ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

アシジロヒラフシアリ

2018年12月10日 | 動物:昆虫-膜翅目(ハチ他)

 あんたがあの有名な

 子供の頃・・・だけじゃなくつい最近まで、クロアリという言葉はよく耳にし、口にもしていて、それはその辺でよく目にする黒っぽいアリのことだと思っていた。沖縄の昆虫をブログで紹介するようになって、図鑑に目を通す機会が多くなって、ヒメクロアリという種がいることを知り、それが通称クロアリというのであろうと思っていた。
 「そうではないみたい」と気付いたのはつい最近、今年の夏、今から2、3ヶ月前のこと。私が図鑑をマジマジと見るのは、撮った写真の者が何者であるかを調べる際。私が図鑑に書かれている説明文をじっくり読むのは、判明した者の紹介文を書く時である。今から2、3ヶ月前に何者か判明させる作業をし、よく見かける黒いアリはアシジロヒラフシアリであることを知り、説明文をじっくり読んで、アシジロヒラフシアリが「いわゆるクロアリ」であり、ヒメクロアリはあまり目にしないごく小さな蟻であることを知った。
 
 話は変わるが、蟻の類を図鑑で調べていたら知らない単語がいくつか出てきた。
 「跗節」なる単語を私は初めて見た。腹柄節も不明単語で、何となく意味は解るがどちらも広辞苑にない。跗という漢字にいたっては常用漢字でもない。ちなみに、「跗」は踵のことで、踵(くびす)は「足の裏の後部。かかと。」のこと。国語の勉強になった。
 
 アシジロヒラフシアリ(脚白平節蟻):膜翅目の昆虫
 アリ科 琉球列島、台湾、フィリピン、インドなどに分布 方言名:アイ、アイコー
 名前の由来は『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「脚の跗節は白色に見え、和名はそれに由来する」ということでアシジロ(脚白)であり、『沖縄の生きものたち』に「腹柄節は・・・扁平」とあることからヒラフシ(平節)であると思われる、これは私の想像。
 家の中、家の周りでよく見るアリにはイエヒメアリもいるが、本種もよく見る、というか、今回アリの写真撮りをしていてそう気付いた。むしろ、本種の方が家の外でも中でも最も良く見るアリといっていい。赤っぽいアリならイエヒメアリ、黒っぽいなら本種。黒っぽいなら・・・『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「いわゆるクロアリ」とあり、黒いアリといえば本種のことのようである。ヒメクロアリは家の近辺でほとんど見ない。
 体長は2~3ミリ。出現は周年だが、冬期は少なく、10月頃に最も多いとのこと。
 
 横から
 
 群れ

 記:2018.12.9 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田春夫、他著、株式会社南方新社社発行
 『琉球列島の鳴く虫たち』大城安弘著、鳴く虫会発行
 『沖縄の生きものたち』沖縄生物教育研究会編著、発行