頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『サイレント』カリン・スローター

2018-09-02 | books
ジョージア州の特別捜査官ウィルトレントのシリーズ第4作。

女子大生が殺害されていた。地元の刑事レナと上司フランクは、怪しい知恵遅れのトムの元へ駆けつける。温厚なはずのトムはナイフで切りつけてきた。逮捕され、自白、そして自殺してしまった・・・レナは警察官として問題が多い。別のシリーズの主人公の医師サラ・リントンは警察官の夫を失っているが、当時パートナーだったレナの過失によるものらしい。そしてちょうどレナはアトランタから、実家のあるこの地へ帰ってからところだった。フランクに検視を頼まれ、事件に関わってゆくサラ。レナとの強烈な確執・・・ウィルは、嘘を見破り、真実へと迫ってゆく・・・

おっと、これは収穫。我慢して読み続けてきた甲斐があった。(我慢してまで読むなよ)

途中の人物造形とかストーリー展開もいいのだけれど、何と言ってもラストの謎解き。誰がなぜ連続殺人を行なったのか。誰がについてはヒントがあったわけでは無いので、作者と読者がフェアな闘いをしたとは言えないけれど、動機については伏線がちゃんと張られていて、これがなかなか巧い。なるほど、そういう動機なら、と納得してしまった。(殺人に納得してしまったらあかんけど)


サイレント 上 (ハーパーBOOKS)
カリン・スローター
ハーパーコリンズ・ ジャパン

サイレント 下 (ハーパーBOOKS)
カリン・スローター
ハーパーコリンズ・ ジャパン



今日の一曲

Olivia Newton-Johnで、"Xanadu"



では、また。


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