頭の中は魑魅魍魎

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映画「オーケストラ!」

2011-10-14 | film, drama and TV

1980年ユダヤ人排斥によりボリショイをクビになった多くの楽団員たち。天才と言われた指揮者アンドレイ・フィリポフは今はボリショイで清掃員をしている。ボリショイに来たファックスはパリのシャトレ劇場からの公演の依頼。そのファックスを持ち帰って、考えたのは何とシャトレ劇場で自分が指揮者として公演すること。楽団員たちを集め、シャトレと交渉する。ソリストとして指名したのは若手人気ヴァイオリニストのアン・マリー・ジャケ。アンドレイと彼女の古い結びつきも絡め、ストーリーは…ドタバタの中に温かみを含みつつ…

いやいや。もっとシリアスなものかと思っていたのに、何度も笑ってしまった。実話ではないようだ。

テイストとしては「フルモンティ」や「ブラス!」などに近い。英国の深刻な状況を笑いに変える、ハリウッド映画にはない独特のシニカルなユーモアたっぷりの映画。私はこういう映画が大好きで、この作品も充分楽しませてもらった。

マフィアや、せこい商売やら、ソ連崩壊後のロシアのだいぶ皮肉ったシーンが多い。フランスから見た現代ロシアが少し透けて見える感じがした。

ボリショイのマネージャーだったガヴリーロフがシャトレ座に電話するシーン。たぶん物凄く怪しいフランス語を駆使しているかと思う。フランス人は爆笑するのだろう。この時、ああフランス語もう少しちゃんと勉強しておけばよかった、と思った、というのは嘘で、怪しいということだけはちゃんと分かった。

原題はLe Concertなのに邦題はオーケストラ。あ、言い忘れたけど本作はフランス映画。コンサートがなぜオーケストラに変わったのかなと思いつつ。

では、また。





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