頭の中は魑魅魍魎

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シリーズ最高傑作『エコー・パーク』マイクル・コナリー

2016-01-07 | books
自分におあずけして、なかなか続編を読もうとしなかったボッシュシリーズ。しかし、今回はたまらんかった。

LAPD未解決事件担当のボッシュは93年に起きたマリー・ゲスト失踪事件がずっと気になっていた。殺害された可能性が高い。怪しい男がいたが、その男の親は金持ちで、有能な弁護士がつけられてしまい接近することすら難しくなった。別の事件の担当刑事から連絡があった。マリー・ゲストの事件のファイルが見たいと。連続殺人の容疑者として逮捕された男がマリー・ゲストを殺したと自供するらしい。マリーが埋まっている場所を教えるかわりに?、司法取引をして、死刑を免れて終身刑にして欲しいのだ。被害者は他にも9人以上いるらしい。担当の検事オシェイは検事局長の選挙直前。事件解決の報道が欲しいのだ。そういう意味では正義が損なわれる可能性が高く、司法取引には気が進まないボッシュだったが、容疑者レイナード・ウェイツがマリーが埋まっている場所を教えるという現場検証へ同行することになった。しかし、ウェイツは偽名であり、何者か不明だった。そして現場で起こったことは・・・

これはボッシュシリーズ最高傑作と言ってよいだろう。

予期しない展開、うごめく謀略、悪人のキャラ設定。すべてに無理がなく、リアリティーも沸騰しそうなくらい。

こんなことが、LAでは、LAの法執行機関では、当たり前のように行われているのかも知れない。恐ろしい。

エコー・パーク(上) (講談社文庫)エコー・パーク(下) (講談社文庫)

今日の一曲

エコー。辻仁成のエコーズで「Zoo」



では、また。
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