明るく楽しい日々を願って。

毎日の平凡な出来事を、日記のように綴ります。趣味の切手も時々アップします。
どうぞ宜しく・・・。

横浜美術館資料室へ

2010年08月26日 | Weblog

昨日、横浜美術館資料室へ調べ物に行って来ました。

 

桜木町駅から、ランドマークタワーを通り抜けて行く途中、

ランドマークタワー1Fで、神奈川県高等学校総合文化祭の

サマーコンサートの演奏に出会いました。

     

高校生でも、とても上手です。

どこの高校か聞き漏らしました。

 

     

横浜美術館です。

丁度、ポーラ美術館の展覧会をやっています。

しかも、水曜日はレディスディで1000円で入場できますが、

今日は、時間がありません。

 急いで、美術館の資料室へ行きました。

 

調べたかったのは、この本。

     

『Le Dit de Genji.』という本です。

パリのディアンヌ・セリエ社の出版です。

 

この本は、7年間かけて、日・欧・米の30を越す美術館、

寺院、個人所蔵の作品が調査され、

そこから厳選された源氏絵が、ルネ・シフェールの仏訳

とともに2007年に出版されたのです。

 

この本を、見たい見たいと思いながら、

やっと見る事が出来ました。

横浜の図書館にはありません。

Webで調べて、横浜美術館にあることが解ってから、

2年も経ってしまいました。

 

吃驚したのは、印刷の美しい事。

それから、今迄、見た事の無い源氏絵の数々が

載っていることです。

 

上記の本に描かれている場面は

「空蝉」ですが、本の絵をコピーして来ましたので

次にアップします。

     

この場面は、伊予の介の妻である空蝉が、

源氏が来るのを、その香りと気配で知って、

衣を脱いで、逃げる処です。

源氏は、その脱ぎ殻を持って去るのですが、

『空蝉』の意味が解りますね。

 

それにしても、この頃は夜具も敷かずに寝ていたのでしょうか。

女房(侍女)達も、夜具なしでゴロゴロ寝て居ます。

 

徳川美術館から出たフレーム切手に、

空蝉に関係する切手があります。

      

これは、国宝・源氏物語絵巻を復元模写した絵を

切手にしたものです。

空蝉が夫・伊予の介の任国常陸から帰る途中、

逢坂の関で、石山寺参詣の源氏と遭遇した場面です。

手前の牛車が源氏の車、左上の牛車が空蝉の車です。    

 

 

ショックな絵が二つありました。

一つは、桐壷の更衣の葬儀の場面。

コピーは取って来ませんでしたが、

釣鐘状の透かし金具の中に遺体を入れて、

数多の僧たちが、火をかけているところ。

 

平安時代の貴人の葬儀の様子が良く解ります。

 

もう一つは藤壷が、桐壷帝の一周忌をすませて

法華八講の果ての日の突然出家するところを

描いたものです。

  

この絵は、ニューヨークの 「メアリ & ジャクソン バーク コレクション」

所蔵です。

 

中央のやや上に藤壷が描かれています。

拡大します。

      

藤壷は、御簾の中に右向きに坐っています。

今まさに僧が髪を削ごうとしています。

周りの女房(侍女)達は、泣き崩れています。

出家は生きながら死ぬことを意味します。

藤壷は、源氏の思いを断ち切って、

我が子が帝位に付く事を願っています。

 

この場面は、嘗て朝日新聞にも掲載されました。

 

日本の優れた美術が、

海外に流出してしまった事は残念ですが、

これによって、世界の人々が日本の

優れた文化を知ることに繋がり、

世界の人々が『源氏物語』を知るきっかけに

なったことは、喜ばしいことです。

 

3時間も、この本を閲覧して、

帰る時には5時になっていました。

 

     

動く歩道から写した「みなとみらい」の夕方の風景です。

 

作日は、忙しく源氏絵を堪能しました。

満足です。

    

     


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