グッチーの日本寸評

「わが日本を少しでもいい国、住みたい国にしたい」との思いから日本の政治、経済、世相を自由気ままに評論する。

無名の名工の傑作を愛でる

2011年05月17日 | 日記
先日我が住まいに程近い浦賀で咸臨丸の偉業を称えるイベントがあったので足を運んだが時間を割いて近くに点在するいくつかの寺社仏閣を歩いて廻った。
その目的は社殿や本堂の欄間に残る見事な透かし彫りに再会することだった。
全くあの彫刻たちは何度見ても素晴らしい。
寺社彫刻といえば日光東照宮にある左甚五郎の「眠り猫」や「三猿」などが有名だが筆者の審美眼からすればこの人気のない小さな寺社にひっそりとたたずむ武志伊八郎一門の作品の方がどれほど大きな感動をもたらすことか。
彼らはどうしてあのような高い技術を培い、またどのように伝承させてきたのだろうか。
今にも動き出しそうな龍や唐獅子、鳳凰を見るたびに人間の持つ無限の可能性に感じいってしまう。
ちなみに伊八郎は波の表現も巧みであの葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」に多大な影響を与えたといわれている。
しかし「波の伊八」と呼ばれた武志伊八郎の名を知る人はさほど多くはいないだろう。