褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 昼顔(1967) アサガオの花はよく聞くけれど

2010年10月14日 | 映画(は行)
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 なかなか女優というのは年齢的にピークがあり、男優と違って活躍する期間は短い。男優ならば年齢を重ねると”渋い味が出てきた”と言って褒められる場合があるが、女優の場合は年齢を重ねるとだいたい"賞味期限切れ”と言われるのが殆どだから、その扱いは雲泥の差

 しかし僕ももうすぐ40歳になるが、僕が産まれる前から現在まで活躍している恐るべき女優さんにカトリーヌ・ドヌーヴがいるけれど、現在60歳を超えてもバリバリに活躍している。
 しかし、彼女がまだ20歳ぐらいだった時のロマン・ポランスキー監督の反撥は綺麗だった。
 30歳代後半になってもフランソワ・トリュフォー監督の終電車やトニー・スコット監督のハンガーにおいても、その美貌は衰えを知らずというよりも、さらに綺麗になっているように見えた。
 流石に最近の彼女はすっかり貫禄が出てしまい、綺麗という言葉は適当ではないけれど女優としての価値は少しも下がっていないのは、まさに女優魂を感じる。

 そんなカトリーヌ・ドヌーヴが若くて、綺麗だった頃の作品に今回紹介する昼顔
 僕はこの映画を観るのは2回目だけれど、実は最初観た時は作品の内容が殆どわからず、カトリーヌ・ドヌーヴが綺麗だったという印象ぐらいしか残っていなかった。
 実際にこの映画を観ようと思ったのが、カトリーヌ・ドヌーヴが目当て
 
 だいたい今にして思えばこの映画の監督はルイス・ブニュエル。当時の僕ではこの映画の内容がよくわからないのも仕方が無いか。

 しかし、ルイス・ブニュエル監督の作品と言えば観ている僕たちを混乱させるかのような映画をたくさん撮っているし、またその混乱さが楽しい。
 例えばブルジョワ達の食欲を皮肉ったブルジョワジーの密かな愉しみ
 自由主義を皮肉る自由の幻想、セックスへの欲望を非常にシニカルに描いた欲望のあいまいな対象、僕が最も彼の好きな映画である、超不条理映画の傑作皆殺しの天使など。
 上記に挙げたような今観ても変わった映画を撮るかと思えば、忘れられた人々のような社会派作品も撮っている鬼才、多才な彼の映画は楽しい。

 そして今回紹介する昼顔は変態っぽい映画若くて最も綺麗な時期のカトリーヌ・ドヌーヴのコスプレや、変態シーンが楽しめる映画であり、ルイス・ブニュエル監督の男性諸君のツボを見事に捕えた映画であり、しかも夢想と現実を行き来するブニュエルマジックが炸裂している。
 そんな絶世の美女と呼ばれたカトリーに・ドヌーヴを題材にした男性必見の昼顔を紹介します

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 馬車に医者である夫のピエール(ジャン・ソレル)と妻のセヴリーヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)が会話をしている。2人は幸せな結婚生活を送っているようだが、ピエール(ソレル)が、唯一セヴリーヌ(ドヌーヴ)の欠点である不感症を指摘してから急に喧嘩が始まり、ピエール(ソレル)は従者に馬車を止めさせ、セヴリーヌ(ドヌーヴ)を強引に引き摺り出し、近くの森の中へ従者を連れて入っていく。
 ピエール(ソレル)はセヴリーヌ(ドヌーヴ)を縛り上げ、そして従者たちにもセヴリーヌ(ドヌーヴ)に強姦するように仕向けるが・・・
 実はその出来事はセヴリーヌ(ドヌーヴ)の夢の中だった

 彼女はピエール(ソレル)と幸せな結婚生活を送っているが、彼の肉体を受け容れることが出来ず、しかも夢の中で性に対してマゾ的な衝動に駆られていた。



 セヴリーヌ(ドヌーヴ)とピエール(ソレル)がスキー場に行くとアンリ(ミシェル・ピコリ)という男に出会うが、彼女はアンリ(ピコリ)の厭らしい目つきが嫌で彼に不快感を持っていた。

 テニスをしていたセヴリーヌ(ドヌーヴ)は友達からパリに娼婦館があることを知らされる。昔はあったようだが今でもそのような娼婦館があることを信じられないセヴリーヌ(ドヌーヴ)だったが、偶然出会わしたアンリ(ピコリ)から実は彼が娼婦館に通ったことがあるのを知らされ、そしてその娼婦館のある場所まで知らされる。

 夢の中で性的に倒錯したシーンばかり見てしまうセヴリーヌ(ドヌーヴ)は夫のピエール(ソレル)に内緒で、アンリ(ピコリ)から教えてもらった娼婦館に行く。
 結婚しているセヴリーヌ(ドヌーヴ)は昼の2時から5時までしか働くことが出来なかったが、そんな彼女に娼婦館の女主人のアナイス(ジュヌヴィエーヴ・バージュ)から"昼顔"という名前を付けられる。
 最初は娼婦の仕事に嫌悪感を示すセヴリーヌ(ドヌーヴ)だったが、彼女の性的衝動は抑えることが出来ずに次第に"セヴリーヌ”と"昼顔"の二重生活に嵌っていくのだが・・・衝撃的な二重生活は映画を観てください

 夢と現実が行き来したり、過去と現在が交錯したりする映画は難解な映画が多いけれどそのような映画を見ていると結構慣れてくるもんだ。
 この映画も現実?と虚構の世界が行ったり来たりするし、そして観ている側は虚構の世界だったのかとガッカリしてしまうが、そこにルイス・ブニュエル監督の悪戯心が見られる。 そして絶世の美女だと言われるカトリーヌ・ドヌーヴの裸を写すカメラワークは見えそうで見えないチラリズムというのを、ルイス・ブニュエル監督は実によくわかっていらっしゃる
 それにしてもこの映画のエンディングといい、ブニュエル監督の映画は観る側をおちょくっている作品が多いね

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは。 (アスカパパ)
2010-10-17 11:15:23
 幻覚と現実の交錯が、言われるように、この作品をともすれば難解気味に陥れますね。
 スペイン、メキシコ、フランスを渡り歩いたルイス・ブニュエル監督の集大成が、こういう作風を確率させたのでしょうか。
 トップ・カットで、錫の音を響かせながら紅葉の道を走った馬車が、再び現れてFINとなるところが強印象に残る私です。
 なお、トラックバック2回試みましたが、反映されないようです。この点、ご了承ください。
返信する
アスカパパさんへ (ディープインパクト)
2010-10-17 20:23:07
 コメントありがとうございます。幻想と現実が入り混じった彼の作品は後期の映画に多々見られますね。
 アスカパパさんの仰るように色々な国を渡り歩いた彼の集大成がこのような作風を確立させたという見解はなるほどと思いました。
返信する

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