WOWOWで放送のあった連続ドラマ「パンドラ」(計8回)
井上由美子脚本、監督が河毛俊作、若松節朗と民放地上波ゴールデン並みのスタッフにキャストも豪華。
大学病院の万年講師の三上博史がガンを全て治癒するという奇跡の薬を発明した。しかし人体の治験は出来ないため、同僚医師の小西真奈美の助けを借り、ガン患者谷村美月を平田満が理事長を務める千葉の病院に入院させ治験を始める。それが成功してしまたったため、医学部長國村隼、厚生労働大臣小野武彦、小西の恋人で新聞記者の山本耕史を巻き込んで大きな渦を吹き上げる。
それとは別件で殺人事件の捜査をしていた柳葉敏郎は、事件の容疑者として谷村美月を追いかけるが、その過程で三上とぶつかり・・・
いやいや。これはなかなか面白かった。特にここ数年日本のドラマは物凄い勢いでつまらなくなっているので、それを考えると日本のドラマはまだまだ捨てたもんじゃないと思う。
夢の新薬「パンドラ」が出来るのか出来ないのかという医学ミステリーから、人間の様々な思惑が絡み合う人間ミステリー(ヒューマン・ミステリー?)へと途中で変貌を遂げる。なので医学的なことはどこかに消えてしまうのかと思ったら最後にちゃんと戻ってくる。
三上博史がうまい。研究者にありがちな自分本位な感じや少し狂気をはらんだ人物をすごくうまく演じている。なかなかあの役を出来る役者さんはいないのでは。それと柳葉敏郎がうまい&カッコいい。やや粗暴な刑事の役が上手くフィットしてるし、アクの出具合が男としてカッコいいと思った。
ドラマ本体も人生の中で観た一番面白いドラマであるとまでは言わないが、計8回分観た時間は充分堪能したし、何より他のドラマを観るよりずっと面白い。金のかかっているアメリカのドラマより画面に映りこんでいるものがややチャチク感じたが、そこは脚本のよさで上手くかわしてくれた。
ガンを全て治癒する魔法の薬は果たして完成するのか?私はしないと予想しながら見ていた。しかし完成する・しない という単純二項対立を越えた結末には驚きかつうなった。
※余談
どんなガンでも治せる薬が出来たらこの世はどうなるだろう?
もちろん平均寿命が物凄く長くなるので超超高齢化社会になるだろう。私だったら、タバコと酒のメーカーの株を買う。ガンの心配がないからとタバコや酒の消費量が増えるはずだから。本当に増えてから買っても遅く、市場の参加者が「タバコ酒メーカーの株は上がるぞ」と思った時が買い時。まあどうでもいい話だった。後は発がん性物質の心配がなくなるから大気がどんどん汚れてゆく。人間が「ガンにならないから空気汚れても俺たちには関係ないもん」的な態度に出て、それが他の生物に悪影響を及ぼし、長い年月をかけて後で人間にツケが回ってくるといったところか。後は、ガンが治せるようになれば、sooner or later 別の不治の病がまた出てきて人間を襲う。そんなもんでしょ?
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「誰も守ってくれない」に被害者の父親役で出ている。父親役ってあまりないから、さすがにこれは室井さんにはならないだろうと少し期待。
パンドラも試しに観てみよっかなーっ。
この作品でも室井さんに見えます。
多少暴力的ではありますが。
観る気なくなりましたぁ(-"-;)
役によって大幅に自分を作り変える役者もまたすごいですが、
どんな作品にいても自分のイズムを貫き通す役者もまたすごいと思います。
前者は生瀬勝久、後者は古田新太とか。
小説でも全く違うテイストで色んな作品を書く人と同じテイストの作品を
書きまくる作家がいます。どちらが好きかという違いはあるでしょうが
どちらが優れているということではないと、私は考えます。
えらそーですみません。
古田新太さんは私もとても好きですよ。
よく「仕事は断らない」とか「仕事をしていないとずっと酒飲んでいるだけから
仕事している方がいい」と発言していて、カッコいいと思います。
ちなみに彼のあだ名もふるちんです(笑)