毎日のできごとの反省

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危険な遺伝子理論による男系天皇論

2019-08-15 20:20:13 | 政治

 八木秀次氏は、XX染色体の女性と、XY染色体の男性の結婚によって生まれる男子はXY染色体、女子はXX染色体を持つので、Y染色体に含まれる遺伝子は、男子によってだけ受け継がれるから、天皇家は男系によって、永遠に遺伝子が引き継がれ、萬世一系の天皇が続いている科学的根拠とした。

 それ故、女系では遺伝子が断絶することになる、という観点から、女系天皇反対論を唱えた(Voice 2004年9月号)。これは遺伝子科学の観点からして正しいとされ、男系天皇論の科学的論拠と認められるに至っている。これは伝統的風習が、実は科学的にも根拠があるという、ありがちな科学的論説である。従って、男系天皇論の絶対的根拠とされるかに見えた。

 そうはどっこい、左翼はもっと狡猾であった。男子皇族が減少している現代では、女系容認しか皇統を守れないのではないか、と餌を投げたのである。これに見事に引っかかったのが、保守の重鎮たる、田中卓皇學館大学教授である。「女系天皇で問題ありません」(諸君2006年3月号)といって、現実的観点から女系天皇容認論を展開して今に至っている。

 これに追従したか、似た思考をした保守に、何と高森明勅氏や長谷川三千子氏もいるのである(小林よしのり氏は思想を論ずる人ではないので除く)。これは重大なことである。長谷川氏の変節には、西尾幹二氏も呆れていた。

科学的に男系でないと萬世一系は途絶える、と証明した結果がこれである。女系容認の保守は、現実的観点ばかりでなく、庶民如きが皇統に口を出すのは僭越に過ぎる、遺伝子による証明など皇統に対する侮辱であるがごとき論調である。

 しかし、一方で八木氏の男系天皇論は科学的に正しいことは、右も左も認めているのである。すると、女系天皇が誕生した瞬間に反日左翼の日本人は「科学的根拠を持って萬世一系の皇統は途絶えた」と絶叫する。科学的事実だから誰も否定できないのである。これに気付いたのであろう正当な保守(例えば西尾幹二氏)は、先例のないことは一切すべきではない、との論拠で男系天皇論を展開している。

 しかし、八木氏が言わなくても賢い反日左翼は、いずれ遺伝子科学を持ち出すであろう。いずれにしても八木氏の遺伝子論は萬世一系の皇統護持に重大な一石を投じてしまったのである。田中卓氏は諸君で滔々と女系容認論を述べた。

しかし、反日左翼にとっては都合のよい論説に過ぎない。女系天皇誕生を虎視眈々と待っているのである。女系天皇論の危険は理論や科学や、いわんや事実ではなく、「天皇制廃止」のはずの反日左翼が女系天皇論を唱えている、そのことにこそある。女系天皇容認論の保守は、そのことを心するべきである。


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