「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」北尾トロ 文春文庫 2006年(単行本鉄人社2003年 初出裏モノJAPAN2001年10月号~2003年10月号)
昔はこういう本(読みやすいドキュメント)をよく読んでた。しかしいつのまにかほとんど読まないジャンルになってしまっていた。
裏モノJAPANという雑誌で連載されていた、裁判の傍聴記をまとめたもの。最初は著者の勝手が分からないところから始まり、段々慣れきて、傍聴マニアの知り合いができて話をきけるところまでに至る。
25回分もあるので、1回の分量は少ない。ので読みやすい。読んでスカッとするわけでもなく、すごく笑えるわけでもない。ちょっと考えさせられたり、ちょっとしみじみしたりすることが多い。ノリがやや軽めなので、事件の関係者が読んだら気分を害するだろうなという気がする。
11章は「卑劣」というタイトルで、印象的だった。ふられた腹いせにレイプしようとしたが、実際にレイプしたのは友人で… これだけでも立ち読みする価値あり。12章は裁判所の前で本を売る人の話。これも面白かった。
しかし一気読みすると疲れる。何というか、人間の業のようなものを一挙に浴びた感じだった。裁判の傍聴は一度行ってみたいとも思った。
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