ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日で二回目のアカデミー監督賞を受賞した台湾出身のアン・リー監督だがハリウッドにおいて、最も成功したアジア圏内の映画監督と言って良いだろう。アメコミのような娯楽作品から禁断の愛を描いた作品まで様々なジャンルの映画を撮る監督だが、今回紹介するシビル・ガン 楽園をくださいはアメリカの歴史を語る時に決して避けることが出来ない南北戦争を舞台にした戦争映画だ。
南北戦争と言えば奴隷制度撤廃の北軍と奴隷制度存続の南軍が戦い、北軍が正義の鉄槌を南軍に降すというイメージがある。しかし、戦争というものは勝った方が正義で、負けた方は悪だというような結果論だけで判断するような単一的なものの見方は避けたいもの。その点で本作品は南北戦争を背景にしているが奴隷解放を声高々に叫ぶような英雄礼賛物語ではなく、もっと広い見方が可能な映画。確かに、見終わった後にどうして南北戦争を描いた映画にアメリカ人ではなくて、台湾人を監督に起用したのか何となくわかる気がする。
舞台は南北戦争前のミズリー州境が舞台。ミズリー州は奴隷制度を実施している州だが、奴隷制度撤廃に賛成して北軍として南北戦争に参戦する。しかし、ミズリー州境の人々の中には南軍のゲリラに属して北軍と戦う者も多くいた。
そんな中でドイツ系の移民としてアメリカで生まれ、育ったジェイク(トビー・マグワイア)は父親から北軍として戦えと諭されるが、幼い時からの友人であるジャック(スキート・ウールリッチ)の父親が北軍の兵士に殺される場面を見てしまう。
それ以来、ジェイク(マグワイヤ)はジャック(ウールリッチ)と一緒に南軍側のゲリラとして北軍と戦う。一緒に戦うゲリラの中には農園の地主であるジョージ(サイモン・ベイカー)、彼の元奴隷である黒人のダニエル(ジェフリー・ライト)、そして冷酷な性格のピット(ジョナサン・リース・マイヤーズ)の姿もあった。
しかし、戦争は過酷を極め彼らもやがて消耗していき、更には南軍側としても本来の目的を見失い罪の無い人々も次々に殺してしまうローレンスの大虐殺を引き起こしてしまうのだが・・・
ミズリー州の境に住む顔見知りの隣近所の人々が、単なる思想、目的の違いで殺しあう。しかも、元々は黒人奴隷のダニエル(ジェフリー・ライト)が自分が仕えていたジョージ(サイモン・ベイカー)の用心棒として、さらに友人であるという設定。この設定のおかげで奴隷制度批判だけで終わりがちな南北戦争を扱いながらも、奥深いドラマとして仕上がった。
南軍のゲリラ達が北側の人間の手紙を読むシーンは戦争の愚かさを訴え、もちろん黒人、そして移民に対する差別意識も描かれている。そんな中でもローレンスの大虐殺を経て、心身ともに傷ついた主人公達の最後の決断には心が震える人が多いはずだ。この最後の決断はひたすら利己的な人間が多くなってしまった現代社会に対して、大きなメッセージを突きつける。
アン・リー監督の映像は綺麗で、アクションシーンも西部劇タッチで見どころ充分。ボロボロな出来事の積み重ねだが、最後は大いに希望が持てるシビル・ガン 楽園をくださいはアン・リー監督作品の中でもお勧めです
監督は前述したようにハリウッドでも大活躍の台湾出身のアン・リー。アメコミで日本でも人気が高い、無敵のヒーローを描いたハルク、チョウ・ユンファ、チャン・ツィイー、ミシェール・ヨーといったアジアの大スター競演の任侠アクショングリーン・ディスティニー、ジェイク・ギレンホール、故ヒース・レジャー、アン・ハサウェイ、ミシェル・ウィリアムズと言った豪華キャストのワイオミングの山々が綺麗なゲイ映画ブロークバック・マウンテン、色々な体位をトニー・レオンが試しているエロイ映画ラスト、コーションがお勧め。ハリウッドで活躍する前の台湾時代の作品では推手がお勧めです。
主演のドイツ系移民の子ジェイクを演じるのがトビー・マグワイア。スパイダーマンシリーズで有名ですが、ラッセ・ハルストレム監督のサイダーハウス・ルールがお勧め。
重要な役であるダニエルを演じるのが黒人俳優のジェフリー・ライト。個人的にはジョージ・クルーニー、マット・デイモン競演のシリアナ、ダニエル・グレイグ版のジェームズ・ボンドにおける007 カジノ・ロワイヤルにおけるCIAの印象が強いです。
他に南軍ゲリラの隊長ブラック・ジョンを演じたのがジェームズ・カヴィーゼル。時空を超えた父子の感動物語オーロラの彼方へがお勧め。他にメル・ギブソン監督の超問題作パッションではイエス・キリストを演じていました。
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南北戦争と言えば奴隷制度撤廃の北軍と奴隷制度存続の南軍が戦い、北軍が正義の鉄槌を南軍に降すというイメージがある。しかし、戦争というものは勝った方が正義で、負けた方は悪だというような結果論だけで判断するような単一的なものの見方は避けたいもの。その点で本作品は南北戦争を背景にしているが奴隷解放を声高々に叫ぶような英雄礼賛物語ではなく、もっと広い見方が可能な映画。確かに、見終わった後にどうして南北戦争を描いた映画にアメリカ人ではなくて、台湾人を監督に起用したのか何となくわかる気がする。
舞台は南北戦争前のミズリー州境が舞台。ミズリー州は奴隷制度を実施している州だが、奴隷制度撤廃に賛成して北軍として南北戦争に参戦する。しかし、ミズリー州境の人々の中には南軍のゲリラに属して北軍と戦う者も多くいた。
そんな中でドイツ系の移民としてアメリカで生まれ、育ったジェイク(トビー・マグワイア)は父親から北軍として戦えと諭されるが、幼い時からの友人であるジャック(スキート・ウールリッチ)の父親が北軍の兵士に殺される場面を見てしまう。
それ以来、ジェイク(マグワイヤ)はジャック(ウールリッチ)と一緒に南軍側のゲリラとして北軍と戦う。一緒に戦うゲリラの中には農園の地主であるジョージ(サイモン・ベイカー)、彼の元奴隷である黒人のダニエル(ジェフリー・ライト)、そして冷酷な性格のピット(ジョナサン・リース・マイヤーズ)の姿もあった。
しかし、戦争は過酷を極め彼らもやがて消耗していき、更には南軍側としても本来の目的を見失い罪の無い人々も次々に殺してしまうローレンスの大虐殺を引き起こしてしまうのだが・・・
ミズリー州の境に住む顔見知りの隣近所の人々が、単なる思想、目的の違いで殺しあう。しかも、元々は黒人奴隷のダニエル(ジェフリー・ライト)が自分が仕えていたジョージ(サイモン・ベイカー)の用心棒として、さらに友人であるという設定。この設定のおかげで奴隷制度批判だけで終わりがちな南北戦争を扱いながらも、奥深いドラマとして仕上がった。
南軍のゲリラ達が北側の人間の手紙を読むシーンは戦争の愚かさを訴え、もちろん黒人、そして移民に対する差別意識も描かれている。そんな中でもローレンスの大虐殺を経て、心身ともに傷ついた主人公達の最後の決断には心が震える人が多いはずだ。この最後の決断はひたすら利己的な人間が多くなってしまった現代社会に対して、大きなメッセージを突きつける。
アン・リー監督の映像は綺麗で、アクションシーンも西部劇タッチで見どころ充分。ボロボロな出来事の積み重ねだが、最後は大いに希望が持てるシビル・ガン 楽園をくださいはアン・リー監督作品の中でもお勧めです
シビル・ガン 楽園をください [DVD] | |
トビー・マグワイア,スキート・ウーリッチ,ジョナサン・リース・マイヤーズ,ジム・カヴィーゼル,ジェフリー・ライト | |
角川書店 |
監督は前述したようにハリウッドでも大活躍の台湾出身のアン・リー。アメコミで日本でも人気が高い、無敵のヒーローを描いたハルク、チョウ・ユンファ、チャン・ツィイー、ミシェール・ヨーといったアジアの大スター競演の任侠アクショングリーン・ディスティニー、ジェイク・ギレンホール、故ヒース・レジャー、アン・ハサウェイ、ミシェル・ウィリアムズと言った豪華キャストのワイオミングの山々が綺麗なゲイ映画ブロークバック・マウンテン、色々な体位をトニー・レオンが試しているエロイ映画ラスト、コーションがお勧め。ハリウッドで活躍する前の台湾時代の作品では推手がお勧めです。
主演のドイツ系移民の子ジェイクを演じるのがトビー・マグワイア。スパイダーマンシリーズで有名ですが、ラッセ・ハルストレム監督のサイダーハウス・ルールがお勧め。
重要な役であるダニエルを演じるのが黒人俳優のジェフリー・ライト。個人的にはジョージ・クルーニー、マット・デイモン競演のシリアナ、ダニエル・グレイグ版のジェームズ・ボンドにおける007 カジノ・ロワイヤルにおけるCIAの印象が強いです。
他に南軍ゲリラの隊長ブラック・ジョンを演じたのがジェームズ・カヴィーゼル。時空を超えた父子の感動物語オーロラの彼方へがお勧め。他にメル・ギブソン監督の超問題作パッションではイエス・キリストを演じていました。
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それはジャンルが違うからですが、どちらも刺激的であることに変わりはない。
それも映画の作り手次第ですが。
彼のアクションと情感は独特のものあります。