頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『髑髏の檻』ジャック・カーリー

2015-09-17 | books
腰を抜かすようなミステリーを連発するジャック・カーリーのカーソン・ライダーのシリーズは第6弾。

ボビー・リー・クレンラインという格闘家は対戦相手を殺したこともあるし、自分を負かした相手を拉致監禁したこともある。そしてアラバマ逸脱行動矯正施設から脱走した… 刑事カーソンは長期休暇をとることにした。ケンタッキーの山奥でフリークライミング三昧の日々を過ごすつもりだった。しかし、周囲で連続殺人事件が起こった。宝探しサイトで座標の書き込みあった場所に行った者は発見したのは遺体だった。ネット上に書き込まれていたのは座標だけではなく、=(8)= という不思議な記号だった。そして殺人は続く。犯人は誰か。動機は…

さすがジャック・カーリー。ドキドキさせながらも社会性の強いテーマがぶち込まれている。

格闘技と関係があると書いてもネタバレにはならないだろう。あとはカーソンの兄のジェレミーがとんでもないタイミングで現れるのもまた巧い。

ところで、先日別のところで、子供に対する実験について読んだ。4歳の子供の忍耐力を測る「マシュマロ実験」というもの。Wikipedia内の説明 これと同じ話が本書にも出てきた。4歳時点の忍耐力がその後の人生を予感させるとは面白い。

短期的な欲求よりも長期的なリターンを求めるほうが幸せになれる可能性が高いということなのだろうか。「ヤンキー的文化」で良しとされる刹那的な生き方はやはり負け人生の素になるのだろうか。

髑髏の檻 (文春文庫)

今日の一曲

本とは無関係。たまたま見かけた懐かしい映像。今見ると歌詞も格好もどうかしているとしか思えないのに、この頃はこれがダサいを通り越してかっこよかったのだろう。近藤真彦で「ホレたぜ!乾杯」



では、また。
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