褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 マイレージ、マイライフ(2009) 仕事一筋の人生はつまらん

2011年05月02日 | 映画(ま行)
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 リーマンショック以降におけるアメリカ社会のへタレ振りが最近は非常によくわかる。失業率が10パーセントを示すようになりふり構わずクビを切りまくるプライド無きアメリカ社会を見ていると長年のアメリカという国の傲慢さのツケを感じるし、また我が国日本もこんなショボイ国の影響をモロに受けてしまうほど情けない国だったのかとショックを受けたりする。
 裁判が大好きな国において会社の偉いさんが自ら社員に対してクビを宣告するには相当な勇気が要るはずだと思うのだが、流石は発想の豊かなアメリカ社会。会社の偉いさんに代わってクビ宣告を専門とする仕事がアメリカでは大流行?のようだ。

 そんなクビ宣告人を演じるジョージ・クルーニーが『一体今までの俺の人生は何だったのだろう』という疑念に気付く映画。とにかく社員のクビを切りたくてウズウズしている会社が多い中で、ジョージ・クルーニー演じる男は半端では無い忙しさ。その忙しさは年間において320日以上は出張のために飛行機で移動しているという凄さ。そんな彼には何処へ行くのにも、宿泊するのにもカードだけで充分だから彼の人生には住居は必要無いし、車もいらない。常に鞄を一つ持っていれば良いが、しかもその鞄の中身は軽ければ軽いほど良いということをモットーにしている男だ。
 そんな彼の人生の目標はただ一つだけ。それは飛行機のマイレージを1000万マイルを貯めて、飛行機に自分の名前を残し、伝説のフィンチ機長と出会うこと

 そんな彼の人生には人との付き合いの必要性は無く、肉親とも距離を置き、結婚にも興味はない。彼には飛行機のマイレージを貯めることだけが生きがいであり、そのために必要なのは飛行機に乗る手段と、鞄1つで足りる荷物だけで良かった。
 極めて効率の良い?生き方をしていた彼に人生観を変える出来事が起こるのだが、そんな人生において大切な事を教えてくれるマイレージ、マイライフを紹介します

マイレージ、マイライフ [DVD]
ジョージ・クルーニー,ヴェラ・ファーミガ,アナ・ケンドリック
角川映画


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ジョージ・クルーニー,ヴェラ・ファーミガ,アナ・ケンドリック
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 今日もライアン(ジョージ・クルーニー)は解雇宣告人として、会社をまわったりや講演会で大忙し。年間320日以上を出張による飛行機移動に費やす彼の唯一の楽しみは飛行機のマイレージポイントを1000万マイル貯めること。その目標を達成するのはもう少しだ。

 ライアン(クルーニー)の出張へ出かけていくスタイルは鞄1つだけ。鞄の中に入らない物は持ち合わせないことにしており、中身も軽ければ軽いほど良いというのが彼のモットーだ。飛行機に乗るのも、行く先々の宿泊場所もカード1つで間に合わす彼のスタイルは非常に時間的、体力的にも効率は抜群だ。

 彼はある宿泊先において自分と同じように各地を出張で飛び回っているアレックス(ヴェラ・ファーミガ)と出会い、ベッドを共にする。しかし、2人の関係は行く先々で出会う軽い関係だった

 ライアン(クルーニー)の会社にナタリー(アナ・ケンドリック)という若い女性の新人社員が入ってきた。ナタリー(ケンドリック)は会社において革新的アイデアを出す。それは会社の経費を抑えるために出張を廃止して、インターネットを通して解雇宣告を行う事であった
 もう少しで人生の最大の目標を達成できる時にライアン(クルーニー)は飛行機での出張が廃止されそうになってナタリー(ケンドリック)と意見がぶつかり合ってしまう。

 しかしライアン(クルーニー)はボスであるグレイグ(ジェイソン・ベイトマン)からナタリー(ケンドリック)の教育係に任命され、ライアン(クルーニー)はナタリー(ケンドリック)を連れて一緒に飛行機に乗り、行動を共にする。
 そんな時でもライアン(クルーニー)は時間を見つけてアレックス(ファーミガ)と出会い、更に姉のカラ(エイミー・モートン)から妹のジュリー(メラニー・リンスキー)が結婚するためにある事をお願いされ・・・ライアン(クルーニー)が自分の生き方に疑念を抱いていく様子は映画を観てください



 オープニングや度々出てくる飛行機から映し出される風景が印象的で主人公がいかに飛行機の中からしか世間を見ていないかがよく表現されている。かつてアメリカンドリームという言葉があったが、この主人公の虚しい現実、また虚しい現実にすら気付いていないことに夢のある国の象徴であったアメリカの姿が全く見られない。僕も昔はアメリカに憧れていたのがアホらしく思えてきた。
 しかし、最近のハリウッドの映画の希望の落としどころはどの映画も同じく家族というのがキーワード。現代アメリカの社会を描いた面白い映画だったけれど、意外性の無い結末は少し拍子抜けした。しかし、いかにもインターネット世代を表しているナタリー(ケンドリック)の存在と彼女が知ることになる現実などは、まさにこの映画に隠された社会派作品としての一面が見られる。

 ちなみに監督はジェイソン・ライトマン父親はゴーストバスターズシリーズ等大ヒット作品多数の映画監督アイヴァン・ライトマンだ。そんな素晴らしい才能を受け継いでいるジェイソン・ライトマン監督自身も本作と良い、他にもサンキュー・スモーキングJUNO/ジュノのように若い監督ながら既に傑作を撮っている今後も大いに期待したい監督です

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映画 人生は、時々晴れ(2002) 家族の絆とは?

2011年05月02日 | 映画(さ行)
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 血のつながった親子と言えども、なかなかお互いの気持ちを察するのは難しい。だから親子であっても口喧嘩の類はあって当然だし、逆に親子であるからこそ口を聞かないことがあるのも当然だ。それは夫婦の関係にも言えてる。一つ屋根の下に暮らしながらも、どこかギクシャクした家族関係を描いた映画が今回紹介する人生は時々、晴れです。
 イギリスのどちらかと言うと貧困層に当たる3組の家族のつながりとそれぞれの家族の夫婦や親子関係が描かれている。ここに登場してくる人物が多数出てくるが、出てくる人間はみんなダメダメ人間ばかり。うだつの上がらない親父、太った文句ばかり言っているだらしない息子、夜遊び当たり前のお年頃の女の子、アルコール中毒の母親、ちょっとずれている母親など、性格は違えどダメさは共通している人間が勢ぞろい。しかも、夢も希望も無い人達ばかりが大集合。
 一見すると恐ろしく陰気な映画の印象を受けるが、これだけダメダメ人間が揃うと逆に笑える映画になっている。

 確かにこの映画を見ると世の中のお父さん、お母さん、子供たちが家に居たがらずに外へ出て行く理由が非常によくわかる。うるさい嫁さんや反抗する娘と一緒に居るぐらいなら、外へ出かけて仲の良い友人と一緒に遊ぶか、どこか綺麗な景色を見に行って1人になりたいと思う心情は全くその通りだ。

 優しい奥さんまたは旦那が居て、可愛い息子や娘が居ながら家族が煩わしいと想うようになってしまった人にとって超お勧めしたい映画だ。情けない人々が集まりながら、それぞれが自暴自棄になりながらも家族の絆を考えさせてくれるマイク・リー監督人生は、時々晴れを紹介します

人生は、時々晴れ [DVD]
ティモシー・スポール,レスリー・マンヴィル
ショウゲート


 ロンドンの集合アパートに住むフィル(ティモシー・スポール)はタクシーの運転手をしている。彼には内縁の妻であるペニー(レスリー・マンヴィル)、毎日自堕落な生活をしていてペニー(マンヴィル)にいつも悪態をついている太り過ぎの息子ローリー(ジェームズ・コーデン)、近くの老人介護センターで働きながらも非常に内気な娘レイチェル(アリソン・ガーランド)の4人で暮らしている。しかしフィル(スポール)は朝は遅くまで寝ているし、すっかり人生に希望は見出せなくなっており、ペニー(マンヴィル)とは会話も弾まず、息子のローリー(コーデン)や娘のレイチェル(ガーランド)とも親子関係はかなり冷えていた。
 そんなフィル(スポール)にとって唯一気の許せる友人は同じタクシー会社に勤めていて、同じ集合アパートに住んでいるロン(ポール・ジェッソン)だけだった。

 ロン(ジェッソン)も妻のキャロル(マリオン・ベイリー)はアルコール中毒を患っており、娘のサマンサ(サリー・ホーキンス)は非常に反抗的で働きもしない。ロン(ジェイソン)の家族の関係もかなり冷えている。
 キャロル(ベイリー)とペニー(マンヴィル)は隣人で仲が良く、2人には更に共通の友人で少し世間から考え方がずれているモーリン(ルーズ・シーン)が居た。モーリン(シーン)には野蛮な男であるジェイソン(ダニエル・メイス)と付き合っている娘のドナ(ヘレン・コーカー)が居る。モーリン(シーン)は旦那とは娘のドナ(コーカー)を妊娠してから直ぐに別れている過去があった。

 ある日キャロル(ジェッソン)とペニー(マンヴィル)とモーリン(シーン)の3人が近くのスナックで飲んでいると、キャロル(ベイリー)が普段のアルコールがたたり倒れてしまう。ペニー(マンヴィル)とモーリン(シーン)は慌てて彼女を病院へ連れて行く。

 そしてモーリン(シーン)の娘のドナ(コーカー)はジェイソン(メイス)の子供を妊娠してしまうが、ドナ(コーカー)は彼にも打ち明けられず、さらに母のモーリン(シーン)にも話すことが出来なかった。

 ローリー(コーデン)が友達とサッカーをして遊んでいる最中に急に苦しみ出し、倒れてしまう。彼は側を通ったサマンサ(ホーキンス)のお陰で救急車で病院に運ばれる。勤務中に連絡を受けたペニー(ベイリー)は慌ててタクシー勤務中のはずのフィル(スポール)に連絡するが、なかなか連絡がつかない。
 なんとその時フィル(スポール)は勤務中であるのに、海岸で1人で佇んでいたローリー(コーデン)が病院に担ぎ込まれた事を知ったフィル(スポール)は慌てて病院に向かうが・・・壊れかけた家族の絆を取り戻す展開は映画を観てください



 他人の家族は上手く助けることが出来るのに、不思議なことに自分の家族に関してはボロボロ。そんな心が離れ離れになった家族の絆が再びつながっていく様子は人間の本質を表現しているようで面白い。馴れ合いではなく、ぶつかり合うことでお互いが理解しあえることがあるし、それは家族の中でも当てはまることが非常によくわかる。
 
 しかし、この映画に登場してくるダメダメ人間を見ていると、実はこの集まったダメ人間の集合体が自分に該当することに気付いてしまった喪失感に襲われることが多い今日この頃ですが、希望を見失わずにいたいものです

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