今日は、昨日とは打って変って
良いお天気でした。
朝日カルチャーセンターの今年はじめての講座、
津島知明先生の『じっくり味わう枕草子』がありました。
今日は、「枕草子」 八十段のご講義を拝聴しました。
先ず、八十段の最初の部分を変体仮名で読みました。
(返る年の二月二十余日 宮の職へ出でさせたまひし
御供にまゐらで 梅壺に残りゐたりしまたのの日…)と
読みます。
2017年4月から10回目になるこの回を受講して
変体仮名にもだいぶ馴れてきました。
実は、この八十段は意味深な段なのでした。
私は、他のグループの方々と
「枕草子」を読んでいますが、
この段は、表面的にすらっと読んだのみでした。
「枕草子」の各参考書も、表面的な解釈で
終っています。
津島先生にかかると、
この段は、長徳二年(西暦996年)の大事件が
あった年だということです。
これまで権勢を誇っていた中宮定子の父・道隆が
亡くなって、権力は道長側に移ってしまいました。
そして中宮定子の兄・伊周と弟・隆家が花山院を射た
件により逮捕され、定子も自身で髪を切って落飾
したという事件が起きました。
第八十段は、道長側の斉信(なりのぶ)の
外見の美しさだけを描写し、斉信とは相入れない
(道長側にはつかない)清少納言の態度を示す段
だったのです。
私の「枕の草子」の読み方が、如何に浅薄だったか
解りました。
今日の「読書始め」は、私にとって意義のあるものに
なりました。充実した「読書始め」でした。
清少納言に賛辞を捧げたい。