頭の中は魑魅魍魎

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『穢れた風』ネレ・ノイハウス

2017-12-09 | books
濃厚なドイツミステリー。風力発電建設を進める会社で、警備員ロルフ・グロスマンが死んだ。事故か、殺しか・・・。風力発電建設に反対するグループ、特に過激な発言をするのは、ヤニス・テオドラキス。彼と暮らすのはペットショップを経営するリッキーと謎の女性ニカの。店を手伝うのはフランケ。ペットショップを手伝うのは学校機雷の高校生マルク。対立する風力発電の会社タイセンとの諍い。タイセンは、予定地の買収のために土地を持つフランケの父親ヒルトライターに300万ユーロ支払うと申し出た。しかし、彼は風力発電で環境を破壊されることに反対している・・・ そして別の殺人・・・国家的な裏取引・・・

うーむ。面白い。面白すぎる。

ものすごく複雑に人間関係が絡んでいて、ストーリーも複雑なのだけれど、なぜか一気に読ませてくれる。長大な読書なのに、苦にならない。

オリヴァーとピアの刑事コンビ、今回大活躍するのはピアの方。おじさんオリヴァー、どちらかというと捜査の邪魔になってしまう。事件の関係者のことを好きになってしまうのだ。

その関係者が主張することと、「当局」か主張することが大きく食い違っていて、これが別のサブストーリーになっていて、これがまた、手に汗握るほど面白い。(まあ、ネタバレしないように言うと、彼女は悪い事をしたのか否か)

ドイツミステリーの女王、ネレ・ノイハウスはやはりいい。

穢れた風 (創元推理文庫)

今日の一曲

たまたま見つけた。曲名は分からないのだけれど、Jeff BeckがベーシストTal Wilkenfeldと共演したもの。


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