褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 ルワンダの涙(2005) ジョン・ハートのお勧め作品です

2017年02月26日 | 映画(ら行)
 もう先月(1月27日)のことになるが、エレファントマンの主役で有名なジョン・ハートが亡くなった。他に彼が主演した映画で印象的な作品が今回紹介するルワンダの涙。1994年に勃発したルワンダ虐殺をテーマにした社会派映画だ。もしかしたらタイトル名にあるルワンダって何?と思う人がいるかもしれないが、アフリカ中部にある国のこと。実は俺だって本作の前に同じようなテーマを扱った映画ホテル・ルワンダを観るまではルワンダという国の存在を知らなかった。
 
 ここで少しばかりルワンダ虐殺に説明しておこう。ルワンダは多数派のフツ族と少数派のツチ族の2つの民族で殆んどが占められている。当時のフツ族のジュベナール・ハビャリマナ大統領が暗殺されたことを切っ掛けに、過激派フツ族が民兵を組織してツチ族を1994年の4月から7月の3ヵ月間で80万人を殺しまくったジェノサイド(虐殺)の事を言う。
 まあ、これぐらいは本作を観る前の予備知識で持っておいたほうが良いだろうし、更にアドバイスをするとしたら、途中でドッチが虐殺してるんだ?と混乱しないように『フツ族が加害者』『ツチ族が被害者』と書いた紙を用意した方が良いだろう。
 フツ族もツチ族も同じ黒人同士で見た目には殆んど違いがわからないし、片側の民族を抹殺することに何の意味があるのかサッパリわからないので日本人の常識では、なぜこのような大虐殺が起きてしまうのか理解に苦しむところだ。
 前述したホテル・ルワンダの方は黒人の視点で描かれているが、本作はジョン・ハートが主演なぐらいだから白人の視点で描かれている。黒人同士の民族争いなんかは大したことがないだろうと考えていたようなフシがあるように見えたが、実際に巻き込まれてみたらこの世の地獄だったことにビックリ仰天!白人が敬愛するキリスト教でもこの大虐殺は止められない。

 実はこの映画の原題は『Shooting Dogs』。つけられた邦題との違いが大きすぎるような気がするが、日頃から国連軍のお世話になっている我々日本人も原題の意味を観ている最中に気付いた時に愕然となるストーリーを簡単に紹介しよう。
 英語の教師であるイギリスの青年ジョー(ヒュー・ダンシー)はルワンダにやって来て、クリストファー神父(ジョン・ハート)が運営する公立技術専門学校に赴任する。ところがフツ族の大統領が暗殺される事件を切っ掛けに、フツ族で組織された民兵によって、ツチ族一掃作戦が開始。大量難民と化したツチ族の住民は平和維持のために国連軍が駐留し、人柄の優れたクリストファー神父を頼って、この学校に逃げてくるのだが・・・

 我々日本人から見ればルワンダという国は遠い異国の地であるが、実話を基にした本作を見ればルワンダという国に興味を持つはずだ。映画は歴史に埋もれた人物や出来事を教えてくれるから非常にありがたい教科書になる。しかも、本作は単なる歴史的事実を描いているだけでなく、色々なことを考えさせてくれる優れものの映画でもある。
 民族争いにより昨日の友が今日の敵になってしまうことに怒りを感じ、罪無き人間がナタで振るわれて惨殺されることに信仰心が揺らぎかけたり、国連軍のダメさを見せ付けられて『世界中が平和になりますように』と願っている俺の希望が打ち砕かれた気分になったり。
 極めつけが、ツチ族のお父さんが国連の軍人にお願いする台詞『せめて子供たちだけでも・・・』!この不条理な世の中が本当に嘆かわしい、アーメン。

 何だか絶望感に打ちひしがれた気分になるが、それでも最後の最後には感動が待っている。本作が生まれた背景には虐殺で死んだ人が居れば、生き残った人も居るということ。本編が終了した後に胸が熱くなる場面が出てくる。
 ルワンダという国に興味がある人、名優ジョン・ハートが好きというコアな人、アフリカに熱い想いを持っている人、『ホテル・ルワンダ』は観ているのにコッチは観ていない人、暗闇の中にほんの小さな希望の灯が感じられるような映画を観たい人・・・等にルワンダの涙をお勧め映画として紹介しておこう

ルワンダの涙 [DVD]
ジョン・ハート,ヒュー・ダンシー,クレア=ホープ・アシティ
エイベックス・ピクチャーズ


 監督はマイケル・ケイトン=ジョーンズ。この監督のお勧めはやっぱりメンフィス・ベル、そしてマイケル・J・フォックス主演のハートフルなドク・ハリウッド、そしてロバート・デ・ニーロとレオナルド・ディカプリオ共演のボーイズ・ライフが良いです。


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映画 レッドクリフ PartⅠ(2008) 三国志の赤壁の戦い

2017年02月24日 | 映画(ら行)
男ならば一度は読んだことがあるだろう吉川英治原作の三国志。その面白さは、1人で何百人も倒していく豪傑、まるで妖術を使うかの如き知将、などが百花繚乱の如く登場して謀略、知力、豪腕を発揮し、読む者に血肉沸き踊る興奮を感じさせる点があげられうだろう。
 そんな全編を通して面白い三国志だが、その中でもクライマックスとでも言うべき戦いが赤壁の戦い!。赤壁の戦いに焦点をしぼったのがレッドクリフ PartⅠと続編にあたるレッドクリフ PartⅡだ。
 歴史好き、三国志ファンでないと本作を楽しめないと思っている人がいるかもしれないが、観る前の予備知識など全くの不要。なぜなら日本公開のためだけのサービスだと思うが、本編が始まる前に日本語でその時代の中国の情勢を詳しく説明してくれてるし、そもそも三国志に大して思い入れのない人の方が純粋に楽しめるような気がする。

 レッドクリフを記事にするのにPartⅠとpartⅡを一緒にして紹介してしまおうとも考えたのだが、それでは手を抜いていると批判されるような気がしたので別々に紹介するとしよう。まずはPartⅠの方から。
 中国北部を制圧した曹操(チャン・フォンイー)は、いよいよ中国全土を支配に置くべく南下する。曹操の大軍の前に劉備(ヨウ・ヨン)の少ない兵力では大した抵抗もできずに敗走。劉備は部下であり、天才軍師として評判の諸葛亮孔明(金城武)の提案にしたがい、孔明を孫権(チャン・チェン)のもとへ送り出す。
 孔明は孫権の総司令である周喩(トニー・レオン)と出会い、最初の内は警戒されるが次第にお互いが意気投合。劉備と孫権はタッグを組んで、曹操の野望を打ち砕くべく赤壁にて迎え撃つのだが・・・

 とにかく流行りものの続編ありきのシリーズ物であり、もっとも盛り上がるはずの赤壁の戦いが始まる前にPartⅠは終わる。個人的にはこのようなやり方は嫌いなのだが、今どきの商売方法としてはこれが最も儲かりやすいやり方ってか!?
 それはさておき、我々が読んだ三国志では劉備にはたいそうな徳があり、勝手に優秀な人間が集まってくるイメージを持っているが本作を観たところ藁草履ばかり編んでいて、どこにそんな人を惹きつける魅力があるのか全くわからない。天才振りを発揮する孔明にしても本作に関しては、お笑い担当みたいな扱い方で活躍しているようには俺には見えなかった。
 むしろ凄いのは劉備の部下である趙雲張飛関羽の三人。原作を読んでいてもこの3人の強さは感じることができるが、実写版を見ていると更に凄いことになっている。それこそ1人で五、六十人の相手をぶちのめし、張飛なんかは素手で刀剣を持っている相手兵の中に飛び込んでいって倒してくるのだからその強さは超人ハルク級。孔明お勧めの戦術らしきものも出てくるが、この3人が居れば戦術の良し悪しに関係なく敵を血祭りにあげてくれる。
 確かに見ていてエンターテイメントに徹していることがよくわかる。しかし、俺が本作を観ていて1番共感できたのが中国統一を掲げた曹操が戦いを挑んだ真の目的、やっぱりそうだよな~なんて思いっきり納得できた。これだから三国志は男にとっては燃える要素がたくさんあるのだと気付かされた。
 ジョン・ウー監督らしくアクション映画として楽しめるし、彼の映画の特徴である白い鳩も効果的に使われていて楽しい。アジアの大スターが達の共演が楽しめるという意味でもレッドクリフ PartⅠを今回とりあえずお勧めしておこう
 


 








 
 

 
 
 
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映画 ロング・グッドバイ(1974) レイモンド・チャンドラー原作の映画化 

2016年06月12日 | 映画(ら行)
 アメリカが生んだ偉大なるハードボイルド小説作家レイモンド・チャンドラー。彼の長いお別れを原作とする映画化作品が今回紹介するロング・グッドバイ。レイモンド・チャンドラーのファンにはお馴染みの私立探偵の主人公フィリップ・マーロウが活躍する長編シリーズ物の一遍だ。これまでにも映画でフィリップ・マーロウを演じた俳優も多く、ハンフリー・ボガードやロバート・ミッチャムといったタフガイスターを代名詞とする俳優達が多く演じてきているが、今回演じるのがM★A★S★H マッシュのハチャメチャな軍医や、比較的最近ではオーシャンズシリーズ(オーシャンズ13)で心筋梗塞で死にそうになっていたのが印象的なエリオット・グールドが演じている。
 しかも監督が前述したM★A★S★H マッシュザ・プレイヤー等、非常にシニカルでブラックユーモアに特徴のあるロバート・アルトマン。ハードボイルド路線の映画にしては、何とも食い合わせが悪く感じるような監督と主役に思えるが、これが意外と言っては失礼だが今観ても斬新なマーロウ像を生み出し、古き良きハードボイルの香りを漂わせながらも、どこかアリャ?と思わせる設定、展開がけっこう楽しめる。

 フィリップ・マーロウもそうだが、だいたい昔の私立探偵を主役にした映画はトレンチコートに帽子を被ってビシッと決めたスタイルが定番。しかし、本作におけるフィリップ・マーロウはトレンチコートなんか着ているシーンは無くネクタイはヨレヨレ。帽子も被らず頭の髪の毛はボサボサ。いつもボヤキを連発している様子は何だか人生に疲れているように見えるし、それにタバコ吸いすぎ。そして我々が思う私立探偵にしては、頭の回転が早いように見えないし、犬に吠えられてビビッている姿を見ていると、誰もこんな探偵に困った事件の解決をお願いなどしようと思わないはずだ。

 レイモンド・チャンドラー原作の映画化と聞くと、きっと本格的なミステリーサスペンスを期待する人が大半だと思うが流石にこの主人公のキャラクターでは・・・。それではストーリーの紹介を。
 私立探偵であるフィリップ・マーロウ(エリオット・グールド)の部屋に友人のテリーがやって来た。このままでは殺されそうなのでメキシコの国境まで連れて行ってくれと頼まれ、マーロウはテリーを車に乗せて逃す。自宅に帰ってきたマーロウを待ち受けていたのは地元の警察。テリーは彼の妻を殺害した疑いを掛けられており、殺人犯の逃亡を助けた容疑でマーロウは警察にしょっ引かれる。しかし、直ぐに意外な理由でマーロウは釈放される。テリーがメキシコの町で拳銃自殺をしたのだ。
 数日後、著名な作家であるウェイド(スターリング・ヘイドン)の妻アイリーン(ニーナ・ヴァン・パラント)から行方不明になっている夫を探し出して欲しいと頼まれる。ある手掛かりからマーロウはすっかり酒浸りになってしまっているウェイドを探し出し妻の元に送り届けるが、その時にテリー夫妻とウェイド一家は知り合いだったことを知らされる。
 マーロウは直感でテリーは妻殺しをしていないと感じ、友人テリーの無実を晴らすために自ら調査を開始するのだが、彼の行く手を様々な困難が立ちはだかる・・・

 この映画のマーロウをめぐるどうでも良いような情報が楽しい。マーロウはけっこうな高層なアパートに住んで居るのだが、隣人はなんだか多くの女性が裸になって踊っていたり、飼っている猫が行方不明になってしまうのだが結局は見つからず終いで、どうなったのかもわからず。そんな情報要る?と思わせるシーンがけっこうある。非常に怖そうなヤクザの中にもオッチョコチョイな奴が居たりなど笑わせるシーンもあったりで、ロバート・アルトマン監督らしさを感じることができる。
 名匠ジョン・ウィリアムズによる音楽はジャズ的で刹那的な気分になれるし、フィリップ・マーロウのくたびれた感がよく出ている。決して驚くべき推理力を発揮するシーンなどないが、抜群の行動力を発揮し、どんなにボコボコに殴られても悪に媚びないマーロウはなかなか格好良く見えたりして、アラ不思議!。そしてチョッピリお茶目なマーロウが最後に見れるのも良い。
 映画を見ながら事件の謎を解決してやろうと思いながら見る人には、あまりにも急な展開が不満におもえるかもしれないが、個人的には『エエッ~、こんなんで良いの!?』と思わせる結末が衝撃的で良かった。もっと衝撃的なのが元カリフォルニア州知事の筋肉マッチョな大スターがチョイ役で見れる事。
 レイモンド・チャンドラー原作のファンが観るより、むしろ彼の作品のみならず推理小説なんか大して読まない人の方が楽しめるかもしれない。何はともあれ今回は映画ロング・グッドバイをお勧めとして挙げておこう

ロング・グッドバイ [DVD]
エリオット・グールド,スターリング・ヘイドン,ニーナ・バン・パラント
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


 監督は前述したロバート・アルトマン監督。シニカルな笑い、多数の登場人物を難なく捌いてみせる群集劇に傑作が多い。前述したM★A★S★H マッシュザ・プレイヤー以外にもゴスフォード・パークショート・カッツナッシュビルがお勧め。





 
 
 
 

 

 

 
 


 
 
 
 



 

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映画 レジェンド・オブ・フォール 果てしなき想い(1994)  骨肉の争いが最大の見物です

2015年06月13日 | 映画(ら行)
 雄大なモンタナの大自然を背景に、壮大なスケールで愛憎渦巻く人間ドラマが描かれているのが今回紹介する映画レジェンド・オブ・フォール。ひたすら我が儘な行動を繰り返しながらも、何故かみんなから愛される羨ましい主人公を演じているのがブラッド・ピット。愛されキャラを演じているブラピを見ていて、誰かに似ているよね~と考えていたのだが・・・な~んだ俺じゃん。いやいや本当に人気者は辛いと思わせるところなんかは共感しまくりだ。
 実は本作は色々なテーマが有るようで、無いようで一言で語るのは難しい映画だ。ブラッド・ピット演じる主人公の美しさを堪能する気分で観るのが正しい観賞の仕方だと思うが、他の登場人物も様々な想いを抱えており、しかも大河ドラマ的にアメリカの時代背景の出来事を広くカバーしている。インディアン強制移住、第一次世界大戦、禁酒法・・・まで約60年間分を描いているが、その割に所要時間は130分ぐらい。美しい自然が出てきたと思うと血みどろのシーンが出てきたり、ブラピのオーラーが出まくっていたりで退屈感はまるでない。

 殆んどの人はラブストーリーを期待して見る人が多いと思うが、本作のエドワード・ズウィック監督は良質な社会派作品の傑作を連発している人。ハリウッドの映画人は政治的にリベラル系の立場の人が多いが、この映画なんかはけっこうなアメリカ批判をしているように思わせるシーンがたくさんある。だいたいブラッド・ピット演じる主人公のキャラクターがネイティヴ・アメリカン(インディアン)の精神をモロに影響を受けている設定であり、彼が対立するのは兄弟ケンカも含めてアメリカのお役人が殆んどで、他に熊と戦っているシーンがあるぐらい。そのように考えると、にわかに理解しがたい主人公の行動も少しはわかったような気になれる。

 まるでアメリカに背を向けるように放浪ぐせのある男の生き様、さらには良い死に方(?)まで学べるストーリーとは如何なるものか。
 19世紀初めにおいて、インディアン討伐を行っていたウィリアム・ラドロー大佐(アンソニー・ホプキンス)だが、政府の残酷なやり方に失望し、モンタナの山奥で静かに暮らすことを求めた。その地で彼には長男アルフレッド(エイダン・クイン)、次男トリスタン(ブラッド・ピット)、三男サミュエル(ヘンリー・トーマス)の3人の息子に恵まれ、大自然の環境の中で子供たちも成長していく。
 時は経ち、東部のハーバード大学から三男のサミュエル(ヘンリー・トーマス)が婚約者であるスザンナ(ジュリア・オーモンド)を連れて帰ってくる。スザンナ(ジュリア・オーモンド)の美しさに、アルフレッド(エイダン・クイン)、トリスタン(ブラッド・ピット)の2人の兄も魅了される。
 やがて第一次世界大戦が勃発。父親のウィリアム(アンソニー・ホプキンス)の反対にも関わらず、3人の兄弟はヨーロッパ戦線へ出発する。スザンナ(ジュリアン・オーモンド)からサミュエル(ヘンリー・トーマス)の命を託されたトリスタン(ブラッド・ピット)だったが、過酷な戦争はサミュエル(ヘンリー・トーマス)を戦死という結果をもたらす。
 そして戦地から帰ってきたアルフレッド(エイダン・クイン)はスザンナ(ジュリアン・オーモンド)にかねてから想っていたことを告白するのだが、彼女は彼を受け入れることができない。しばらくして、サミュエル(ヘンリー・トーマス)を助けられなかった後悔の意識から故郷へ戻らなかったトリスタン(ブラッド・ピット)だったが、いきなり帰ってきた。実はスザンナ(ジュリアン・オーモンド)は心の中ではトリスタン(ブラッド・ピット)の事を愛しており、2人は結ばれる。
 そのことを知ったアルフレッド(エイダン・クイン)は家を出てしまうのだが、ここからアルフレッド(エイダン・クイン)とトリスタン(ブラッド・ピット)の兄弟確執は本格化するのだが・・・

 ハンサムな兄弟が美しい女性を奪い合う、なんてストーリーは妄想の激しい女性なら憧れそうなストーリーだが、本作はそのような想いを吹き飛ばしてしまう結果が待っている。この映画の凄いところはトリスタン(ブラッド・ピット)が愛した者、または彼を愛した者には、ことごとく不幸が訪れること。その元凶を突き止めるとアメリカという国家そのものだったということに気付くと、なかなかこの映画は味わい深い。
 他にも主人公のトリスタンという名前からして意味深だし、トリスタン(ブラッド・ピット)の宿命のライバルが熊という件も笑えるようで実は考えさせられるし、アメリカの歴史についても考えさせられるし、何だか他にも俺が気づいていないことがたくさんあるような気がする。
 しかし、そんな深読みしなくても充分にこの映画は楽しめる。モンタナの大自然は圧倒的で見ているだけで素敵な気分になれるし、恋愛映画として見ても美しいシーンが多くて楽しめるし、骨肉の争いは人間ドラマとして見応えがあるし、復讐劇としても親子、兄弟、友情など固い結束が描かれているので不快感なんかまるでない。ブラッド・ピットが大好きな人ならば男女を問わずに楽しめるし、アンソニー・ホプキンスや他の登場人物たちが抱える想いは観ている側にも熱い想いとして伝わってくるだけに人間ドラマとして見応えがある。
 現在の大河ドラマは視聴率がかなり悪いとの噂を聞くが、俺に言わせれば毎週の如く1時間近くあるドラマなんかは無駄なシーンを付け足しているのだからダラダラ感があって面白く無いのは当然の事。本作はそのように考えれば中味が130分間でギュッと凝縮されている。今回は映画レジェンド・オブ・フォールを万人にお勧めしたい映画として紹介しておこう

レジェンド・オブ・フォール コレクターズ・エディション [DVD]
ジム・ハリスン
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント


レジェンド・オブ・フォール [Blu-ray]
ブラッド・ピット,アンソニー・ホプキンズ,アイダン・クイン
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント


 監督は前述したように社会派作品の傑作を連発するエドワード・ズウィック、デンゼル・ワシントン、モーガン・フリーマンが一躍スターダムに登りつめる結果になったグローリー、トム・クルーズ、渡辺謙、真田広之などが競演してラストサムライ、レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・コネリー競演のブラッド・ダイヤモンドがお勧め。
 そして今となっては懐かしいデミ・ムーアが最も綺麗だったと思えるきのうの夜は…もお勧めに挙げておきます。

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映画 レクイエム・フォー・ドリーム(2000) 見事な落ちっぷりです

2015年06月08日 | 映画(ら行)
 麻薬、薬物、覚せい剤の恐ろしさを描いた映画が今回紹介する映画レクイエム・フォー・ドリーム。あまりにもの不道徳なテーマを扱った作品だが、問題なのは面白く描き過ぎていること。ドキュメンタリータッチに描いていれば、恐らく大して面白くないが文部科学省推薦のお墨付き映画として多くの若者に見せたい内容の映画。しかし、本作はありとあらゆる映像テクニックを使い、刺激的な音楽が使われていたり、アブノーマルなシーンが出てきたり、さすがに学校の先生は生徒達に見せたいと思えないだろう。
 しかしながら、教育とは関係なく映画として観れば、多くの人がはまりそうな作品で強烈な余韻に浸れる。ストーリー的には昔からよくあるパターンで、登場人物たちが夢に向かって突き進もうとして栄光を掴みかけるが、急に坂道を転げ落ちていく展開。しかし、多くあるその手の映画が最後の最後で突き落とされるのに、落ちっぷりの方が時間を掛けてジックリ描かれているのが本作の特徴だ。

 自らの夢を実現するための代償がコレ!と思わせるストーリーとは如何なるものか。
 ニューヨークのブルックリンにおいて。団地に住む未亡人であるサラ(エレン・バースティン)はテレビばかり見ている日々。ある日の事、サラ(エレン・バースティン)に、ダイエットをテーマにした大好きな番組からの出演依頼がくる。サラ(エレン・バースティン)はお気に入りの赤いドレスを着て番組に出演することを夢みていたのだが、すっかり太ってしまって赤いドレスを着ることができなくなっていた。自己流でダイエットに挑戦するが、なかなか成果が表れないことに焦り出したサラ(エレン・バースティン)は、同じ団地の知り合いから聞いたダイエット薬物に手を出し、依存してしまう。
 サラ(エレン・バースティン)のひとり息子であるハリー(ジャレッド・レト)はロクに仕事もせずに親友のタイロン(マーロン・ウェイアンズ)と麻薬に溺れる日々。しかし、恋人のマリオン(ジェニファー・コネリー)とは将来の夢について語り合っていて、素敵なカップルに見える。
 ハリー(ジャレッド・レト)はマリオン(ジェニファー・コネリー)との夢を実現するために、タイロン(マーロン・ウェイアンズ)と麻薬を売りさばくビジネスに手をだしてしまう。最初こそは順調だったのだが次第にトラブル続きになり、ハリー(ジャレッド・レト)とタイロン(マーロン・ウェイアンズ)は自らが更に麻薬漬けになり、マリオン(ジェニファー・コネリー)は覚せい剤欲しさに自らの体を売る・・・

 こいつ等の幻覚、妄想がホラー映画並みに怖い。特にサラ(エレン・バースティン)の幻覚症状のパートはかなりやばいし、ラストの変貌ぶりは化け物。
 なんだかんだ言ってもハリー(ジャレッド・レト)とマリオン(ジェニファー・コネリー)の恋愛の様子はとっても素敵なシーンが多いし、なかなか感動させるのだが・・・。従来の映画においては愛の力は様々な困難に打ち克つのが定番なのだが、本作に関しては愛の力ですら手に負えない状態。そして、失う物があれば得る物がある、と言うのは多くの映画でも語られている教訓だが、本作においては失う物ばかり。ハッキリ言って内容は褒められた物ではないが、様々なテクニックを駆使した映像表現や音楽はなんだか惹きつけられるし、麻薬を自らの体に打ち込んだときの瞳が大きくなるシーンが度々出てくるのだが、このシーンが出てくるたびに俺がラリっている気分になる。
 もうハッピーエンドの映画には飽きた人、後味の悪い映画を見たい人、破滅へ向かっていく映画が見たい人、ジェニファー・コネリーの美少女時代からのファンの人、もしくはすっかり大人になったジェニファー・コネリーが見たい人、ダーレン・アロノフスキー監督の作品と聞いて心が踊る人には映画レクイエム・フォー・ドリームはお勧めしたい

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 監督は鬼才ダーレン・アロノフスキー、彼のお勧め作品は数学と宗教が融合した難しい内容のπ(パイ)、ミッキー・ローク主演のレスラーが良いです。

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映画 レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989) この監督にしては大笑いできる

2015年05月31日 | 映画(ら行)
 ユル~イ笑いが特徴的なフィンランドの至宝であるアキ・カウリスマキ監督だが、今回紹介する映画レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカは、この監督の持ち味を活かしつつ、なかなか大笑いできる傑作だ。

 全員がとんがり過ぎのリーゼントのヘアースタイルに、つま先がヘアースタイルと同じくとんがった靴を履いた音楽バンドが、ロシアを思わせる極寒のツンドラ地域からニューヨークを経てメキシコまで辿って行くロードムービー。この音楽バンドをこき使って、小銭を稼ぎながら缶ビールを飲みまくるインチキマネージャーが笑わせるし、もちろんレニングラード・カウボーイズと名付けられた音楽バンドのメンバー達も笑わせてくれる。最初はロシア風のポルカを演奏しているダサくてセンスの無いバンドだったのだが、ロックに目覚めてから段々マトモなバンドになっていく様子がけっこう笑える。全編にわたりよく耳にする音楽が流れてくるのだが、なぜかわからないが本作のサントラを買おうとまでは思えない。
 まあ~、赤ちゃんや犬にまでヘアースタイルを真似させる等くだらないギャグもあるが、時にはシニカルな笑いも出てくる。バンド内やマネジャーとの対立で揉め事が起こったりする場合もあるが、その時に民主主義、革命など社会情勢を皮肉るようなギャグも面白い。

 当初は全くイケテないロックバンドが次第に成長していくロードムービーのストーリー紹介を簡単に
 ツンドラ地帯の極寒の地において、音楽バンドのレニングラード・カウボーイズの演奏を聴いていたスカウトマンは、彼らのマネージャー(マッティ・ペロンパー)に、こんな音楽では売れないからアメリカへ行け!とアドバイスする。
 早速マネージャー(マッティ・ペロンパー)はアメリカのプロモーターに連絡し、レニングラード・カウボーイズの面々を率いてニューヨークに行く。アメリカのプロモーターは彼らの音楽を聴いて与えた仕事はメキシコの親類の結婚披露宴においての演奏。
 マネージャー(マッティ・ペロンパー)とレニングラード・カウボーイズはアメリカで流行っているロックの本を買い込んで勉強し、メキシコへ向けて珍道中を繰り広げる・・・

 冒頭から凍死してしまっている奴が出てきたりで、アメリカへ行く飛行機の中で英語の勉強をしているシーン等で笑わせてくれる。この監督の作品らしく台詞は極端に少なく、画面の作りがモノトーンで見た目がすっきりしているし、ギャグも淡々としている。俺なんかは非常にこの監督の笑いはツボで、特に俺が今まで観ているアキ・カリウスマキ監督作品では爆笑できる方の部類だ。
 アメリカ社会に対する社会風刺が少々込められているが、特に哲学的に感じる部分は無いので気楽に見られる。そして所々で素敵なシーンもあったりでちょっと感動できる。アキ・カウリスマキ監督の名前を知っているけれど彼の映画を観たことが無い人は本作から入るのが良いし、ちょっと変わった笑いを求めたいという人には映画レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカはお勧めです。
 ちなみに本作は途中でジム・ジャームッシュ監督が出演しているし、音楽バンドであるレニングラード・カウボーイズは、本作を切っ掛けに今でも活躍しています

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ/レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う(続・死ぬまでにこれは観ろ!) [DVD]
アキ・カウリスマキ,マト・ヴァルトネン,ヤッケ・ヤルヴェンバー
キングレコード


 監督は前述しているようにアキ・カウリスマキ。この人のお勧めは過去のない男浮き雲ル・アーヴルの靴みがきあたり。人生の再生と希望を感じさせる内容の映画が多いです。

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映画 レスラー(2008) これが男の生き様です

2015年02月17日 | 映画(ら行)
 かつて、日本で行われたボクシングの試合でネコパンチを披露して大いに笑わせてくれたミッキー・ロークだが、なんと去年の11月にロシアで62歳にしてボクシングに復帰。29歳の選手を相手にダウンを2回奪うなどの完全無欠のKO勝ち。これは、恐るべきミッキー・ロークのタフネス振りを褒め称えるべきなのか、それとも相手の29歳の選手にボクシングを今すぐにでも辞めるようにアドバイスすれば良いのか、それとも他に何か真実が隠されているのか!?

 あのネコパンチ以来、すっかりソッポを向かれ公私共にどん底を味わったミッキー・ロークが主演したボクシング選手ではなくて、落ち目になったプロレスラー役で出演している映画が今回紹介するレスラー
 最初、彼がプロレスラー役で主演すると聞いた時はギャグ映画かと思って笑う場面が多数出てくるのかと思っていたのが、さにあらず。俺の想像力の浅はかさを思い知らされるほどの当時56歳のミッキー・ロークの役作りが完璧。かつての美形だった頃の面影はすっかりなく顔はデコボコだが、体型は56歳だと思えないと言うか、そこら辺にいるプロレスラーと大して変わらないほどのビルドアップ振り。さらには自らのこれまでの生き様を投影したかのようなキャラクター作りは、彼の背中から男の哀愁が漂ってきて感動的。しかも実際のプロレスをするシーンにおいても、56歳とは思えないぐらいのパワフルで俊敏な動きを見せてくれる。
 その結果として、本作品において男ミッキー・ローク健在を印象付けた。

 そして共演者で興味深いのが、かつていとこのビニーで見た目からして処女っぽい愛くるしさで注目を集めたマリサ・トメイ。さすがに彼女も何時までも永遠の処女のイメージのままでは長く女優人生が続くわけがない。そんな彼女が40歳半ばを迎えた時に、本作品にシングルマザーのストリッパー役で出演しているのだが、まさに女優としてのプライドが伝わってきて涙が出そうになる。確かに年齢の割りに普通の人よりも見た目は綺麗だと思うが、かつての清純そうだった頃を知る者にとって、映っているシーンの顔の表情は角度によっては、やっぱり老けたよな~と思ったり、40歳代半ばの体を晒してストリップダンスをしているシーンを見せられて、なぜかショックを受けたり。俺なんかは彼女が登場するたびに心が寂寥感に包まれてしまったのだが、なぜなんだろう。
 しかし、彼女の自虐的チャレンジは決して無駄ではなかったのは、今や個性派女優として貴重な存在感を示していることが証明している。

 過去の栄光がはるか昔の物になり、すべてを失った男の物語とはどのようなストーリーなのか。
 20年前には人気レスラーであったランディ(ミッキー・ローク)だが、今はすっかり落ちぶれて、トレーラーでその日暮らしの日々。週末はスーパーでバイトをして、平日は昔の最盛期では考えられないようなキワモノ的興行を行っているプロレス団体に所属し、色々な意味で痛い試合をしている。
 そんなランディ(ミッキー・ローク)の唯一の心の拠り所は、安物のストリップ劇場に出掛けて、ひそかに思いを寄せるキャシディ(マリサ・トメイ)に会いに行くことだった。
 そんなランディ(ミッキー・ローク)だったが、かつての名勝負から20周年記念の企画としてランディVSジ・アヤトラ戦が組まれることが決定。多くの観客を抱えるメジャー団体での活躍のチャンスが巡ってきたと喜ぶランディ(ミッキー・ローク)だったのだが、ある試合の終了後に、長年に渡る筋肉増強剤を使用してきた影響がたたり、心臓麻痺を起こして倒れてしまう。
 何とか一命を取り留めたランディ(ミッキー・ローク)はプロレスから引退することを決意。長く疎遠になっていた娘ステファニー(エヴァン・レイチェル・ウッド)とはキャシディ(マリサ・トメイ)の協力もあり、再び父娘との関係が結ばれ新しい人生を歩めるかと思ったのだが、ランディ(ミッキー・ローク)は全てを台無しにしてしまうような失敗をしてしまい・・・

 本作が非常にユニークなプロレス映画になっていることとして、その舞台裏が描かれていることがある。対戦相手と試合の流れを確認したり、また額から流血する用意のために小さい刃物を手首のテープに巻きつけて隠したりするシーンが出てきたりする。さらには『どこかでその筋肉増強剤を安く手に入れることができないか?』なんてレスラー同士での会話が出てきたり、試合中でも『早く、俺をフォールしろ!』なんて会話が飛び出したり、プロレスファンにとっては知りたくもないことを懇切丁寧に教えてくれるシーンが多く登場してくる。
 しかし、そのようなレスラー同士のやり取りが非常に感動させる。メインの座を掴み取るレスラーとは決して自らの力だけで主役を得たのではない。脇役に徹するレスラーのおかげもあってメインの座を張れるのだ。そこには尊敬される側と尊敬する側の友情がこの映画では描かれている。プロレスラー同士の友情とはこのように美しい物だったのか!まさに目からうろこが落ちたような気分だ。

 ミッキー・ローク演じるランディはプロレス以外は何をやっても駄目な男。肉体が限界に来ているのに彼の最後の選択は本当に正しかったのだろうか?しかし、彼の目の前には既に選択に悩むような分かれ道など無く、茨の道がまっすぐに一本あるだけ。それはあの偉大なイエス・キリストが全ての罪を背負って、十字架に向かって行く姿と重なる。
 その人の価値はどん底状態の時にこそ真価を問われることを知り、男には自らの命よりも大切な物があることを教えてくれる映画レスラーは、全ての男性は必見だし、男とはここまでブキッチョな生き物なのかを知りたい女性にもお勧めだ

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NIKKATSU CORPORATION(NK)(D)


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 監督は鬼才中の鬼才ダーレン・アロノフスキー。この人の映画の魅力はテクノロジーを活かした映像ですが、時々CGを使いすぎて失敗することもある。しかし、本作のレスラーでは、ほとんどCGなんか使わずに、ミッキー・ロークという素材だけで勝負した印象があり、まさにそれが大成功を収めた。
 この人のハイテクノロジーを活かした傑作として彼の長編デビュー作であるサスペンス映画の傑作π(パイ)、麻薬、薬物の怖さを描いたレクイエム・フォー・ドリームがお勧め。
 ハイテクノロジーを使いすぎて失敗したと個人的には思っているファウンテン 永遠につづく愛はレイチェル・ワイズが綺麗だという理由だけでお勧めです。

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映画 リオ・ブラボー(1959) 痛快娯楽西部劇です

2014年05月08日 | 映画(ら行)
 個人的に西部劇から映画の面白さを知った者として、只今の西部劇の凋落振りは非常に寂しい気がする。なにかと不器用な男達が己の信念に従って戦いに挑む姿は、俺の少年時代においてはもの凄く格好良いと思ったし、その気持ちは大人になった今でも変わらない。時々西部劇を観終えた後に、一体この男たちは何のために戦ったの・・・アリャ?なんて思ったりする時があるが、男には命を投げ出してでも戦わなければならない時があることを教えてくれたのが俺にとっては西部劇。俺なら一目散に逃げ出してしまう大ピンチに陥っても西部劇に登場する男達は自らの行うこと事こそが正義だと信じて銃を撃ちまくる。
 俺が多くの西部劇の中で最もエンターテイメントとして楽しめたのがジョン・ウェイン主演の映画リオ・ブラボー。壮絶なガンファイト、かっこう良い音楽、戦うことしか知らない男のブキッチョな恋愛模様、悪い奴らに決して屈しないマッチョな男など本来あるべき西部劇の楽しさが本作にはある。

 そして常に演じることで強きアメリカを体現してきた男ジョン・ウェインの存在感が抜群だ。彼の馬鹿でかい体から発するオーラは威光を充分に発しているし、ノッシノッシ歩いたり、壁に肘をついてもたれたりする等チョッとした動作が本当に様になる男だ。彼が演じる保安官は悪党を目の前にしても決してビビッたりしない。そして大勢の悪い奴らに立ち向かって行くのに彼が率いる仲間が笑える。アル中で手が震えっぱなしの相棒、片足を引き摺っていて、しかもうっかり仲間を撃ってしまいそうになる少々あわてんぼうの牢番人の老人、陽気さだけが取り得の酒場の主人であるメキシコ人、戦いには全く役に立たない脚線美の持ち主である美人賭博師、そして唯一使えそうなのがせいぜい青二才の2丁拳銃使いの若者。よく諺に出てくる多勢に無勢とは、まさにこのこと。ハッキリ言って勝ち目の無い戦いなのは、ジョン・ウェイン自身が1番よく知っている。それでも正義の名のもとに戦いから逃げない姿はオトコノコならきっと大きな尊敬のまなざしで見るはずだ。

 本来の西部劇の楽しさを味わえ、アメリカの栄光の時代がなんだか懐かしく感じるストーリーとはいかなるものか。
 メキシコとの国境が近いテキサスの町リオ・ブラボーにおいて。その町の保安官であるチャンス(ジョン・ウェイン)は殺人の現行犯でジョーを捕まえる。しかし、この地方の有力者であるジョーの兄バーデットは金の力にモノをいわせ、町を一斉封鎖。弟のジョーを釈放するようにチャンス(ジョン・ウェイン)に圧力をかけ続ける。
 チャンス(ウェイン)は連邦保安官がやって来るまでの時間稼ぎをしようと、まるで役に立たないように見えるごく少数の面々と力を合わせてバーデットに抵抗を続けるのだが・・・

 とにかく印象に残る名シーン及び迷シーンの連発だ。アル中が急に凄腕ガンマンに変身したり、ガンファイトのシーンでのダイナマイトの扱いが笑える。そもそも銃弾が飛び交う中で今まですぐ側に積まれたダイナマイトによく命中しなかったな~と(笑)
 ロックンローラーのリッキー・ネルソン演じる若者が『ヘイ、チャンス』と声をかけながらライフルを投げ渡すシーンは名シーン。そして、その後にジョン・ウェインが馬に飛び乗って逃げる悪人を一発で仕留めることが出来なかったりなど、愛嬌のあるシーンも見どころだ。
 ディーン・マーチンリッキー・ネルソンの2人が得意の歌を披露するシーンも良いが、町をぐるりと包囲する悪い奴らが1日中流し続ける皆殺しの唄が良い。名作と呼ばれる西部劇に使われる音楽って本当に良い曲が多い。
 そして名優であるウォルター・ブレナン演じる牢番人がチョイチョイ面白いことを言うが、こいつがまた笑える。そこら中の若手芸人の漫才など足許に及ばないぐらいのレベルの高い笑いが味わえる。そしてこの映画は西部劇にしてはラストのまとめ方が上手い。まだまだ言い足りないぐらい褒めたいことがあるのだが、それはぜひ観てもらって確認してもらうことにしよう。ツッコミどころも多い気がするが、そういうシーンも含めて楽しめる映画。男性にはもちろんお勧めだが、笑えるシーンも多いので女性にもお勧めできる。個人的には2番目に好きな西部劇(ちなみに1番好きなのはワイルド・バンチ)として今回はリオ・ブラボーを紹介しておこう。

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 監督は名匠ハワード・ホークス。西部劇だけでなくハードボイルドからコメディまで幅広く傑作を連発。コメディならケイリー・グラント、キャサリン・ヘプバーンが競演した赤ちゃん教育、同じくケイリー・グラント主演のヒズ・ガール・フライデーがお勧め。
 サスペンス路線ではレイモント・チャンドラー原作の大いなる眠りの映画化したハンフリー・ボガード、ローレン・バコール競演の三つ数えろがお勧め。
 西部劇では本作と同じくジョン・ウェイン、モンゴメリー・クリフト競演の赤い河がお勧めで、その後の西部劇に色々と影響を与えています。

 主演は歴代ハリウッドスターの中でも大スターという言葉がよく似合うジョン・ウェイン。多くの西部劇、戦争映画において傑作に出演していますがそれらの分野でお勧めを紹介していたらキリが無い。個人的にはジョン・フォード監督の作品で最も好きな静かなる男を今回はお勧めしておこう。

 アル中の保安官補を演じたのがディーン・マーチン。底抜けシリーズで有名ですが、ルイス・マイルストン監督のフランク・シナトラと競演したオーシャンと十一人の仲間(オーシャンズ11のリメイク基)がお勧め。

 牢番人役のウォルター・ブレナンは名脇役として有名ですが、フリッツ・ラング監督の死刑執行人もまた死すはかなりお勧め。他に本作と同じハワード・ホークス監督のゲイリー・クーパー主演のヨーク軍曹、フランク・キャプラ監督、ゲイリー・クーパー競演の群衆、ジョン・フォード監督、ヘンリー・フォンダ競演の荒野の決闘もついでにお勧めとして挙げちゃえ。

 本作で紅一点として出演しているアンジー・ディキンソンは金髪、脚線美と俺の好みが揃った美人女優。実はこの人が女優として本領発揮したのがブライアン・デ・パルマ監督の殺しのドレス。すっかり美人度としては賞味期限切れですがエロさは健在でサスペンス好きにはお勧めできる。

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映画 ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日(2012) 必死のサバイバル・・・

2014年01月24日 | 映画(ら行)
 この世の中、動物好きという人は多く、猫や犬などのペットを飼っている人はたくさん居る。しかし、いくら動物好きと言ってもだだっ広いだけの海にカワイイ子猫ちゃんと一緒ならまだしも、立派に成長した虎と全長数メートルの貧相な救命ボートに一緒に居るというのはあまり嬉しいと思う人はいないだろう。ましてや腹を空かしている虎が目の前に居るのは非常に居心地が悪いのは誰でも想像できる。
 そんな居ても立っても居られない状況に陥ってしまった少年の物語が今回紹介する映画ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日。広い海を一人ぼっちで漂流してしまうだけでも腹が減るのをどうやって凌ごうかと悩んでしまいそうなのに、虎と一緒に漂流してしまうとは何とも運の悪い少年。自分の飢えを凌ぐ前に、自分自身が虎の餌になってしまいそうな状態から脱出する必要がある。恐らく多くの人が本作に求める楽しさは、ハラハラドキドキのサバイバルゲーム。果たして、この少年は如何なる方法で生き延びるのか

 そんなサバイバルゲームとして観ても、なかなか楽しい映画。しかしながら、見たところ目の前の虎と対峙するための性能に優れた武器があるわけでもなく、海は広いといっても逃げ出そうにも体力の限界があるし、そもそも泳ぎは虎の方が得意。どれだけ考えてもよくデキたアイデアなど浮かぶようなシチュエーションでない。
 そんな中でも必死に生き延びようとする少年の姿に観ている我々は多くのことを学びとることができる。決して人間は一人では生きていくことができない共存の精神、宗教に求める救いの気持ち、自然に対する感謝の気持ち、家族に対する篤い想い、相手に対する尊敬の念・・・等等、そして最も観ていて伝わってくるのが当たり前のことだが、どんな困難な状況に遭っても決して諦めるな、と言うこと。

 それはさておき、どうして虎と一緒に漂流するという突飛な状況に少年は陥ることになってしまったのか!簡単にストーリー紹介を。
 インドの動物園で育ったパイ少年(スラージ・シャルマ)は経営難から一家と動物達も一緒にカナダへ移住することになる。しかしながら、航海中にもの凄い嵐に遭遇してしまう。家族や他の乗客、乗員たちは船ごと沈んでしまうが、パイ少年(スラージ・シャルマ)だけ救命ボートに飛び乗り奇跡的に助かる。しかし、何とその救命ボートにリチャード・パーカーと名付けられたベンガルトラが身を潜めていた。ベンガルトラが遊び相手になるわけが無く、うっかりしているとベンガルトラの胃袋の中。
 パイ少年(スラージ・シャルマ)は機転を効かし、ありとあらゆる方法で生き延びる術を実行していくのだが・・・

 単なるサバイバルの様子を楽しみたいと思っている人にとっては、想像しているシーンがなかなか登場しないので少々退屈するかもしれない。しかしながら、パイ少年の名前のエピソードは面白いし、宗教についてほんの少しだけ詳しくなった気分になれるし、美しい映像はウットリとした気分にさせる。そして虎は果たして本物かCGなのか興味津々で観ることができる?
 そしてパイ少年とベンガルトラの出会いから意味深な結末及び彼ら?の関係性は色々と想像力を掻き立てる。パイ少年はベンガルトラの目の中に一体何を感じたのか?本当の共存共栄とは一体何を意味するのか?サバイバル的な楽しみだけでは物足らず、少しぐらいは哲学的な要素が含まれている方が楽しめるという人にライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日はお勧めだ

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 監督は本作でブロークバック・マウンテン以来、2回目のアカデミー監督賞に輝いた台湾出身のアン・リー。アジア人で最もハリウッドで成功した映画監督と言えるでしょう。この監督の魅力はその作風の広さ。文学作品、戦争映画、アメコミ、エロ映画、同性愛、仁侠映画まで撮ってしまう手腕は確かに凄い。台湾時代のお勧めとしては美味しそうな料理がたくさん出てくる恋人たちの食卓、そしてチョウ・ユンファ、ミシェール・ヨー、チャン・ツィイーなどアジア圏内の豪華スター共演の仁侠映画グリーン・ディスティニー、アメリカの南北戦争を舞台にしたトビー・マグワイア主演の戦争映画シビル・ガン 楽園をくださいがお勧めです

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映画 ル・アーヴルの靴みがき(2011) 良い人ばかり登場します

2014年01月04日 | 映画(ら行)
 明けましておめでとうございます。今年は去年以上にもっと更新して面白い映画を紹介したいとおもっていますので本年もよろしくお願いします。さて、毎年のことだが年末から年始めにかけて、飲みまくりの食いまくり。なんだか胃はもたれるし、胸やけはするし、妙にだるくて体を動かすのも面倒。そのように感じているのは俺だけではなく、世の中の多くのお父さん連中もそのように思っているのではないだろうか。しかも仕事始めが近づく頃でなんとなく憂鬱な気分にもなってきたりする。
 もうそろそろ正月気分から抜け出さないといけないと思っている人に是非お勧めしたいのが今回紹介する映画ル・アーヴルの靴みがき。ユル~イ笑いとテンポがお正月で疲れきっている胃と肝臓に優しい映画だ。

 登場人物たちは無表情で台詞は少なく、映像表現における色彩、構図は単純。観終わった後に、よく考えるとけっこう大変な事が起きているのだが決してそのようには見せない演出。何だかワザと眠たくなる映画を作ってんじゃねぇ~の?なんて思えたりする。
 しかし、どこかすっとぼけたユーモアがけっこう笑える。この映画の主人公はタイトルから想像できるように靴みがきの職人さん。しかし、この主人公が万引きしたり、ツケがすっかり溜まっているダメダメ男で嫁さんには全く頭が上がらない。ところがそんな奴が時々格好良い台詞をボソッと言ったりする。きっと観ている誰もが『お前が言うな!』とツッコミを入れたくなるはずだ。
 さらに不法移民の黒人の少年が笑わす。ヒーロー面して逃げるのだが『お前の隠れ方、サイコ~』と思わず手を叩いて爆笑してしまった。

 他にも笑えるシーンがあるのだが、この映画の登場人物達が良い人ばかりで笑える、では無くて泣けてくる。どちらかと言えば細々と生きている人ばかり登場するのだが、彼らの善意に満ちた行動がとにかく暖かい気持ちになる。人間ってやっぱりお互いが協調して生きるべきなんだよな~なんて当たり前の事を気付かせてくれる。全員が小さくても幸せな気分になるって素敵過ぎる。

 現在ヨーロッパの各国において不法移民の問題が深刻化しているが、そんな社会問題を取り入れながらも心暖まるヒューマンドラマとは如何なるストーリーなのか。
 フランスのノルマンディー地方の港町であるル・アーブルが舞台。かつてパリで放浪生活をしていたマルセル(アンドレ・ウィルム)だが、今は靴みがきの職人として細々と暮らしている。しかし、彼には愛しの古女房であるアルレッティ(カティ・オウティネン)と愛犬ライカが家で待っててくれていることにささやかな幸せを感じていた。
 ところがある日のこと、アフリカから不法移民を乗せたコンティナがル・アーヴルの町にたどり着いてしまい、黒人の少年イドリッサ(ブロンダン・ミゲル)が逃げ出してしまう。イドリッサ(ブロンダン・ミゲル)が隠れているところを偶然発見したマルセル(アンドレ・ウィルム)は彼を本来の目的地であるロンドンへ行かせるために助けようとするのだが、時を同じくしてアルレッティ(カティ・オウティネン)が不治の病に罹ってしまい・・・

 なかなか本作の面白さが文章では伝わりにくいのが残念。個人的には大いにツボにはまって笑えるのだが、もしかしたらこの笑いが合わない人がいる可能性も高い。しかし、ル・アーヴルで暮らす人々の善意が素晴らしい。本当にこんな良い人ばかりが居るのだったら、フランスはパリではなくてル・アーヴルへ行きたくなってくる。
 そして、結末がアレレ!と思ったりするが、これはこれで嬉しすぎる気分になる。本作における夫婦愛、人の絆に感動し、ゆる~く笑えるル・アーヴルの靴みがきは個人的にはたっぷり睡眠時間を取ってから観て欲しい映画だ

ル・アーヴルの靴みがき 【DVD】
アンドレ・ウィルム(声:大塚芳忠),カティ・オウティネン(声:田中敦子),ジャン=ピエール・ダルッサン,ジャン=ピエール・レオー,ブロンダン・ミゲル(声:朴 叙ミ美)
キングレコード


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 監督はフィンランド人のアキ・カウリスマキ。日本でもなかなか人気のある映画監督。この人の作風は今や貴重な存在。記憶喪失からの再生と希望を感じさせる過去のない男、音楽バンドによるロード・ムービーが楽しめるレニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカがお勧め。

 良く出来た奥さんを演じるのがアキ・カウリスマキ監督作品の常連であるカティ・オウティネン。毎度無表情の演技を見せるが前述した過去のない男、他に同じくカウリスマキ監督の浮き雲の健気な奥さん役も印象的です。

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映画 ルシアンの青春(1973) フランスの青春映画?です

2013年12月14日 | 映画(ら行)
 フランス人の少年と少女のとても爽やかで、アワ~イ恋愛が繰り広げられる青春映画、と言うのは嘘。日頃、ウップンが溜まっている暴力的な性格の17歳の少年がナチス・ドイツの秘密警察の手先となって威張り散らす様子がとてもムカつく映画だ。心の内に閉じ込められてしまったやり場の無いエネルギーが少年を暴力へと駆り立てる。そのエネルギーをもっと違うところへ使えよ!って思いたくなるが、よ~く考えたら第二次世界大戦における戦争中のヨーロッパにおいて持て余したエネルギーをマトモなことに使えって言うのが無理としたもの。
 決して、ナチス・ドイツの秘密警察の手先として次々に密告や略奪していく行動は誉められるはずが無いが、人間として気の狂った連中ばかりが居る中において自らも悪の道に染まっていく事は、もしかしたら仕方の無いことなのかもしれない、なんてことを深く考えさせられる作品が今回紹介するルシアンの青春だ。
 
 すっかり悪の道の染まってしまったルシアンと言う名の少年だが、そんな彼を少しでもマトモな人間に変えていくのが無理矢理自分の彼女に強要したユダヤ人の少女とその一家。馬鹿な男を更正させるには、やっぱり女性の力が必要なんだよな~、なんて事を思わせる展開は充分に納得(そんなテーマが作者の意図としてあったかどうかは甚だ疑問だが)。

 やっと人間としての生き方を知ったルシアンに訪れる幸福感、そしてこれがやっぱり戦争の悲劇なんだよな~、と感じさせるストーリとは如何なるものか。
 1944年のフランスの西部のある田舎において。17歳の少年であるルシアン(P・ブレーズ)は病院の掃除係りとして働いていたが休日を利用して実家に帰ってみると、いつの間にやら自分の家は取り上げられていて、母親は別の男の女になっていた。
 どうしようもない苛立ちから、彼は対ドイツのレジスタンス活動に身を捧げようと隊長に入隊したいことを申し出るがアッサリ断られてしまう。

 その夜、ルシアン(P・ブレーズ)病院に戻る途中でホテルの前でボ~ッと突っ立っていると、ある男から声を掛けられる。実は彼が立っていた場所はホテルの前ではなく、ドイツの秘密警察の本部であり、彼らの手先として動いているフランス人のたまり場だった。ルシアン(P・ブレーズ)はすっかりフランス人のたまり場での華やかな生活に憧れてしまい、彼もドイツの秘密警察の手先として喜んで働き出す。
 ある日、ルシアン(P・ブレーズ)は上司にユダヤ人の洋服屋であるオルン(H・ローウェンアドラー)の所へ、新しい服を仕立てるために連れて行かれる。そこで彼はオルン(H・ローウェンアドラー)の娘であるフランス(A・クレマン)に一目惚れ。そしてフランス(A・クレマン)を連れて秘密警察の本部のパーティーに参加するのだが・・・

 簡単に言ってしまえば、あまりにもの世間知らずによって戦争に巻き込まれてしまった17歳の少年の愚かさを描いた内容。そんな彼がようやく戦争の愚かさ、自らの行って来たことに対する罪の深さに気付くのだが、結末は悲しいことに厳しいお仕置きが待っている。しかし、現在の都知事はウッカリ5千万円を借りたことについて大して反省もせずにノウノウと延命を企んでいるが、本作の主人公のルシアンの運命と比較すれば、いかに人生をなめ切っているかがよくわかる。
 決して派手さは無いが、戦争の悲惨さは理解できるし、人生の厳しさを痛感し、そしてちょっとエロいシーンが妙に印象に残ったりするルシアンの青春は、ブログを読んで興味が湧いてきた人は観てください

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ピエール・ブレーズ
IVC,Ltd.(VC)(D)


 監督はフランスのヌーヴェルバーグを代表するルイ・マル。マイルス・デイヴィスによるアドリブ演奏がアンニュイな雰囲気を醸し出すサスペンス映画の金字塔死刑台のエレベーター、ひたすら寂寥感が漂う鬼火、そしてハチャメチャな展開、映像表現が笑えるコメディ地下鉄のザジがお勧め

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映画 ライフ・イズ・ミラクル(2004) 悲惨な事が起こっても前向きになれます

2013年09月25日 | 映画(ら行)
 戦争を背景にした映画はたくさんあるが、その多くは戦争の悲惨さを強調した内容が殆んどだろう。観ていてシャレにならない映像が飛び出してきたりして、気持ち悪くなる時もあるが、今回紹介する映画ライフ・イズ・ミラクルは、まだ記憶に新しい?ボスニア紛争を背景にしたセルビア映画。しかし、この映画の凄さは戦争による悲惨さはそれほど感じないどころか、コメディ風に描いているところ。爆撃の音がドッカン、ドッカンと響いていてもそれほど恐怖に感じている人間は登場しないし、どこか憎めない奴ばかり出てくるし、なんだか楽しい音楽が流れるし、舞台となる村の風景は綺麗、そして楽しい動物たちが大いに笑わせてくれる明るい作品だ。
 
 しかし、けっこう主人公のお父さんの周りでは悲惨な出来事が色々と起こる。やっぱり戦争は人間に悲劇をもたらす悪の産物だと思っていたら、ここからがこの映画の真骨頂。主人公のお父さんを悩ます出来事が次々と起こるのだが、『生きていれば良い事があるんだ』というメッセージが伝わる展開。この映画では犬、猫、熊などの動物が大活躍するが、とくに最初は自殺しようかと涙を流していたヤギが、最後はまるで主人公の守護神だったかのごとく大活躍を見せる。こんなシーンを見せられたら、自然に生きる気力が湧いてくるからたまらない。

 本当は戦争なんかは悲惨な出来事だけれど、そんなペーソスユーモアで吹っ飛ばそうとするストーリーとはいかなるものか。
 1992年、ボスニアの村でセルビア人のルカ(スラブコ・スティマチ)は鉄道技師の仕事をしていて、オペラ歌手の妻ヤドランカ(ヴェスナ・トリヴァリッチ)と息子でサッカー選手を目指しているミロシュ(ヴク・コスティッチ)とノンビリ暮らしていた。内戦など起こるはずが無いと思っていたルカ(スラブコ・スティマチ)だったが、ボスニア紛争が勃発して彼の平和な暮らしも一気に崩れ去る。
 ミロシュ(ヴク・コスティッチ)は徴兵されてしまい、ヤドランカ(ヴェスナ・トリヴァリッチ)はハンガリー人の男と一緒に何時の間にか逃げてしまう。しかもミロシュ(ヴク・コスティッチ)は敵方の捕虜になってしまったことを知らされる。
 そんな中で息子のミロシュ(ヴク・コスティッチ)の捕虜交換要因として敵方のムスリムの女性サバーハ(ナターシャ・ソラック)を家で預かる事になってしまう。ところが2人は同居していく内にお互いに恋愛感情が芽生え始めてしまう。息子のミロシュ(ヴク・コスティッチ)を取り戻すためにサバーハ(ナターシャ・ソラック)と捕虜交換するか、それともサバーハ(ナターシャ・ソラック)と一緒に暮らすことを選択するかで悩みだすが、しかももう帰ってこないと思っていたヤドランカ(ヴェスナ・トリヴァリッチ)が戻ってきて・・・

 チトー独裁政権によって、何とかまとまっていたユーゴスラビアだがチトー亡き後、宗教、民族などの複雑的な要因によって様々な国に分裂していったが、他国の干渉もありボスニア紛争はまさに悲惨な戦争だった。しかし、この映画はそんな悲惨さを極力見せないように笑えるシーンを持ってきている。ルカ(スラブコ・スティマチ)とサバーハ(ナターシャ・ソラック)が空想の中で一緒のベットで空を飛んでいるシーンが出てくるなど、どこか寓話的要素を入れているところもこの映画の魅力だ。そしてこの映画は恋愛映画として観る事も可能。確かに男女が同居していたら恋が芽生えてしまうのも当たり前か。
 ストーリーに関係なく、とってつけただけのギャグのシーンもあり、そのせいで2時間半という長時間映画になっているのが残念だが、ボスニア紛争について詳しく知らなくても楽しめるライフ・イズ・ミラクルは、少々時間に余裕のある人ならば是非お勧めしたい映画です

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 監督はユーゴスラビア人と自分では言っているエミール・クストリッツァ。自国の内戦を見てきた監督ですが、そんなことを感じさせないユーモアを発揮するのが特徴。本作品でもその特徴は出ていますが、アンダーグラウンドはそんな特徴がより活かされた傑作でお勧めです

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映画 旅情(1955) 水の都・ヴェネツィアが堪能できます

2013年09月05日 | 映画(ら行)
 水の都・ヴェネツィアを舞台にした映画といえば、比較的最近ではジョニー・デップとアンジェリーナ・ジョリーの男女二大スターが共演したツーリストが有名だが、あの映画を見て特にヴェネツィアに行きたいとも思わないし、そもそも映画自体がそれほど面白かったかどうか?しかし、今回紹介する映画旅情を観れば、老若男女を問わずに『私もヴェネツィアに行きた~い』と思うはずだ。
 基本的には水の都・ヴェネツィアを舞台にした中年同士の大人の恋愛映画。若いカップルの情熱的で盲目的なバカップルが車の中や、いかにもチープなホテルで愛し合う恋愛映画も時には目の保養に良い場合もあるが、とっても綺麗なヴェネツィアで、大人同士が一瞬我を忘れて燃え上がる恋愛映画もなかなか味わい深いものがある。
 
 さて、本作品の主人公の設定だが、アメリカからヴェネツィアに旅行にやって来た、もうとっくに婚期を逃してしまったような中年の独身女性。今でこそ、日本のみならず世界的に晩婚化の現象が起きているが、この映画の製作の当時(1955年)においては、女性にとって30歳半ばをとっくに超えて結婚していなければ、まるでどこか人間的に問題があるのではないかと噂されてしまうような時代。
 もしかしたら個人的な俺の趣味の問題かもしれないが、お世辞にもこの主人公の女性に対して外見からして魅力を感じない。しかも、所かまわず写真をバシャバシャ撮りまくっている姿が、なんとも痛く見える。
 しかし、普段から『私は結婚よりも仕事が優先』なんて言いながら、本心は早く結婚したがっている女性を実は何人も知っているが、そのような女性が本作を観れば自信と希望が湧いてくるし、絶対にイタリアに行きたいと思うはずだ。それにしてもイタリアの男は女なら何でもありみたいだ。
 さて、名曲Summertime In Veniceサマータイム・イン・ベニス)に乗せて描かれる中年男女の美しくも儚い恋愛映画とは如何なるものか。

 アメリカで秘書の仕事をしている38歳(俺には50歳ぐらいに見えてしまうのだが)の独身女性ジェーン(キャサリン・ヘプバーン)は、せっせと働いて貯めたお金で夢であったヨーロッパ旅行を実行中。そして、最終目的地である水の都・ヴェネツィアにやって来た。
 しかし、周りを見渡せば年齢に関係なく男女のカップルだらけ。1人で旅行をしているジェーン(ヘプバーン)は、何だかとっても寂しい気持ちに襲われながらも、ひたすら写真を撮りまくっている。サンマルコ広場で1人でお茶をしていると、後ろからチョッとばかりダンディな中年男性の視線を感じる(このシーンが良いです)。しかし、少々男性慣れしていないジェーン(ヘプバーン)はその場をそそくさと去ってしまう。
 翌日、再び観光に出かけたジェーン(ヘプバーン)は骨董品店に入ると、昨日サンマルコ広場で出会ったイタリア人の中年男性レナート(ロッサノ・ブラッツィ)と再会してしまい、その後何回か会っているうちに2人の間には恋が芽生えるが・・・

 撮影している人が、もの凄く上手なせいかヴェネツィアを本当に観光している気分にさせる映画。色々な名所や建物が写し出されるが、確かに百枚ぐらい写真を撮りたくなる気持ちになるのも不思議ではない。あまりにもサマータイム・イン・ベニスの曲が良すぎるので思わずうっとりとした気分になってしまいそうになるが、実は時々笑えるシーンも出てくる。
 しかし、この恋愛の結末は何とも奥が深い。俺なんかはまさに、これが大人の女性の選択だと思って大変感動した。男性と女性の違いがあるが、もし俺がジェーン(キャサリン・ヘプバーン)と同じ立場になれば、きっと違う選択をしてドツボに嵌っていた可能性が高い。
 観光気分が味わえ、素晴らしい音楽がいつまでも耳に残り、ちょっと大人になった気分になれる旅情はお勧めしい恋愛映画です

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 監督は数々の傑作を世に残したデヴィッド・リーン。彼の雄大かつ引き込まれるストーリーの巧みさは、これからお勧めする作品を観れば非常によくわかる。
 日本人、イギリス人、アメリカ人の気質の違いがよくわかる戦争ドラマ戦場にかける橋、今のアラブの諸問題が少しばかり理解した気分になれるアラビアのロレンス、ロシア革命に翻弄される男女の恋愛を描いたドクトル・ジバゴ、アイルランドの独立運動を背景にした不倫映画の傑作ライアンの娘。これらは生きているうちに観て欲しいお勧め作品です。

 ジェーンを演じるのが、名女優キャサリン・ヘプバーン。彼女のお勧めはハワード・ホークス監督、ケイリー・グラント競演の赤ちゃん教育は大爆笑できます。
 他にジョン・ヒューストン監督でハンフリー・ボガートとの丁々発止のやり取りが笑えるアフリカの女王、黒人の差別問題を描いたスペンサー・トレイシー、シドニー・ポワチエ競演の招かれざる客等がお勧め。

 イタリア人男性でレナートを演じるのがロッサノ・ブラッツィ。ジョーゼフ・L・マンキーウィッツ監督、ハンフリー・ボガート、エヴァ・ガードナー競演の裸足の伯爵夫人がお勧め。

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映画 レッド・オクトーバーを追え!(1990) ショーン・コネリーが格好良いです

2013年05月22日 | 映画(ら行)
 ソ連が崩壊してしまって以降、その影響下にあった東欧諸国では、まるでドミノ倒しのように共産主義国家が民主主義国家に生まれ変わっていった。そんな状況はハリウッド映画にも大きな影響を与える。軍事アクション映画において仮想敵国はソ連だったのが、ソ連崩壊以降の悪者となるとイスラム原理主義のテロリストであったり、スケールが更にアップして宇宙人だったりする。

 ハリウッド映画というところは、馬鹿馬鹿しいほど素っ頓狂な設定のアクション映画を製作する時があるが、現実的な国際問題を取り込んだ知的なアクション映画も存在する。今回紹介する映画レッド・オクトーバーを追え!は米ソ冷戦末期の時代に製作され、当時の二大大国の一発触発の緊張感が漂う軍事アクション映画だ。
 当時この映画を観た時は抜群に面白く、知的なスリルと興奮を得られたものだが、今改めて観ると露骨なまでの反共プロパガンダ振りが大いに笑える。そして、共産主義イコール悪という図式が何だかとても懐かしく感じ、ツッコミたくなるシーンが多いのに驚いた。

 今やすっかり懐かしい米ソ冷戦を背景にした軍事サスペンスのストーリーとは如何なるものか。
 ラミウス(ショーン・コネリー)を艦長とするソ連の原子力潜水艦レッド・オクトーバーが基地を出発し、大西洋を渡りアメリカの東海岸へ向けて出発した。実はレッド・オクトーバーはソ連が開発した完璧な消音装置を付けた優れもの。現段階においてはアメリカ軍の技術を持ってしても静かに潜行するレッド・オクトーバーを探索することは不可能だった。
 
 レッド・オクトーバーがソ連を出発した情報はアメリカ側に入り、CIAの情報分析官であるジャック・ライアンアレック・ボールドウィン)の元にも届いたのだが、次々とレッド・オクトーバーの不審な行動の情報が入ってくるのに及んで、ソ連及びラミウス(コネリー)の真意を計りかねていた。
 
 一方ソ連のモスクワにおいても、レッド・オクトーバーが不審な行動をしているとの情報が入る。しかもラミウス(コネリー)の真の目的を知ったモスクワ側は、ソ連海軍の潜水艦コノヴァロフの艦長のツポレフ(ステラン・スカルスガルド)にレッド・オクトーバーを撃沈せよとの命令が下る。
 アメリカ側はレッド・オクトーバーが本土を攻撃するかもしれないとの予測に立って、原子力潜水艦ダラスがレッド・オクトーバーを待ち構える。

 待ち構えるアメリカの原子力潜水艦ダラスと、追いかけてくるソ連の潜水艦コノヴァロフの間で挟まれる状態になったレッド・オクトーバー。米ソの間で緊張感が走るが、ラミウス(コネリー)の真意を理解したジャック・ライアン(ボールドウィン)は、ラミウス(コネリー)との接触を試みるのだが・・・

 冒頭のタイトルロゴの表現が面白く、最初から面白さが全快。ショーン・コネリーがとても格好良くて、登場シーンからしてテンションが上がって、大盛り上がり。とっても渋くて、貫禄があり、それでいてチャーミング。とにかく存在感が抜群だ。
 潜水艦の追いかけっこが楽しいだけでなく、意表を突いた仕掛けもあり、ちょっとした驚きも味わえるのが良い。

 男ばかり登場するので色気が足りない欠点はあるが、逆に骨太な男たちの重厚なドラマが観られるので、必ずしも欠点とばかり言えない。それよりもツッコミどころが目立つ。例えばショーン・コネリーはソ連の軍人という設定なので最初はロシア語で話しているのに、途中からすっかりロシア語を忘れてしまったのか英語でしゃべりまくっているし、作戦自体が万に一つも成功の可能性が無い低い確率。もっとマシな作戦があるだろうと後で冷静になって振り返ると誰もがそう思うはずだ。
 そして露骨なまでにソ連を悪者扱いにして、逆にアメリカは素晴らしい!というバカ丸出しのプロバガンダ。今となっては、そんなにアメリカって良い国だったけ?なんてシラケタ気分になってしまう。
 他にも色々と挙げればキリが無いが、観ている最中はツッコミどころに気付かないほど面白くて、楽しい映画。俺のように映画感想をブログに書いていたら、次々とツッコミどころが自然に浮かび上がってくるレベルだ。
 米ソ冷戦という懐かしい時代背景だが、面白さは今も全く色褪せていない。ツッコミどころが多いのに、なんとなく知性を感じさせる映画。観たことが無い人はもちろん、観たことがある人も再見すると色々なことに気付くお勧めの映画です

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 監督は本作及びダイ・ハードで知られるジョン・マクティアナン。凄い傑作を連発していますが、個人的には珍作だと思っているジョン・トラヴォルタ、サミュエル・L・ジャクソン競演の閉ざされた森は、意外に面白かったと感じる人が多いような気がします。

 実はこの映画は豪華キャスト。ショーン・コネリー以外にも、素晴らしい俳優がたくさん出演しています。
 ジャック・ライアンを演じたのがアレック・ボールドウィン。今やすっかり体が大きくなり貫禄がついてしまいましたが、実はこの当時は二枚目スター。実は本作を超えるお勧め映画が無いのが残念。元妻のキム・ベイジンガーと競演したゲッタウェイはオリジナルを観ていない人にはお勧めできるかな?

 ショーン・コネリーの片腕的存在でレッド・オクトーバーの副艦長を演じているのがサム・ニール。スティーヴン・スピルバーグ監督のジュラシック・パークで有名になりましたが、他にはピアノ・レッスンがお勧め。他にはSFホラー映画の形態ながらも、現代社会の問題を描き出したデイブレイカーが面白いです。

 ダラスの艦長を演じたのが名優スコット・グレン。サイコ・サスペンスの傑作羊たちの沈黙、炎が主役のバックドラフトなど渋いバイプレイヤーとして存在感を発揮しています。

 レッド・オクトーバーを追いかける潜水艦コノヴァロフの艦長をステラン・スカルスガルドが演じています、この当時はそれほど有名ではありませんが、今や多くの名作、ヒット作に出演する名優。ラース・フォン・トリアー監督の奇跡の海、ガス・ヴァン・サント監督のグッド・ウィル・ハンティング/旅立ちあたりがお勧め。

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映画 リバー・ランズ・スルー・イット(1992) それでも人生は過ぎていきます

2013年03月19日 | 映画(ら行)
 ノーマン・マクリーンが74歳(1976年)の時に書いた自伝的小説マクリーンの川の映画化作品、と言うよりもブラッド・ピットが一躍人気者になる切っ掛けとして有名な映画が今回紹介するリバー・ランズ・スルー・イット。1910年代から1920年代にかけての自らの青年時代に起きた思い出をノスタルジックに描いた作品だ。
 他人の思い出話なんか聴いていても、殆んどが退屈でつまらないとしたもの。しかし、本作品には家族、宗教、故郷といった、いつの時代にも大切な普遍的な事が描かれ、何かと大金持ちになりたがる拝金主義に傾きかけている現代の人間にも通じるメッセージ性を感じることができる。
 しかも、そのメッセージ性は決して声高にして叫ばれているのではなく、静寂に描かれているのが、この映画の特徴だ。

 さて、この映画のキーワードは釣り。家族の間にトラブルが起きても、一緒に釣りに行けば、元通りに仲良くなれる親子、そして兄弟の愛情、葛藤が描かれているストーリーとは如何に
 1910年から1920年代のアメリカのモンタナ州が舞台。スコットランドからやって来た牧師の父親(トム・スケリット)、真面目で秀才の兄のノーマン(クレイグ・シェイファー)、兄とは反対の性格で無頼漢の弟ポール(ブラッド・ピット)の三人の共通の趣味は釣り
 父親(トム・スケリット)が2人の息子が幼い時から、釣りを通して人生とは何たるかを聖書をひも解きながら教えていた。

 兄のノーマン(シェイファー)は東部の大学を卒業して、故郷に戻ってくる。その時弟のポール(ピット)は地元の新聞社の記者として働いているが、その生活は相当に荒んでいる。久しぶりに再会した親子3人で久々に釣りに行くのだが、ノーマン(シェイファー)はポール(ピット)の釣りをしている姿に、神が与えた才能を感じる。
 やがてノーマン(シェイファー)は大学の先生になるために故郷を離れ、恋人とシカゴへ行くことになるが、ポール(ピット)の生活は更にボロボロになって行き・・・

 モンタナ州の大自然が美しく、釣りのシーンは非常に力が入っている。ブラッド・ピットが魚を釣り上げるシーンは印象的なシーンだ。生真面目な兄は、弟の粗野だが荒々しい性格を羨ましく想いながらも、心配する。そんな兄弟愛にきっと誰もが感動するだろう。
 そして兄弟の結末は、歴史が証明するように英雄は早く滅んでも、凡人はしぶとく生き永らえることを改めて証明する。そんな自然の摂理が深く、静かに描かれているのだ。自分の今までの人生を後悔している人や未来に絶望している人に癒しを与えてくれるリバー・ランズ・スルー・イットはお勧めです

リバー・ランズ・スルー・イット [DVD]
ブラッド・ピット,クレイグ・シェーファー,トム・スケリット,ブレンダ・ブレサイン,エミリー・ロイド
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 監督は数々の名作にも出演する大スターとしても有名なロバート・レッドフォード。彼の監督作品はクイズ・ショウ大いなる陰謀のような社会派作品も良いですが、ノスタルジックな作品が抜群に良いです。家族間の葛藤を描いた普通の人々、環境問題をテーマにした御伽噺的なミラグロ/奇跡の地モンタナの風に抱かれてがお勧め

 ノーマンの少年時代の役で、今や若手スターの地位にいるジョゼフ・ゴードン=レヴィットが出演しています。この当時10歳ぐらいですが、今の面影がそのまま残っていて、笑えます。
 クリストファー・ノーラン監督のインセプションダーク・ナイト ライジング、ブルース・ウィリス競演のSFアクション映画LOOPER/ルーパーがお勧めです

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