頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『贋作』ドミニク・スミス

2019-02-09 | books
1957年、ニューヨーク。親から相続した絵「森のはずれにて」が贋作にすり替えられてしまった弁護士はマーティ。探偵に調べさせると贋作を描いたらしき女性の住居が分かった。コロンビア大の院生のエリー。オーストラリアから英国で絵画の修復をしていたが女性には肝心な仕事が任せてもらえず、美術史へ専攻を変えて、アメリカへとやって来て、贋作もしていた・・・1635年、オランダ。ギルドがプロの絵描きを牛耳っていた時代。自分の絵画を自由に売れなかった。サラ・デ・フォスは苦労しながら絵を描いていた・・・盗まれたサラの絵を取り戻そうとする過程で、マーティはエリーに出会い、恋してしまう・・・そして2000年。エリーはシドニー大で教授をしている。ここの美術館に、「森のはずれにて」が二枚やって来ることになった!まずい!自分の描いた贋作が・・・

うおー!小説を求めるものが全部詰まっていた大好物だった。ガトーショコラに光り物の刺身を乗せたような。(それじゃあまずそうじゃないか)

時間軸を大きく行ったり来たりする。そして16世紀オランダ絵画あり、贋作あり、恋愛あり。

何の小説かと問われるとちと困る。一見美術小説っぽいけれど、7割は恋愛小説ではないだろうか。(ふと自分が恋愛小説好きだと気づく。うふ。二丁目においで。あたいに会いに)(夜中に泥酔しながら書くと筆が滑るぜ)


贋作
ドミニク・スミス
東京創元社



今日の一曲

Bostonで、"More Than A Feeling"



では、また。
コメント    この記事についてブログを書く
« 『男の!ヤバすぎバイト列伝... | トップ | 『あまからカルテット』柚木麻子 »

コメントを投稿