「硝子の葦」桜木紫乃 新潮社 2010年
ガソリンをかぶって自ら火をつけた女と、もう少しで一緒に死ぬところだった男。男は澤木で税理士、自殺した節子はラブホテル経営者の妻。なぜこのような事態に至ったのか。1年前に節子の夫は事故にあって重体になっていた。節子と澤木相互の視線から描く。
おお。なめていると痛い目にあう。ミステリだと言えばミステリなんだが、鋭い角度で鉈が日本刀が鎌が、手首へ首筋へと打ち込まれる。行先が全く予想できない。翻弄される快感。冒頭に提示された、自殺から、どうしてそんなことになったのかが描写されてゆく。
2時間サスペンスの原作チックなのに、2サスしか観ないような視聴者には味わえないような深みがある。プロットも人物描写も秀逸。
女性作家による、女性主人公の、他の女性登場人物に対する、冷たい言葉がたまらない。登場人物の一人、ちょっと不思議な女性、倫子と節子の会話。
中年のおばさんは、延々とと同じ話ばかりする…確かに。
しかし、ラストがまさかそう来るとは。予期していなかった場所で足の甲に出刃包丁が落ちてきたようだ。「ラブレス」も良かったが、これも同様。今後、桜木紫乃は読み逃せない。(この表紙はいただけないけど)
ガソリンをかぶって自ら火をつけた女と、もう少しで一緒に死ぬところだった男。男は澤木で税理士、自殺した節子はラブホテル経営者の妻。なぜこのような事態に至ったのか。1年前に節子の夫は事故にあって重体になっていた。節子と澤木相互の視線から描く。
おお。なめていると痛い目にあう。ミステリだと言えばミステリなんだが、鋭い角度で鉈が日本刀が鎌が、手首へ首筋へと打ち込まれる。行先が全く予想できない。翻弄される快感。冒頭に提示された、自殺から、どうしてそんなことになったのかが描写されてゆく。
2時間サスペンスの原作チックなのに、2サスしか観ないような視聴者には味わえないような深みがある。プロットも人物描写も秀逸。
女性作家による、女性主人公の、他の女性登場人物に対する、冷たい言葉がたまらない。登場人物の一人、ちょっと不思議な女性、倫子と節子の会話。
「今度お時間、いただけませんが。いつでもいいんです。お茶でも飲みながら一度ゆっくりお話ししたいんですけど」
「短歌の話ですか、それともご家庭のことですか。よそさまのこと、あれこれと話題にするのは性に合わないんですよ。主婦のおしゃべりって、延々と同じ話ばっかりだし。話すことが目的なら独り言で充分じゃないかっていつも思うんですけど」(44頁より引用)
「短歌の話ですか、それともご家庭のことですか。よそさまのこと、あれこれと話題にするのは性に合わないんですよ。主婦のおしゃべりって、延々と同じ話ばっかりだし。話すことが目的なら独り言で充分じゃないかっていつも思うんですけど」(44頁より引用)
中年のおばさんは、延々とと同じ話ばかりする…確かに。
しかし、ラストがまさかそう来るとは。予期していなかった場所で足の甲に出刃包丁が落ちてきたようだ。「ラブレス」も良かったが、これも同様。今後、桜木紫乃は読み逃せない。(この表紙はいただけないけど)
面白そうだね、去年は中年作家の作品、沼田まほかる、窪美澄を今頃読んでました。
最近は町田康 餓鬼道巡行読んでます
暑いので難しくないのを読んでます
図書館で涼みながら何冊か借りてこよう
ふるさんのレビュー参考にして
映画はヘルタースケルター観て来ました。沢尻エリカが可哀相だ。と井筒和幸監督が言っていたけど
すんごく観ていてしんどかったのは息抜き出来る所が無くて沢尻エリカが常に張り詰めていたからだなーと
嫌な気分になるのは、自分のイヤな所見せられたからじゃないかしら
妙な虚栄心、嫉妬、不安定要素なんかだね
本や映画から刺激をもらい人生のスパイスになってるなと思います
塩飴舐めて今夏も乗り切りたい
夏バテに気をつけましょうね
沼田まほかる、窪美澄は読んだことないです。町田康は持ってますが読んでないです。
暑いときには、ホラーなど怖いものを読んで涼しくなろうと言いますが、その効果はどうなのでしょうか。
映画の「リング」は夏に観ましたし、たまたま新宿の紀伊国屋書店で手にした「姑獲鳥の夏」を買ったのは夏でしたが。
「ヘルター・スケルター」は、作品としてどうかという以前の段階の、登場する役者がどうという報道がずっと先行してましたね。
それが興行収入にどう影響を与えるのかよく分かりませんが。
男女間の、ひきこもごもやら母娘の女の剥き出しになった嫉妬
ずっと低いテンションで話しが重く続き節子の行動が、後になってそういう事だったのねと。
ラブレスも最後まで読んで読者をビックリさせますね
また、やられました。
男性は女性に翻弄され、女性は冷徹で怖く桜木さんは書きますね
桜木紫乃の、女性に対する厳しい見方が、いつも私にはとても
1.きびしーなー
2.でもその通りなんだよな
と感じさせます。
文庫になっていたので、読みました。
あまりにも、良かった!ので、誰かに よかった~と言いたくなりました。
ヒロインの潔さが、胸に響く作品でした。
内容は半分くらい忘れていますが大丈夫です。
桜木紫乃はハズレが少ないので、ストライクばかりだけれど、意外な変化球を投げてくるピッチャーのようです。
そして新刊が見逃せない稀有な作家です。