頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

親知らず抜いた

2008-11-29 | days

わが親知らず、右は3年前に抜いた。痛いとか、前の歯を圧迫するとかいう積極的に抜く理由はなかったのだが、そこはとても磨きにくいという極めて消極的な理由で抜いた。その後、高校の同級生が九州の歯科大に勤務しているので状況を説明してきいてみたら「抜いた方がいいよ。懇意にしている歯科大の先生紹介してあげるからそこ行きなよ。上手な先生だよ」とのこと。左も抜いてしまいたい、消極的理由で。しかし大学病院となると手術は一日がかりになるのだろうたぶん。そうそう。わが親知らずは口腔外科の手術をしないと抜けない非常に頑固者なのである。

元大学病院の口腔外科の医者で今は歯科医をやっているという人を見つけたのでそこでやってもらうことに。

麻酔からいきなり痛い。チクッとするというよりジャキッとする感じ。そして先が尖ったものでグリグリ、機械でグイーン。予想通りオペは難航。なかなか抜けない。医者がナースに言ったのは

「のみ、取ってくれる?」

おいおい。のみって。え?のみ?やめようよその呼び名。クランケに分からないようにドイツ語にしようよ。ベーゼとかさ。そしてそののみを患部に当てて、ガツーンガツーンとのみ波状攻撃が始まった。痛いだけじゃなく首への負担も大きい。子供や年寄りでは無理じゃなかろうか。そしてずっとのみ攻撃を受けているうちに、


俺、材木になった気分


材木というのはきっと鋸でガコガコと切られ、のみでガスガスと削られるそんな日常を送る悲しい生き物なのだ。かんなで削るなんて、スクラブで洗顔するのと似ているではないか。

そんなこんなで1時間近く経過してやっと「もうこれでおしまいですよ」そうかそうか。痛い、おい痛い。何かと思ったら糸で縫っている。


俺、布になった気分


大好きなあの子に縫われるというのはなかなか悪くないのかも知れないが、残念ながら縫い手はおっさんだった。

そうそう。この歯科医院なかなか悪くない。特にすばらしいのは医者2人、ナース8人の体制で内ナース6人が「かわいい」というカテゴリーに入ることだ。俺の担当がその6人に入らないナースであるということに最大の不満がある。

帰宅後飲めと言われた薬を飲む。痛み止め、痛かったら5時間あけて2つずつ。17時に2つ、22時に2つ飲んだ。抗生物質食後に1つ飲んだ。しかしやっちまった。抗生物質と痛み止めを間違えて摂取してしまったのだ。その日1つでいいはずの抗生物質を4つも大量投与。俺の遺体からは致死量の抗生物質が発見されるだろう。まあ大した影響はないのかも知れないがこういう基本的なミスをするとちょっと恥ずかしい。


親知らずというのは、生えてくる頃が親離れする頃だと言う。だとすると親知らずを抜くというのはどんな頃なのだろうか。






今日の教訓







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