思えない。いやもし親の敵であっても殺人と言うのはやはり人間の精神を苛むものであろう。正しいと信じていたから鬼畜のような残虐行為に何の良心の呵責もなかった、そしてそれを人前で堂々と話すという人間の存在は信じがたい。そして本書の筆者はその極悪人を尊敬するというのだ。これも尋常な神経と理性の持ち主ではない、異常者である。これが今の日本には堂々とまかり通るのだ。
 
 もうひとつの可能性は嘘をついているのである。全くの嘘だから残虐行為はしていないのだから悔恨も何もないのだとしたら、それ自体はあり得る。しかしそれならば大嘘つきなのである。身の毛もよだつ残虐行為をでっちあげて人前で大嘘をつく人は到底まともな神経の持ち主ではない。結局どちらの可能性を考えてもこの人はまともな人間性の持ち主だとは思われないのである。

 ちなみに、中国で戦争犯罪を犯した、という人たちの証言集を何冊か読んだ。これらには元軍医の証言と共通したパターンがあることに気がついた。八路軍(共産匪賊集団)の兵士はどんな状況でも堂々とした勇気のある人たちであり、残虐行為を見ている日本人は皆ニヤニヤしている人間性の欠如した人たちである。人間には色々な人がいる。このようにワンパターンであろうはずがないと思うのである。侵略者の日本人は残虐極まりなく、被害者の中国人は立派な人に描くという、統一された意図のもとに書かれているのである。洗脳である。洗脳の語源は中国語である。英語ではこれを直訳して brain washing というのだ。

 講談社現代新書の「七三一部隊」の信ぴょう性は大いに疑義がある。そして流布される七三一部隊神話も大いに疑義がある。米国には七三一部隊から入手したとされる、生体解剖実験データは存在しない。そもそも石井部隊長をデータと交換に無罪放免にした、というのもでっち上げに過ぎない。

 それどころか、米国政府は自国民から多数を抽出して、放射能汚染をを各種条件で発生させ、経過観察を行った過去がある。犠牲者は即時死亡した者から、多年生き延びた者まで各種の結果が残されている


 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿