福祉亭日記

日々の出来事を更新していきます.

記憶

2012-07-25 04:58:40 | 日記
それぞれにある記憶を語り合う。
ラウンジに新しいかたがお二人加わった。
80代と70代。

記憶も、言葉にしないと他のかたには伝わらない。
市内の、精神病院から高齢者施設に移行して行った病院の話が話題に上がった時、
ふっと、新しいかたが語った光景・・・

中学生時代、お友だちが病気になられ、そのお見舞いに行った時のこと。
げっそりやせてしまったお友だち。
病名は知らずにいたけれど、後から思うと、癌だったでしょう・・と。
お見舞いに行った病院は、2重に鍵の開け閉めをする病院だった・・と。
廊下を歩くと、「大日本帝国バンザイ!!」という声が聞こえたり、壁かドアをたたくドンドンドン・・という音が聞こえたという。
怖かった・・と。
でも、癌なのに、なんで精神病棟と思われる病棟だったのか、不思議・・と。

脳腫瘍だったんですかね。

子ども時代にワタシが、母の口から、時折、耳にした「のーびょういん」という言葉が記憶によみがえってきた。
その言葉は、いつも、子ども心に、どこか許容できかねる大きな恐怖感を与えた。
母の「のーびょういん」は、その前に、必ず「はらの」という場所を示す言葉がついていた。
それから、そろそろ50年を越す時間が流れたのに、未だに、「はら」がどこなのかも知らずじまいのまま。

小学生時代は、学校の帰りに見かける傷痍軍人さんたちの姿がまだあった。
時には、アコーデオンの音もしていた。
手が金属の金具だったり、木製の脚だったりする軍人さんたちの姿は、耐え難い恐怖感で、いつも、その前は、目をつぶったり、下を向いたりしながら、小走りに走って通り過ぎていた。
いつの間にか、町で、軍人さんたちの姿はみかけなくなっていった。

戦争がどういうもので、どんな傷をそれぞれの人やその家族に与えたか・・ついつい、思いふけってしまった。

コメント
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