「ペンギン・ハイウェイ」森見登美彦 角川書店 2010年(初出野生時代2007年4月号~2008年10月号)
アオヤマ君=ぼくは一生懸命に考えて、ノートにたくさんたくさん書いて、日々健気に生きる。歯医者のお姉さんが出すペンギン(!)、仲のいいウチダ君とハマモトさんと一緒にめぐる冒険。
いやいや。こういう子供の冒険譚には弱い。しかも主人公が真面目に現実に立ち向かいつつ、でも子供らしい面を大いに発揮していると。アオヤマ君はとてもかわいいし、ハマモトさんもいい。そしてアオヤマ君が大好きなお姉さん。こんなお姉さんがそばにいたら・・・お。妄想してる場合じゃない。
なぜか出現するペンギンは何かのメタファーなんだろうな、と想像しながら読んでいたけれど、意外な展開がまた良かった。子供の視線を借りた、世界理解の本だと思う。
「世界の果ては遠くない」
「世界の果ては折りたたまれて、世界の内側にもぐりこんでいる」(205頁よりアオヤマ君のお父さんの台詞)
「ぼくらはだれも死なないんじゃないなかって」
「ほかの人が死ぬということと、ぼくが死ぬということは、ぜんぜんちがう」
「ほかの人が死ぬとき、ぼくはまだ生きていて、死ぬということを外から見ている。でもぼくが死ぬときはそうじゃない」(262頁から264頁で展開されるウチダ君の仮説)
「世界の果ては折りたたまれて、世界の内側にもぐりこんでいる」(205頁よりアオヤマ君のお父さんの台詞)
「ぼくらはだれも死なないんじゃないなかって」
「ほかの人が死ぬということと、ぼくが死ぬということは、ぜんぜんちがう」
「ほかの人が死ぬとき、ぼくはまだ生きていて、死ぬということを外から見ている。でもぼくが死ぬときはそうじゃない」(262頁から264頁で展開されるウチダ君の仮説)
このウチダ君の仮説がすとんと入ってきた。その意味で私にとってこの小説が哲学のように感じられたのだ。
まあしかし小難しいことは抜きにして、少年少女の瑞々しい夏の冒険がそこにはあって、そしてそれを充分堪能させてもらった。
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久しぶりに、読みかけの本たち
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