褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 ブロードウェイと銃弾(1994) 演出家って大変です

2015年04月28日 | 映画(は行)
 その人に意外な特技があると知れば、それはなかなか面白いものだ。まさかと思うが、例えば大横綱白鵬が実は手芸が得意とか、天然ボケが魅力的な綾瀬はるかが実は百人一首のカルタ取りが得意なんて聞いたりすると驚きと同時になんだか嬉しさが込みあがってくる。ちなみに俺も見た目は学者風のインテリに見られがちだが、実はけっこうなスポーツマンだ。
 そんな見かけによらない人間の意外性が巧みに活かされている映画が今回紹介するブロードウェイと銃弾。わがままな大物女優、大根役者、演技力は抜群だが食い過ぎで体形維持できない俳優、そしてマフィア等にも振り回される非常に気の毒な劇作家兼舞台演出家が主人公のコメディだ。

 さて、なんだか演出家って大変だと思わせるストーリーとはいかなるものか。
 まだ、売れない劇作家であるデヴィッド(ジョン・キューザック)はようやく自分の書いた劇がブロードウェイで上演されそうになったことに大喜び。しかし、劇のスポンサーについたのはマフィアの親分であるニック(ジョー・ヴィテレッリ)。しかも、ニック(ジョー・ヴィテレッリ)は自分の愛人であり、やたらとかん高い声をしていて、ろくに台詞も覚えられないオリーブ(ジェニファー・ティリー)を出演者に要求したきた。怖いニック(ジョー・ヴィテレッリ)の無茶な要求を断わることもできず、その代わり他の出演者に最高の俳優をプロデューサーに要求する。その結果、大物女優だったヘレン(ダイアン・ウィースト)と大物俳優ワーナー(ジム・ブロードベント)のキャスティングに成功する。
 ところが舞台の稽古の初日からデヴィッド(ジョン・キューザック)を悩ます出来事が連発。オリーブ(ジェニファー・ティリー)は案の定台詞が覚えられないし、ヘレン(ダイアン・ウィースト)はもっと自分の台詞を増やせと色仕掛けで迫ってくるし、ワーナー(ジム・ブロードベント)は過食症でオリーブ(ジェニファー・ティリー)に手を出す始末。そして、ニック(ジョー・ヴィテレッリ)の用心棒であり、オリーブ(ジェニファー・ティリー)の見張りをさせられているチーチ(チャズ・パルミンテリ)は、いちいちデヴィッド(ジョン・キューザック)の演出に口を挟む。
 ところが、チーチ(チャズ・パルミンテリ)のアドバイスは素晴らしく、デヴィッド(ジョン・キューザック)も次第に彼のアドバイスに耳を貸すようになり、しかも台本の書き換えまでチーチ(チャズ・パルミンテリ)に頼むようになってしまう。デヴィッド(ジョン・キューザック)は段々と劇が成功することを確信する。しかし、チーチ(チャズ・パルミンテリ)は劇が自分の作品だと思うようになってしまい、オリーブ(ジェニファー・ティリー)の下手な芝居に我慢ができなくなってしまい・・・

 銃で人を殺しまくっているチーチ(チャズ・パルミンテリ)だが、実は舞台作家としての才能があるというアイデアが良い。本当の劇作家であるデヴィッド(ジョン・キューザック)よりも更に上手を行ってしまう展開が笑える。タイトル名だがブロードウェイはそのままだが、銃弾というのはマフィアを意味している。映画の世界において裏でマフィアの力が働いているのは事実であり、華やかなブロードウェイの裏の舞台でもマフィアが影響力を持っているのは当然だろう。そのように考えると、本作における内容はファンタジーでも無いし、リアリティがあったりするのだが、ウディ・アレン監督の軽妙な演出が重さを感じさせない。それにワーナー(ジム・ブロードベント)のモデルって、きっとあの人だよな~?なんて思わせるあたりは昔からの映画ファンを楽しませる。
 ウディ・アレン監督の映画が好きな人にはもちろん期待通りの面白さだし、ウディ・アレンって誰?と言う人が観ても楽しめる。ショウビジネス界の裏側に詳しい人ならば更に楽しめるだろう。例によってウディ・アレン監督作品らしく芸術論争らしきシーンが出てきたりするあたりは、うんざりする人もいるかもしれないが、彼の多くの作品の中でも上位のデキの部類に入る。ウディ・アレン監督作品を観たことが無い人は、この作品から観始めるのが良いだろう

ブロードウェイと銃弾 ―デジタル・レストア・バージョン― [DVD]
ジョン・キューザック,ダイアン・ウィースト,ジェファー・テイリー,チャズ・パルメンテリ,メアリー=ルイーズ・パーカー
角川書店

 
 監督は前述したようにウディ・アレン監督。今や80歳に手が届こうかという年齢だが、現在でも年に1、2本のペースで映画を撮り、その豊富なアイデアと頭の柔軟さには驚くばかり。多くの傑作があるが、その中でもカイロの紫のバラがお勧め。比較的最近の作品ではミッドナイト・イン・パリがお勧め。彼の作品で珍しく笑いがなくて、シリアスな内容のインテリアが見応えがあります。

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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ウディ・アレン (鉄瓶)
2015-04-29 00:25:32
「ボギー!俺も男だ」が好きでした。
「Sleeper」も笑えましたね。
ウディ・アレンの作品は大好きです。(^^ゞ
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鉄瓶さんへ (ディープインパクト)
2015-04-29 11:17:52
『ボギー、俺も男だ』面白いですね。ちなみに『すりーパー』は観てないです。近日中に観るようにしたいです。教えていただきありがとうございました
返信する
ウディ・アレン (鉄瓶)
2015-04-29 17:05:51
超可笑しかったのが
「ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう 」という作品、これは観たことありますか。
超オススメです。
http://utsubohan.blog.so-net.ne.jp/2013-03-31
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ウディ・アレン (鉄瓶)
2015-04-29 18:06:42
ベストテン。
https://www.youtube.com/watch?v=FwXr1BRajV0
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天皇賞 (鉄瓶)
2015-04-29 18:49:22
予想楽しみにしています。(^^ゞ
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