褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 フィールド・オブ・ドリームス(1989) アメリカの良さがストレートに伝わります

2015年05月13日 | 映画(は行)
 他の人には聞こえなかったり、見えなかったりするのに、なぜか自分には聞こえたり、見えたりする主人公を描いている映画が今回紹介するフィールド・オブ・ドリームス。ブルース・ウィリス主演のホラーサスペンス映画の傑作シックスセンスを観ているような気分になったりするが、本作は怖いシーンなんか全く出てこない。やたら野球が大好きな幽霊がけっこうな人数で登場するが、最後にはとっても素敵な幽霊が感動で締めくくってくれる。
 本作で描かれているテーマを挙げると、家族、夢、伝統などが挙げられるが、どれも古き良きアメリカの美徳として挙げられるものばかり。こういう映画を見せられると、心の底からアメリカを嫌いになれない自分がいることに気付いてしまう。しかも、ノスタルジックな雰囲気が良くて、どこか懐かしさを感じさせる大人向けのファンタジー映画だ。

 そして、本作のケビン・コスナー演じる主人公だが聖書に登場するような預言者のような存在であることに気づく。そのような預言者たちが神からのお告げがあったと言っても、星があっちの方向へ流れただの、不思議な夢を見ただの、そのようなレベルのものばかり。よ~く考えれば俺だって、ちょっと変わった夢を見たり、流れ星ぐらいは見ている。俺って実は預言者なのかも?と思えたりすると周囲の人々に大事なことを言い忘れている気になってきたが、本作の主人公のケビン・コスナーがまさにそんな感じ。どこからとなく自分に命令されているような声をきいたり、夢を見たり、思いつき同然で閃いたり。
 そのことを他人から馬鹿にされながらも、忠実に実行している件を見ていると笑えるが、その姿は、まさに聖書に登場する預言者そのもの。まさに宗教が生活の一部となっているアメリカだからこそ、作り上げることができた映画だと大いに感じることができる

 野球映画の名作とよばれることが多い本作品だが、お金が大好きな現在のアメリカ人からは想像できない、古き良きアメリカを感じられるストーリーとはいかなるものか。
 アイオワ州において。広大なとうもろこし畑で働いていたレイ・キンセラ(ケビン・コスナー)だが、どこからとなく『それを建てれば彼が来る』と自分に語りかけてくる声を聞く。妻のアニー(エイミー・マディガン)に、今の声が聞こえただろうと確認するが、妻の耳には届いていない。
 あの声がずっと気になっていたレイ(ケビン・コスナー)だったが、実は『野球場を造れ!』という事だったことに気づく。なんとか自分の熱い想いを妻に語って説得し、とうもろこし畑の大部分を潰して、野球場を造る。
 しかし、野球場を造ったおかげで、貯金は食い潰し、収入は激減と町中から変人扱いの目で見られ、家が差し押さえられるそうになるピンチを迎えたしまった頃、野球場を見ると、そこには八百長事件に関与した疑惑を受けたため球界から永久追放を受けて、失意のうちに亡くなったシューレス・ジョー(レイ・リオッタ)が立っている姿があった・・・

 なんだか旦那の我が儘に振り回される奥さんを見ていると気の毒になってくるが、これが非常によく出来た奥さん。直ぐにでも離婚してしまいそうな家族関係に見えそうになるが、本作で見られる家族の絆は固い。
 アメリカの映画を観ていると、けっこう昔のことがトラウマになって心に重荷を背負っている主人公を見掛けることが多々あるが、本作のケビン・コスナー演じる主人公がまさにそのパターン。そんな彼に最後に訪れる癒しは観ている誰もが感動するはずだ。そして、本作の登場人物たちには主人公だけでなく、夢や想いを叶えられずに無念の日々を送っていた人物たちにも、奇跡が起こる。俺なんかだったら、一億円ぐらいの金がポンと目の前に現れてくれないかな~、なんてことを奇跡として考えてしまうが、本作の登場人物たちの夢はそんなくだらないことをことではない。もっと素朴な夢や想いだ。だからこそこの映画には古き良きアメリカを感じることができる。
 そして日本を愛する者にとっても非常に素晴らしい台詞が出てくる。『アメリカの歴史において、生まれては滅び、そして生まれるものがある。しかし、唯一野球だけは昔から変わらぬまま存在する』。これは決して野球好きだけが感動する台詞ではない。日本には建国以来、万世一系の他国には決して見られない素晴らしき伝統、価値観、誇りがある。なんだか最近の日本人には、古き良き物を変えてしまおうとする奴が多いから不思議だ。

 今見てもアッと思わせるストーリー展開は斬新さがあり、風景は綺麗だし、音楽もなかなか良い。そしてこの映画には感動、癒し、希望がある。野球映画が好きな人はもちろんお勧めだが、野球のルールなんか全く知らなくても感動できる。アメリカ人だけでなく、日本人にも失ってしまった精神性を感じることができるフィールド・オブ・ドリームスは、結局のところ万人にお勧めしたい映画だ

フィールド・オブ・ドリームス [DVD]
ケビン・コスナー,エイミー・マディガン,ジェームズ・アール・ジョーンズ
ジェネオン・ユニバーサル


フィールド・オブ・ドリームス [Blu-ray]
ケヴィン・コスナー,エイミー・マディガン,ギャビー・ホフマン,レイ・リオッタ
ジェネオン・ユニバーサル


 監督はフィル・アルデン・ロビンソン。この監督の他のお勧めはロバート・レッド・フォード、シドニー・ポワチエ、リバー・フェニックスなど豪華スター出演のスニーカーズが面白いです。

 主演のケビン・コスナーは、当時は飛ぶ鳥を落とす勢い。善良なイメージの役が多い印象がありますが、正真正銘の悪を演じたMr.ブルックス 完璧なる殺人鬼をお勧めに挙げておこう。

 ほかにシューレス・ジョーを演じたレイ・リオッタ。かなりアクの強い個性派俳優。この人の作品はお勧め多数。マーティン・スコセッシ監督のグッドフェローズ、麻薬捜査官の大変さがよくわかるNARC、ジェームズ・マンゴール監督のびっくり仰天の映画アイデンティティ、ここに挙げた作品はかなりお勧め。

 ハリウッド黄金時代に大スターとして活躍したバート・ランカスター。ルキノ・ヴィスコンティ、ベルナルド・ベルトルッチなどの作品にも出演しているように国際的大スターでもあります。この人の場合はお勧めがありすぎ。あえて1本だけに絞ると泳ぐ人はニューシネマの傑作です

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