年末だか年始だかにテレビでやっていたのを録画しておいた。
シチリア系マフィアのコルレオーネ一家。ドンのヴィト(マーロン・ブランド)のもとに結束するが競合他者との抗争は避けられない。大学を中退して戦争に行っていたマイケル(アル・パチーノ)が帰国した。麻薬を扱いたいという他マフィアと扱おうとしないコルレオーネのいざこざが血を血で洗う大抗争へと向う。
いやいやいや。まるで初めて観たようだった。何回か(テレビ放送やビデオで)観ているはずなのにストーリーを何一つ覚えていないということに軽い眩暈がした。
しかし3時間もあるのに、全く飽きさせない。面白いし考えさせられるし感じさせる。ベスト映画の上位に常に入っているのも当然と言えば当然 (私のフェイバリット映画オールタイムベスト10には入らないけど。ちなみに、今でも昔と変わりなく入るのは「博士の異常な愛情」「時計じかけのオレンジ」「ビッグ・ウエンズデー」黒澤の「生きる」だったりする。「ビッグ・ウエンズデー」が好きだと言うと意外だというリアクションをされることが多い。別にいいじゃん)
話を戻す。コッポラの映像が変に凝っていないのがいい。もっと余計なテクニックを使っていたように記憶してたんだけど。若いアル・パチーノのほとばしる悪がいい。やや年老いたマーロン・ブランドの枯れた悪もいい。若い時のマーロン・ブランドはそれはそれはいい男だったのだが、なんて言うと小森のおばちゃまになったみたいだ。
ゴッド・ファーザーをめぐるエピソードで私が一番好きなのは、映画が公開されて、それを観たマフィア達が「マフィアはあのよう格好をするものなのか」と思ってゴッド・ファーザーの真似をしたという話だ。現実のマフィアはあんなにカッコよくなかったという訳で、フィクションが現実を先取りしたという意味で、なかなか理論が現実にはならないSF小説よりも上手だったのだ。
観終わって、(なぜか)いや(やはり)「仁義なき闘い 広島死闘編」と「スカーフェイス」が観たくなった。後そうそう。私は知らなかったのだが映画史上の名台詞に挙げられるのが
I'll make an offer he can't refuse.(彼が断れないようなオファーをするよ=脅迫しておいてやるよ)だそうだ。とりあえず暗記した。それと、私の十八番の物まねと言えばブログ読者はみな知っているだろう。そうそうマーロン・ブランドの真似。しかし今回驚愕の事実が判明した。誰もがクリソツというのはマーロン・ブランドの台詞。私が声をかすれさせて言う「ど~ん・こ~れぇ~うぉ~ね~」しかし、ドン・コルレオーネとは彼自身のことだからそんな台詞はないのだ。なんてことだ。従って次回からは上記のI'll make~を真似することにする。
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昨晩PART2を2時間ほど観ました。
やはり何一つ記憶にありません。
まさか革命前夜のキューバが出てくるとは。
まさかヴィトの若い頃をロバート・デニーロが演じてたとは。
記憶も感性も人それぞれですね。だから面白い。