毎日のできごとの反省

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日本人が拉致否定の根拠を与えた

2015-10-31 19:17:03 | Weblog

 とうとう来るべき時が来た気がする。日本人が、「従軍慰安婦」の証言集に書かれたことを否定するならば、北朝鮮が日本人を拉致した、という証言も信用ならない、という意見が現れたのである。

 産経新聞の平成27年10月14日の高橋史朗氏の「新たな歴史戦に対する連携を」と題する記事に米議会調査局が2007年4月に同議会に提出した報告書の内容が書かれている。「安倍政府の軍による強制連行否定は・・・田中ユキ著『日本の慰安婦』に記載されているアジア諸国出身の200人近い元慰安婦の証言や400人以上のオランダ人の証言と矛盾している。・・・元慰安婦の証言を拒絶すると、外部の者にとっては北朝鮮による日本の市民の拉致事件の信憑性に疑問を抱かざるをえない」と結論づけている、というのだ。

 中国がユネスコ記憶遺産国際諮問委員会に今年提出した「従軍慰安婦」の申請資料には2007の米下院の慰安婦対日非難決議が引用されている。そして非難決議の根拠がこの報告書だというのである。

 日本人自身が集めた強制連行の証言集を否定するなら、日本人による拉致の告発も嘘だ、という理屈は荒唐無稽ではない。「従軍慰安婦」の強制連行説を広めて、ここまでの国際問題とした発端は、朝日新聞を始めとする日本人自身に他ならない。日本人自身が言っているのにそれを否定して、強制連行説が嘘だ、というなら日本人が言う、拉致問題も嘘だ、という恐ろしい理屈に発展することは大いに可能性があったことである。

 結局日本人の言うことなど嘘ばかりなのだ、ということになるのである。北朝鮮が拉致問題を認めるまで、拉致問題の存在を否定していた輩は、慰安婦の強制連行説を広めていた日本人と見事に重なるのである。以前、小生は、いくら日本人は思いやりがあるやさしい民族である、ということをいくら強調しても、他方で慰安婦の強制連行や日本軍の残虐行為を一生懸命海外に宣伝する日本人がいれば、日本人の思いやりなど見せかけの嘘で、本当は日本人には残虐なDNAがある、と言っているようなものである、という主旨のコメントを書いた。「従軍慰安婦」問題と拉致問題の関係は、これと同じことなのである。