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『歴史が面白くなるディープな戦後史』相澤理

2014-04-15 | books
「東大のディープな日本史」「東大のディープな日本史2」に続く、入試問題を一般向けに書いた本第三弾は、一橋の問題ばかり使った現代史。

一つの大問に400文字の解答用紙、そこに3から4問の解答を記述しなくてはいけないので、どの設問にどれだけ字数を使うか自分で判断しなくてはいけない一橋。しかも東大では出ない戦後史をたっぷりと出題する。うーむ。それは面白い。近現代史は学校で習わなかったとかで、よく知らないという人は少なくないと思う。でも遠い遠い昔よりも、つい最近のことの方が、我々に与えている影響は大きいはず。

日本国憲法はアメリカに押し付けられたものなのか? サンフランシスコ講和条約について詳しく考える、財閥解体と農業改革の比較、安保闘争がなぜ盛り上がったのか? 沖縄返還に関する詳しい考察…というような内容。

昨今の集団的自衛権の解釈改憲について考えるための、日米安保体制という「過去」や、TPPについて考えるための、日本の農政のいきあたりばったりだった「過去」など、現在を考えるための「過去」がたくさんある。非常に面白かった。

歴史が面白くなる ディープな戦後史

今日の一曲

ディープなだけに、ディープ・パープル。20分ほどあってちと長いけれど、時代を感じさせる1973年のライブ映像。



では、また。
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