頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『我が産声を聞きに』白石一文

2021-08-24 | books
名香子、47歳、英会話講師。夫良治、54歳から癌があると分かったと告げられ、そして家を出て他の女と暮らすと言われる。なぜ突然そんな事になったのか。コロナ禍の人の有り様。名香子は昔の事を思い出す。25歳のとき、結婚を前提とした同棲を始めようとした直前、別の女を選ぶことにしたと告げられた・・・

超常現象的だったり、人生における理論を振り回す白石節はあまり炸裂しない。だからか妙に読みやすい。結末の付け方は好みではないけれど、人生とか人生の終わらせ方など(共感は出来ないけれど)考えされられるネタは豊富だった。これをもっと抽象的かつ普遍的に描写してあると、もしかすると村上春樹作品のように再読に耐えるものになり得るのかも知れない。

 

今日の一曲

郷ひろみで、 「言えないよ」



では、また。


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