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『ロスト・トレイン』中村弦、鉄道オタク小説なのだ

2009-12-14 | books

「ロスト・トレイン」中村弦 2009年 新潮社(書き下ろし)

廃線巡りで偶然出会ったおじさん。行方不明になったおじさんを、旅行代理店勤務の女性とともに探す話。そこに行くことが出来れば幸せになれる(?)という廃線探しというファンタジーと彼女とくっつくようなくっつかないようなもどかしい恋愛という合わせ技。

ほんわかして悪くない。しかし私のようなノンテツではなく、生粋のテツ&テツコの方がずっと楽しめるだろう。



【閑話休題】

テツとテツコがいつから市民権を得るようになったのだろうか?あるいはいつからこんなに増殖したのだろうか?昔は闇に隠れて生きていたが堂々と日向を歩けるようになったのはなぜか?

たぶん、ある現象に名前が与えられると、その現象が<現実にある>ものとして認知される。つまり、それまではホームの端っこでカメラを抱えた人たちは単に変な人たちであり、それは空気と同様(→なので無視→なので忘れ去られる)なので意識に上ることはない。テツとかテツコという名前が与えれらたので我々ノンテツが「あーテツだ」「あいつはテツコだよな」と認識するようになったため、妙にテツ人口が増えたように感じるが、それはネーミングされたことによる認識に過ぎない。んだろうたぶん。あるいはテツという名前がついてメディアに取り上げられるようになったから、その<テツグループ>に入りたいという若者を吸引したので増員中なのだろうか。よく分からない。

まあ堂々と「あたしテツコですけど」と言う人が出てきているのは確かだが。どこか地方に行った時、携帯でローカル線の写真を撮って知り合いの某テツコに送って「これ何線だ」とメールすると即正解が帰ってくる。すごいんだかなんだかよく分からない。スーパーカーに夢中になっていたときを思い出すなー。





ロスト・トレイン
中村 弦
新潮社

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