飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

ロシアで「冬時間」が3年ぶりに復活!

2014年07月02日 10時52分51秒 | Weblog
 国際政治・外交 ブログランキングへ

  ロシア下院は1日、時刻の算定に関する法律改正案を賛成多数で採択した。これにより、メドベージェフ大統領(当時)のイニシアチブで廃止された冬時間が3年ぶりに復活することになった。世界一広大なロシアは、再び夏時間と冬時間の設定に戻る。

   国土が東西に長いロシアでは、西の端は夜中なのに東の端は昼過ぎという具合に最大9時間の時差がある。このため夏期と冬期でも時差を設けないと、真っ暗なうちに子供たちが学校へ行かなければならないという事態が起きる。そこで冬時間と夏時間が設けられていたが、メドべージェフ時代の11年7月、「冬季五輪などの国際大会を控え、国内に時間差があるのは好ましくない」として一本化された。

   だが、一本化実施後、多くの国民から「睡眠不足が慢性化し、疲労がたまって困る」との不満が政府などに寄せられた。その一方、極東のチュコト半島やカムチャツカ半島などの住民からは冬時間復活に反対の声が上がっていた。これを受けてプーチン氏は12年の大統領就任後、夏、冬時間設定の是非について再検討するよう政府に指示し、見直しの動きが強まった。

 下院で採択された改正法案では、今年10月26日から時刻を1時間遅らせる冬時間を復活させるとともに、ロシアの時差を9時間から11時間に広げ、地域ごとにきめ細かな時差に改めることになった。これにより、日本とモスクワとの時差は夏は5時間のままだが、冬は6時間となる。

   今回の法律改正案には大多数の会派が賛成し、すんなりと採択された。これも国民の気持ちをいち早くつかんで行動するプーチン大統領の業績と言えるかも知れない。ウクライナとの紛争が長引き、国民の間で厭(えん)戦気分が募っている時だけに、多くの国民にとっては明るいニュースのひとつといえよう。(この項終わり)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« プーチン露大統領の今秋訪日... | トップ | ロシア、ウクライナ危機めぐ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事