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映画 戦艦ポチョムキン(1925) 映画史において革命的な作品です

2023年06月10日 | 映画(さ行)
 1925年のソ連時代の映画、ということで相当古いし、もちろんモノクロ、サイレント。本作のハイライトシーンの舞台となるオデッサの階段だが、現在におけるウクライナに位置し、このシーンのおかげで戦艦ポチョムキンの名は永遠に語り継がれ、映画史上に燦燦と輝く名作となった。今回俺自身がやっと観ることが出来たのだが、流石の俺もモノクロ、サイレント、そしてソ連映画となると本当に見応えがあるのか不安だったのが、今に至るまでズルズルと観るのを引き延ばしてきた原因の一つ。恐らく多くの人も俺と同じ想いを持っている人も多いはずだが・・・

 早速だが、実際に起きた戦艦ポチョムキンの反乱を基にしたストーリーの紹介を。
 戦艦ポチョムキンが航海している最中の出来事。日頃の上官の仕打ちに水兵達は不平不満を募らせていたのだが、ある事を切っ掛けに水兵達の不満が爆発する。それは、うじ虫の湧いた肉のスープを無理矢理飲まされそうになったこと。そんなスープなど水兵の誰も飲んでいないのだが、上司から非情な宣告が通知される。それはスープを飲んでいなかった者は銃殺刑に晒されること。その宣告を切っ掛けに水兵達は一致団結して、上官達に立ち向かい戦艦ポチョムキンを乗っ取るのだが・・・

 あらすじにも書いたが肉に湧き踊っている「うじ虫」の様子の見せ方のアイデアに感心させられた。1つ間違えればグロテスクの極みだが、モノクロの映像ということもあり不快感はない。むしろ帝政ロシアの専制政治の批判に対するメタファーとして効いてくる。
 そして戦艦ポチョムキンを乗っ取って、オデッサに入港してからのシーン。そこまでに宗教、市民の不平不満等などを描いて見せるなど、ソ連万歳のシーンが色々あったように思えたが、そんな物を忘れてしまいそうになるぐらいぶっ飛んだシーンが、冒頭で述べたオデッサの階段における虐殺シーン。このシーンを面白いと書いてしまうと、このご時世においては非常に不謹慎も甚だしいのは承知しているが、一気に飲み込まれるぐらいの勢いで俺の脳内を活性化させられた。
 オデッサの階段が映画史において革命をもたらし、後々においてブライアン・デ・パルマ監督も自らの作品において露骨にパクっているし、もしかしたら黒澤明監督の普及の名作である七人の侍もあれほど面白い映画にならなかったかもしれない。
 古すぎる、サイレント、モノクロなんて理由で敬遠してたら勿体ない面白さが、本作にはある。そして上映時間も75分と短いのも有難い。出来ればもっと平和な時に観て欲しいと思ったりしたが、あんまり観るのを先延ばしにして欲しくないぐらいの凄さがある、ということで今回は戦艦ポチョムキンをお勧め映画として挙げておこう

 監督はセルゲイン・エイゼンシュテイン。本作で才能を見せつけたが、けっこうな早死にしているのであんまり作品が多くないのが残念。この監督では本作しか観ていないが、イワン雷帝が観たいです。





 
 

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