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映画 皆殺しの天使(1962) 金持ちのダメっぷりが笑える?

2017年09月24日 | 映画(ま行)
 シュールレアリズムの巨匠サルバトーレ・ダリの盟友にして、映画界において鬼才ぶりを発揮してきたルイス・ブニュエル監督。チョイチョイ問題作を連発してスペイン、フランス、メキシコ等を渡り歩いて映画を撮り続け、名作、迷作、珍作を連発しているが、そんな中でも今回紹介する皆殺しの天使はメキシコ時代に撮った名作であり、とことん不条理を追求した珍作だ。

 豪邸に集まった金持ちの大人たちが、帰りたいのに部屋から一歩も出られない様子を描いた密室劇風の展開が繰り広げられる。立派なスーツを着た男性と、豪華にドレスアップした女性が何日間も閉じ込められたような状態で、次第にボロボロになっていく。それにしても、彼らはなぜ帰ろうとしないのか観ていて誰もが不思議に思うはずだ。
 拉致されて監禁されているわけでもなく、豪邸全体の外から頑丈な鍵が掛けられているはずもない。しかも、豪邸の外には警備員や野次馬がいるが、彼らとて中に人が居るだろうと思いながら、救出しようとするわけでもなく、興味深く外から見ているだけ。

 さて、金持ちの男女は如何にして豪邸から脱出するのか~!?と言うよりも、立派な身なりをした大人が右往左往する様子が何となく可笑しい気分になるストーリーの紹介を。
 豪邸から執事を残して、使用人や給仕たちが次々と去って行く。それと前後するようにオペラ鑑賞を終えた貴族風のご一行が男女で20名ぐらい、夫妻のお招きでやって来た。
 彼らは料理を口にしながら歓談し、ピアノ演奏を楽しんだりするのだが、時計の針が12時をとっくに過ぎても誰も帰ろうとしないし、なぜか誰も帰れない。
 しかも、そんな状態が数日続き、激しい疲労、飢え、渇き、エロに襲われた彼らは醜悪な争いを繰り広げ、死人まで出てしまう始末。ところがその中のある1人が、フトしたことからこの困難な状況から脱出する方法を思いつく・・・ってアホか(笑)

 日頃、衣食住に対して何の感謝もしていない金持ち達から、それらを取っ払うと果たしてどうなるのか?いつもは横柄にしているお金持ち達のダメっぷりが明らかにされていくのが面白い。
 さっさと家に帰れば良いのに帰れない金持ち達の頭の中の構造が理解できないし、実際に本作を観ていても帰ることが出来ない理由がハッキリと明かされているように俺には全く思えなかった。

 しかし、この映画は他にも不思議なシーンや想像力を掻き立てるような場面が多い。なぜ、豪邸で働いていたお手伝いさん連中は、金持ち連中が来る前に早々と出て行ったのか?なぜ熊と三匹の羊が飼われているのか、外の野次馬たちは何を意味するのか・・・等々。
 それにギャグが古いのか、俺に笑いのセンスが悪いのか、笑いたくても笑えないシーンが多く出てくる。料理を持ってくる人が豪快にずっこけたリ、軽い下ネタだったり、金持ち連中のアホさだったりがブラックジョーク過ぎて、俺は笑うことができなかった。
 そして、ラストにおける教会に羊が逃げ込んだり、教会の外で警官達が一般市民に向けて無差別に発砲していたり、何かと意味深な場面も多い。
 個人的には、お金持ち同士が狭い空間でアホなことをしているのが、後から笑えてきて大好きな映画。けっこう登場人物が多く、顔と名前一致せず、こいつの職業は何だったけ?と悩んでしまうのが、観ていてシンドイという欠点はあるが、これも監督の策略かと思えてしまう。

 チョッとばかしシュールな映画を観たい人、ちょっと見ただけで顔と名前と職業が一致するぐらい記憶力が良い人、金持ちの人を見ると嫉妬に駆られる人、どうなってんだ~、コレ?と思うような映画を観たい人に、今回は皆殺しの天使をお勧めとして挙げておこう

皆殺しの天使 HDマスター [DVD]
シルヴィア・ピナル,エンリケ・ランバル,ルシー・カジャルド,エンリケ・G・アルバレス
IVC,Ltd.(VC)(D)


 監督はルイス・ブニュエル。変な映画が多いが真面目な作品もあったりで、その作風はかなり幅広い。映画史に残る目ん玉を剃刀で切るシーンで始まるアンダルシアの犬、カトリーヌ・ドヌーヴ主演のアホ映画昼顔、メキシコの貧困を描いた社会派映画忘れられた人々、本作と同じくブルジョワを皮肉ったブルジョワジーの密かな愉しみ、美女の二人一役という珍しいパターンの欲望のあいまいな対象等、お勧め映画多数です。 

 
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