例年なら今はお盆休暇の帰省ラッシュのまっ最中である。ところが今年は新型コロナで大混乱だ。感染拡大がまだ収まり切らない中で、経済回復に前のめりになって政府は「Go To キャンペーン」を発したが、案の定感染者が急増に転じた。政府は振り上げた旗を降ろせず、一方あちこちの都府県知事は「遠出・帰省の自粛要請」を発するという、国民・市民はマッチとポンプの板挟みである。我が家では毎年正月には集まっているがお盆は特に慣例はないし、Go Toは東京発着が対象外なので余り考えることなく”ポンプ”を選択、となる。
現在世界的な登山家として活躍している野口健さんが、グレて高校を停学中に出遭った一冊の本に「光に見えた」と感動し、その日から人生が変わったという。それが『青春を山に賭けて』という本で、世界的な登山家の大先輩であり、冒険家でもあった植村直己の著である。
今朝(9日)の朝日新聞の「私の一冊」というコラムに載っていた。山が好きで登山家を目指していたわけではない。勉強はできないし、喧嘩っ早い完全な落ちこぼれだったのがふらりと立ち寄った本屋で偶然に手にした一冊が人生を大きく変えて、立派に植村さんの跡を継ぐ存在になった。植村直己はご承知のように日本人初のエベレスト登頂者であり、世界初の5大陸最高峰登頂達成者であり、犬ぞりだけで世界で初めて北極点に達した冒険家であり、そして国民栄誉賞を受賞した英雄である。
その一冊の本の中にいる植村さんは決してスーパースターではなく、普通の人というかむしろカッコ悪い存在であった。そんな植村さんに「今はダメでもコツコツ重ねたら僕にも・・」という気持ちを起こさせ、山に登ったこともない人生がその日から変わった、と現代のスーパー・アルピニストが語っている。
先日、中東の国レバノンの首都ベイルートで大規模な爆発事故が発生したと大きく報じられた。死者は少なくても150人、負傷者は5千人以上になるという。爆発の被害範囲は首都の半分にも及ぶと言われ、30万人が住居を破壊されたそうだ。
爆発したのは硝酸アンモニウム(硝安)で、政府により没収された約2750トンもの量が港の倉庫に無造作に保管されていたという。硝安の2大用途は農薬と爆薬である。原料がそのまま爆薬になってしまったわけだが、危険予知の無さやこれほどのずさんな保管・管理に首をかしげる。その後政府の怠慢を非難する市民のデモが暴動化しているとも伝えられる。