飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

ロシアの輸入車関税引き上げ反対が反政府運動に発展か?

2008年12月22日 12時29分24秒 | Weblog
ロシア政府が輸入車の関税引き上げを来年1月から実施すると発表してから、極東を中心に反対運動が起きているが、21日にはウラジオストクなどでデモ隊と警官隊が衝突する騒ぎに発展した。この運動は全国に広がっており、プーチン首相率いる政府への反政府運動になりつつある。

ロシアの有力紙コメルサントなどによると、先週末に反対運動が起きたのは、極東のウラジオストク、シベリアのノボシビルスクのほか、大都市のモスクワ、サンクトペテルブルク、中央部のエカテリンブルク、旧ドイツ領だったカリーニングラードにまで広がった。これに対し、治安当局はデモを抑えようと特殊部隊などを動員したため、各地で衝突が起きた。

週末の反対運動の特徴は、デモ参加者がプーチン首相を名指しで批判し始めたことだ。首相退陣を口にする参加者も少なくなく、プーチン首相の地元サンクトペテルブルクでも、トラック運転手が「大統領よ、反国民的なプーチン政府をやめさせてくれ」と叫んでいた。また、シベリアのクラスノヤルスクでは、車両デモに加わった車のガラス窓に「プーチンよ。国民と闘うのではなく、新興財閥(オリガルヒ)と闘え」と書いてあったという。大統領から首相に代わってもメドベージェフ大統領を上回る支持率を誇ってきたプーチンに罵声が浴びせられるのはきわめて異例で、人気が落ちてきた証拠かもしれない。

プーチン首相は今回の関税引き上げについて「外国からの輸入車に関係する人々は数千人だが、自動車産業で働く人々は150万人以上に上る」と述べ、国産車擁護の措置であることを強調している。だが、中古車ビジネスに携わる人たちは極東だけでも数十万人に上るとの見方もある。ロシアでも未曾有の金融危機が起きており、この問題の対応によってはプーチン政府が窮地に追い込まれる可能性もでてきた。

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