飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

モスクワの有名なナイトクラブが次々に閉鎖の危機!?

2009年12月11日 11時35分21秒 | Weblog
 コンサートやライブで人気のあるモスクワのナイトクラブが相次いで閉鎖されそうな事態に陥っている。ロシア中部ペルミのナイトクラブで135人の死者が出る火事が起きたことから、当局が厳しい再発防止策を打ち出したためで、音楽ファンからは「やりすぎだ」との声も出ている。

 11日の有力紙コメルサントによると、モスクワの消防当局などがナイトクラブ85ヵ所を立ち入り検査した結果、6ヵ所で防火規則違反が見つかった。いづれもモスクワ中心部にあるトーチカ、B2、16トンなど音楽ファンにはおなじみのナイトクラブだ。有名なバンドが出演すると、何百人もの客が詰め掛ける人気スポットだが、階段が狭い上に螺旋状になっていたり、緊急避難用の設備がなかったり、火災検知装置が完備してない、などの違反が確認された。今後、裁判所で施設を閉鎖するかどうかの審理が行われる。

 今回やり玉に上がった6ヶ所のクラブは、すでに何度か消防当局から設備の改善を指示されているが、その後もほとんど改善されておらず、いづれも最も厳しい閉鎖措置が取られる可能性が高い。さらに16ヵ所のクラブが近く「裁判所送り」になるという。

 一方、クラブ側は「最初から多数の観客を収容するためにつくったわけではない。事情はどこも同じで、大半が規則に違反している。我々のところだけ閉鎖するのは不公平だ」と反論している。音楽ファンも「ナイトクラブが次々閉鎖されたら、どこへ行ってコンサートを聞いたらいいのか。モスクワの夜の街はさびしくなるばかりだ」と怒っている。

  ロシアでは、今年7月から風紀を乱すなどとして、カジノが全面禁止になっている。今回のペルミ火災に関連してルシコフ・モスクワ市長は、すでには火災の直接の原因になった花火を全面禁止する命令を出している。治安維持を最優先するロシア政府の姿勢が、国民から自由や楽しみを奪い、警察国家的な社会を一層助長しているのではないだろうか。

 
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