褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989) この監督にしては大笑いできる

2015年05月31日 | 映画(ら行)
 ユル~イ笑いが特徴的なフィンランドの至宝であるアキ・カウリスマキ監督だが、今回紹介する映画レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカは、この監督の持ち味を活かしつつ、なかなか大笑いできる傑作だ。

 全員がとんがり過ぎのリーゼントのヘアースタイルに、つま先がヘアースタイルと同じくとんがった靴を履いた音楽バンドが、ロシアを思わせる極寒のツンドラ地域からニューヨークを経てメキシコまで辿って行くロードムービー。この音楽バンドをこき使って、小銭を稼ぎながら缶ビールを飲みまくるインチキマネージャーが笑わせるし、もちろんレニングラード・カウボーイズと名付けられた音楽バンドのメンバー達も笑わせてくれる。最初はロシア風のポルカを演奏しているダサくてセンスの無いバンドだったのだが、ロックに目覚めてから段々マトモなバンドになっていく様子がけっこう笑える。全編にわたりよく耳にする音楽が流れてくるのだが、なぜかわからないが本作のサントラを買おうとまでは思えない。
 まあ~、赤ちゃんや犬にまでヘアースタイルを真似させる等くだらないギャグもあるが、時にはシニカルな笑いも出てくる。バンド内やマネジャーとの対立で揉め事が起こったりする場合もあるが、その時に民主主義、革命など社会情勢を皮肉るようなギャグも面白い。

 当初は全くイケテないロックバンドが次第に成長していくロードムービーのストーリー紹介を簡単に
 ツンドラ地帯の極寒の地において、音楽バンドのレニングラード・カウボーイズの演奏を聴いていたスカウトマンは、彼らのマネージャー(マッティ・ペロンパー)に、こんな音楽では売れないからアメリカへ行け!とアドバイスする。
 早速マネージャー(マッティ・ペロンパー)はアメリカのプロモーターに連絡し、レニングラード・カウボーイズの面々を率いてニューヨークに行く。アメリカのプロモーターは彼らの音楽を聴いて与えた仕事はメキシコの親類の結婚披露宴においての演奏。
 マネージャー(マッティ・ペロンパー)とレニングラード・カウボーイズはアメリカで流行っているロックの本を買い込んで勉強し、メキシコへ向けて珍道中を繰り広げる・・・

 冒頭から凍死してしまっている奴が出てきたりで、アメリカへ行く飛行機の中で英語の勉強をしているシーン等で笑わせてくれる。この監督の作品らしく台詞は極端に少なく、画面の作りがモノトーンで見た目がすっきりしているし、ギャグも淡々としている。俺なんかは非常にこの監督の笑いはツボで、特に俺が今まで観ているアキ・カリウスマキ監督作品では爆笑できる方の部類だ。
 アメリカ社会に対する社会風刺が少々込められているが、特に哲学的に感じる部分は無いので気楽に見られる。そして所々で素敵なシーンもあったりでちょっと感動できる。アキ・カウリスマキ監督の名前を知っているけれど彼の映画を観たことが無い人は本作から入るのが良いし、ちょっと変わった笑いを求めたいという人には映画レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカはお勧めです。
 ちなみに本作は途中でジム・ジャームッシュ監督が出演しているし、音楽バンドであるレニングラード・カウボーイズは、本作を切っ掛けに今でも活躍しています

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ/レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う(続・死ぬまでにこれは観ろ!) [DVD]
アキ・カウリスマキ,マト・ヴァルトネン,ヤッケ・ヤルヴェンバー
キングレコード


 監督は前述しているようにアキ・カウリスマキ。この人のお勧めは過去のない男浮き雲ル・アーヴルの靴みがきあたり。人生の再生と希望を感じさせる内容の映画が多いです。

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2 コメント

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ギャグ (PineWood)
2015-10-23 05:48:07
アキ・カウリスマキ監督は小津安二郎監督の影響を大いに受けたという。サイレント映画的なギャグもそうなのだろう。色彩デザイン感なども。ロードムービーの本編もユーモラスで淡々としていて笑いを誘う♪ロッカーたちと小津調との意外な出会いが外国映画の中にあるというのも可笑しい!!
返信する
PineWoodへ (ディープインパクト)
2015-10-26 21:21:19
 コメントありがとうございます。アキ・カリウスマキ監督は完全に小津監督の影響をモロに受けていますね。小津監督は本当に日本の誇るべき映画監督だと思います
返信する

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