直木賞の作品『小さいおうち』を本屋さんで見つけた時には、
思わずバージニア・リー・バートンの『ちいさいおうち』を思い出しました。
そして、思わず買ってしまいました。
戦前の山の手に建つ赤い屋根の洋館に住む
美しい奥様と家族を、女中の眼から描いています。
ですが、市原悦子の主演するTVドラマの
お手伝いさんとは、全く違います。
また、この著書の内容はバートンの
『ちいさいおうち』とは関係ありませんが、
本の最終章に
バートンの『ちいさいおうち』が顔を出します。
これが、バートンの『ちいさいおうち』岩波書店発行
石井桃子訳です。
『ちいさいおうち』はアメリカの児童文学の古典です。
この本が、岩波書店から発行された時は、
ベストセラーになりました。
私も、勿論、娘のために購入しました。
きっと、作者も幼い時にこの本を愛読したに違いありません。
作者の巧みな文の構成力や表現は、沢山の本を読んだ上に
構築されています。
この本の最後には、若奥様の年老いた一人息子と
亡き女中さんの甥とが、石川県の海辺の街で出会う
のですが、そのお話の内容はネタバレになりますから
書きません。
女性作家らしい感性で、昭和初期の時代と戦中、戦後を
書いていて、同感できる箇所がありました。
読んだ後に何故かジーンと来るものがありました。