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オバマ米大統領は16日、ウクライナ紛争でロシアの主要エネルギー企業や銀行を対象に追加制裁を科すと発表。これに対し、ロシア側は米国と取り決めた新戦略兵器削減条約(新START)を停止するなどの強硬措置を取る構えだ。米露双方の制裁合戦はさらにエスカレートするのは必至だ。
オバマ大統領は、ロシア側に停戦への努力が見られないと強い不満を示し、経済弱体化や外交的孤立などの代償を支払うよう求めた。ロシア最大の天然ガス企業ガスプロム関連の銀行や石油会社、防衛企業などを対象に、米国での新規資金調達禁止や在米資産の凍結などを科す厳しい内容だ。
このため、プーチン政権やロシア議会が強く反発。下院では、10年に新たに米露で戦略核兵器の配備数削減を定めた新戦略兵器削減条約の停止やアフガニスタンへの第三国通過条約の停止を提案する方針だ。
カラシニコフ下院国際問題副委員長はタス通信に対し「米国はウクライナ問題では紛争の平和解決よりも、ロシアを国際的に完全に孤立させることを狙っている。米国はロシアとの関係をグルジアやウクライナの立場から考えている」と語っている。
こうした米国の姿勢に対し、プーチン大統領はブラジルでのブリックス(BRICKS)首脳会議前に「米国とその同盟国に同意しない国々に、共同で“追い詰め”に抵抗するよう提案する」と語っていた。大統領はウクライナ問題では米国に簡単に妥協しない姿勢を貫いており、今後どういう対抗手段をとるか注目される。
ロシア側はこの間、平和解決を主張しながら、ウクライナの親ロシア派勢力に武器などを援助して事態を悪化させているが、米国側もウクライナ側に肩入れし過ぎている面は否めない。双方ともこの際、ウクライナとウクライナ国民を最優先して打開策をとるべきではないだろうか。(この項終わり)
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