親と子

世の中、いろいろ騒がしい。
聞いても、見ても、すっきりできないような事件。
東北震災で扱う話題だけは、ピュア。
大きな自然災害の経験だけに、胸に迫る。
毎日毎日、大量のニュースが流される。
そんな日々の中で、一日前に見かけた親と子の姿が、どうも、気にかかる。

福祉亭からの帰宅が早まっていて、近所の保育園の窓にあかりが点って、なんだか温かい気持がする時間。
お帰りの親と子の賑やかな声が遠くに聞こえる。
今日もいい一日だったのかなあ・・と思いながら自宅の方に。
突然、お母さんのキリキリした声が響いてきた。
保育園帰りのようにみえた親と子。
バギーを押し、赤ちゃんを抱き、上の子を叱っている。
二度と離れないで、
足をバタバタしないで、頭痛がするから、
甲高い、キリキリ声が、何度も響く。
どうも、上の子が夜の闇の中、走り出したか、遊びに行ってしまったか・・の様子。
二度とお母さんから離れないで・・が何度も。
子育て中、こんな声を出す時ってあるもの。
でも、だからって、聞いているほうがツライ。
遠くから、親と子の姿を見守る。じっと。
手がまわらない、言うことを聞かない上の子、いろいろな親と子を見てもきた。
親と子は、いろいろ。
何が正解かは、すぐには答えがみつからないもの。

つい、先日も、食材探しに出かけると、偶然、出会った親と子がいた。
福祉亭がまだ子育て支援をしっかりやれていた頃。
上のお兄ちゃんの言葉が出ないことを悩まれていた。
出会ったのは、その後に生まれた子と思う。
やっぱり、言葉が少ないんです、と。お兄ちゃんに似ているのって、優しそうな笑顔でお母さん。
お母さんは、もう悩んではいない様子。
それが、うれしい。
迷路に入りこんでしまった時、手を差し伸べてもらえたら、どんなに救われるか。
大丈夫って、言ってもらいたいし、
大丈夫の姿を見たい。

高齢期の生活支援もやりたいことの一つ、
子育て支援もやれたらいいなの一つ。
子どもの声が賑やかに響く地域って、暖かい。