頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『白樫の樹の下で』青山文平

2015-01-26 | books
江戸時代、武士が人を斬ることもなくなっていた頃。二十俵二人扶持の小普請組の家、村上登は金がない。助太刀のバイトで稼いでいる。親しい者から高価な刀を預かってもらうよう頼まれた。預かり賃までもらって… 江戸で発生した連続辻斬り事件。ただ殺すだけではなく、何度も刀で斬りつけている。下手人は誰か…

武士とは何なのか。悩む主人公に作者は優しい。

田沼意次から松平定信へとちょうど時代が変わる頃。そんな時を感じることもできた。

ミステリー+江戸+一人の武士のハードボイルド、爽やかでもあり湿ってもいる。そんな作品だった。

白樫の樹の下で (文春文庫)

今日の一曲

どういうわけかこの本にはジャズが合うと思う。最近見つけた、アルメニア出身のピアニスト、Tigran Hamasyanで"The Court Jester"



では、また。

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