飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

プーチンは来年にも大統領に復帰するのか?

2008年12月05日 12時09分33秒 | Weblog
ロシアのプーチン首相は来年にも首相職を辞任して大統領に復帰するのではないかとの観測も出ているが、メドベージェフ大統領の任期中(2012年まで)は少なくとも大統領に復帰する気はなさそうだ。プーチン自身が4日、記者団の質問に対し「次の大統領選は2012年にある」と答えたからだ。だが、2012年の大統領選に出馬するかどうかについては「2012年に何が起こるか気にするのは早すぎる」とだけ述べ、明言しなかった。

ここからは推測の域に入るが、この発言から「やっぱりプーチンは次の大統領選に出る気だ」とみるか、自らの権威を保とうとしているだけで出馬する気はないのではないかとみるかだ。前者の考えは、プーチンがメドベージェフ大統領に大統領任期を4年から6年に延長するよう指示したため、プーチンは次期大統領選に出ると決めてかかっているところがある。

もちろん、今の金融危機がさらに深刻になり、メドベージェフではしのげないと判断すればプーチンが大統領に復帰することもあるだろうが、この日のテレビを通じた国民との対話集会でも強気の経済見通しを述べており、現時点ではそこまで考えているとは思えない。

では、この日のプーチン発言をどうみるべきか。記者団への答えの中では、次期大統領選は2012年だと語った後、「今はみんなが今のポジションで全力を尽くすべきだ。2012年に何が起きるか、そわそわする必要はない。そのときまでわれわれが生きていれば分かるだろう」と言っている。しかも、メドベージェフ大統領との「タンデム」(二人体制)が効果的に機能しているとも述べている。これらの発言を素直に読めば、プーチンは今の地位に満足していて、4年後を虎視眈々と狙っているようには見えない。プーチンの心の中までは分かるべくもないが、事実上政権を禅譲した後輩がしっかり国を運営していけるよう支えているというのが本音ではないだろうか。

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2 コメント

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気にするな、ということか。 (後輩)
2008-12-05 13:14:50
飯島さんのヨミのようにとりあえず12年までは大統領選がないということなのでしょう。それ以降については相変わらずの思わせぶりの発言のようです。ロシア人でも通常の神経の持ち主であれば、プーチン流のじらし術にはいい加減うんざりしているはずです。本人も「そわそわするな」と言ってるくらいなので、白けた気持ちで3年後を待ってればいいだけの話です。問題は、3時間もテレビに出演して相変わらずの存在感を示したつもりの前大統領のマジックがあと3年持つかどうかということに尽きると思います。
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じらし戦術なの? (吉祥寺いせや)
2008-12-05 13:58:52
 メドベージェフは外遊中だったらしいですね。だから代行して「首相テレビ会見」というのは一応、理由がつくということなのでしょうか。プーチンは自身が出演した柔道のビデオを制作したとのことですが、おもわせぶりな言動じゃなくて、「鮮やかに一本!」といきませんかねぇ。
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