グッチーの日本寸評

「わが日本を少しでもいい国、住みたい国にしたい」との思いから日本の政治、経済、世相を自由気ままに評論する。

首相の全国小中高一斉休校要請に思う(その2)

2020年02月29日 | 政治
前回に引き続き首相の全国小中高一斉休校要請についてなるのだが・・・、首相の突然の「休校要請」はやはり多くの自治体に相当な衝撃をもって受け取られたようだ。
中には明確に「NO」を表明する首長達も現れたのだ。
こんな事態はあまり記憶がない。
首相は先ほど記者会見を開き一斉休校を要請した背景とその理由について説明を行っていたが残念ながら状況説明が20分に対し質疑応答時間が全体で15分、これでは説明責任を十分に果たしたとは言えないだろう。
記者サイドから発言を求める挙手が多数見られたが会見進行係は「予定時間が参りましたので」としてあっさり会見を打ち切った。
全く唖然としてしまう。
首相もどこか気まずそうだった。(笑)
一斉休校の感染防止に果たす役割は誰一人否定しない。
問題はそのために強いられるコストやら人手不足が当たり前の社会生活を破綻させるのではないか、というマイナスの部分をどうシミュレートし具体的にどのような手を打つかということだ。
首相の説明は「私の責任で」と言うだけで数字については皆無だった。
今日の記者会見を注視していた多くの自治体関係者にとってこの会見はとても納得のいくものではなかったように思う。


首相の全国小中高一斉休校要請に思う

2020年02月27日 | 政治
本日首相が例のコロナウィルス感染防止策の一環として全国の小中高など各学校に対し3月2日より春休みまで休校するよう要請していた。
北海道など一部自治体で管内の学校について一定期間の休校を決めて発表していたが今回の首相の要請は対象範囲や期間の長さで各自治体の決断を大きく圧倒するもので驚かされた。
先日のイベント自粛要請の時には「一律に」という表現は敢えて避けておりやや腰が引けた感があったが今回は「一斉」という表現も目立たない形で用いられていて(一斉休校にあたって発生する)諸々の課題については全て政府が責任をもって対応する、と踏み込んだ。
どんな課題がどれだけ発生するのも読めないまま安請け合いするのもねぇ…と思うがここはとにかく強い決意を見せなければならなかったのだろう。
首相の尻に火をつけたその背景には何があるのだろう。
1つは国内の感染者の増加が止まらないことだ。
最近の感染者は武漢から直接、あるいはクルーズ船からの経路ではなく国内でのいわば2次、3次感染者であることが推定される。
これはもうパンデミック状態に入っているのかもしれないのである。
2番目にはIOCから東京オリンピックの開催可否について言及があったことだ。
「5月までに終息しないと・・・」との委員の発言は非公式とはいえ相当なプレッシャーになっているのではないか。
話は違うが昨日のTV番組で「内閣一丸となったウィルス防疫体制になってない」との辛辣な意見が出ていた。
厚労相任せで本来陣頭指揮に立つべき首相の顔が見えないという指摘もあった。
対策が後手後手になっているとあからさまに政府の対応を非難する声もある。
米国などは我が国よりまだ感染者数ではるかに少ないが大統領の動きは素早い。
さすがに首相ももう形振り構わずということかもしれない。
それにしても事態を静観していた感染者未発生県の関係者は大慌てだ。
政府もようやく本腰を入れたということになるかねぇ・・・。

政府の新型コロナウィルス感染対策基本方針に思う

2020年02月26日 | 社会
昨日政府が新型コロナウィルス感染拡大防止に関わる基本方針を発表していた。
ダイアモンド・プリンセス号で感染者が発見され横浜・大黒埠頭に着岸したのが今月の初旬だったことからこれはいかにも遅い感が拭えない。
日本全体が免疫力がなかったと言わざるを得ないのである・・・、危機意識も当事者能力も含めてだが。
感染の現状認識については「一部地域で小規模な集団発生があるが大規模な感染拡大はない」との見解にはいささか違和感がある。
既に全国津々浦々で発症者があり、陽性判定者が発見されている。
しかもその中にはクルーズ船や湖北省とは無縁の感染者も存在するわけだからこれはもう大規模感染が始まっていると認識した方がいい。
この期に及んで国民の不安を払しょくするための無為な作文は慎むべきだろう。
それに基本方針全体について言えばあまりにも抽象的で具体性に欠く。
方針作成に関わった当局幹部は「これはあくまで方針なのだから」とのエクスキューズもあったがそれでは2の矢、3の矢はいつ出てくるのか?・・・、気になるねぇ。
「この1,2週間が極めて重要」はその通りなのだが「言いっ放し」になりはしないだろうか。

安倍内閣の支持率低下に思う

2020年02月25日 | 政治
直近の世論調査によれば安倍内閣の支持率低下が顕著のなっているとのことだ。
支持率はその時々によって上下するのは常だが今回は各調査とも下げ幅が相当大きく反転が危ぶまれる。
そもそもモリカケ問題以来首相周辺の疑惑が完全に解消されていないうえに「桜」や検察庁の幹部人事問題など国民の不信は高まる一方なのだから支持率低下はある種当然の帰結なのだが昨今の首相の言動はさして反省しているようにも見えない。
一体この開き直りは何なのだろう。
反省の言葉さえ述べておけばそのうちにほとぼりが冷めるだろうという算段なのだろうか。
それとも最近の党内要人各人との会談はポスト安倍を見据えてのことなのだろうか。
ただ今、日本はコロナウィルス禍の一大危機下にある。
厚生労働省の旗振りも有識者会議の動きもイマイチ精彩を欠く。
文字通り陣頭指揮を執る時だろう。
今こそ全ての雑念を振り払って防疫対策に没頭すべきだと思う。

激化するスマホ決済ビジネスに思う

2020年02月23日 | 経済
スマホ決済ビジネス業界では先発者と見られていたOrigami (オリガミ)がメルカリに買収されるということだ。
この買収劇にあたって旧Origamiの社員は90%以上が退社したというから端的に言えば事業者が1社消滅しその顧客層をメルカリが引き継いだということだろう。
買収したメルカリは、と言えばスマホ決済ビジネスではまだまだ新参者、ビジネスとして確立しているわけではない。
話は変わるがスマホ決済ビジネスと言えばド派手な還元キャンペーンが気になっている。
あれほど高額の還元キャンペーンをやって何時モトがとれるのか、と心配してしまう。
残念ながら今のところスマホ決済ビジネスで利益を出している事業者はないようだし、黒字化について明確な確信を持っているところもないのではないか。
どう考えても今のスマホ決済ビジネスは過当競争だ。
スマホの持つ可能性は否定しないがキャッシュレス手段はクレジットカードもあれば電子マネーもある。
いくら日本のキャッシュレスマーケットのポテンシャルが大きいからといって過大な期待は禁物だ。
あまりに強気・楽観的な事業計画で進出ラッシュの後は頓挫ラッシュなんてことがないように祈りたい。


3閣僚のウィルス対策会議同時欠席に思う

2020年02月21日 | 政治
16日に政府が開催したコロナウィルス感染症対策会議に環境相、法相、文科相が同時欠席し地元の行事に参加していたことが話題になっている。
政府一丸となって取り組んでいる(と言われている)感染症対策会議に3人もの閣僚が地元の行事参加を優先していたなどは本当に残念である。
3人とも口を揃えて「ご指摘の点は真摯に受け止める」と反省しているようだが公務より後援会を大事にするスタンスはまるで総理ゆずりのようだ。
しかしこれが自民党の内部に広く感染しているウィルスだとしたらことは重大だ。
環境相は「会議には代理者を出席させた」と弁解していたが他の公務とバッティングしていたのならいざ知らず地元のアルコール付きの後援会に参加していたというのでは全く話にならない。
16日が日曜日だからプライベート行事を優先させたというのなら閣僚など辞退し欲しいというものだ。
こんな折なのだから後援会活動には目をくれず担務に専心してほしいと思うのだが所詮無理な相談なのだろうか。
有権者も「おらが大臣」などとむやみに持ち上げることなく国政政治家の役割と行動に対しもっと厳しい眼を持つべきではないだろうか。


新型ウィルス感染対策とテレワークとの関連に思う

2020年02月20日 | 経済
新型ウィルス感染対策の一環として多くの企業でテレワークが脚光を浴びているようだ。
対面従事を避けて自宅等で執務するテレワークは感染対策上たしかに有効だろう。
理論的に言えばメンテナンス部門を除けば大半の職場で実践可能だと思う。
今はパソコンや通信ネットワークなども普及している。
従業員のITリテラシーも向上しているからねぇ。
人事考課などソフト面でいくらか問題が残されているがこれとて経験を積んでいくことでクリアできていくのではないだろうか。
筆者は今回のウィルス騒動が起きる以前からテレワークのポテンシャルは高く評価してきた。
政府の主導していた「働き方改革」の中でも中核的な役割を果たすのではないかと考えてきた。
それにしてはこのところやや伸び悩み気味でいささか残念な気が拭い切れなかった。
ゆえにテレワークの普及という観点から言えば言い様は不謹慎だが今回のウィルス禍はいい機会である。
この際本腰を入れてテレワーク体制を強化したらいい。
その結果ライフ・ワーク・バランスの向上や交通機関への負荷軽減のみならず疾病対策強化が実現すれば良いことづくめだと思う。

コロナウィルス禍によるイベント中止に思う

2020年02月19日 | 社会
コロナウィルス禍の広がりは大きな社会不安を巻き起こしている。
連日連夜マスメディアはこの話題で持ち切りなどだがこのところ大きな社会的イベントの中止・縮小が相次ぎ先行きが心配だ。
発生源となった武漢は既にゴーストタウンなのだが遠く離れた北京でもあの全人代が延期されるというから事は重大だ。
しばらくは中国全土で影響が拡大するのかもしれない。
我が国でいえば来週の天皇誕生日一般参賀の中止だろう。
皇室の慶賀行事がこのような理由で中止に追い込まれるなどかって聞いたことがない。
今や首都東京の一大イベントに育った東京マラソンも参加者が大幅に制限され従来の大会とは全く別物になってしまいそうだ。
東京マラソンに限らず多くのスポーツ・イベントは東京五輪の出場者選定を兼ねているケースもある。
関係者は落ち着かない毎日だろう。
そうそう、時節柄卒業式や入学式、入社式などはどうなるのだろうか。
中国国家主席の国賓訪問は・・・?
プロ野球の開幕は・・・?
これだけ多くのイベントが影響を受けるとなると経済活動も停滞するに違いない。
我が国GDPは10-12月期に消費増税と自然災害禍で大きく落ち込んだ。
1-3月期は本来これを取り戻す時期なのだがゼロ成長だって十分考えられるのである。

首相の「桜を見る会」対応に思う

2020年02月18日 | 社会
「信なくば立たず」とは古くから政治の世界で重用されている矜持だが昨今首相の「桜を見る会」対応はまるで適っていない。
昨日も衆院予算委で首相と野党議員の間でやり取りがあったのだがどう考えても首相の旗色がよくない。
野党議員によれば会場となったホテル側は「宛名のない領収書は発行しない」と回答しているのだが首相は「一般的に『上様』として(領収書を)発行する場合があり夕食会でも上様としていた可能性がある」と回答していた。
この期に及んで「可能性がある」はいかにも他人事である。
ホテル側に確認して「一般論ではなくこのケースではどうだったのか」を照会すべきだと思うがそれは首相は拒否した。
この「拒否」の理由が分からない。
自らの疑いを晴らすためにあらゆる努力を傾注するところなのだがそれができないということは・・・、どうにも説明がつかない。
ということで冒頭の「信なくば立たず」に立ち戻るのだがもう1つ分からないのが政権与党である自民党の自浄能力の欠如である。
これも国政5連勝とかの弊害なのかもしれない。
「政権永きをもって尊し」ではないからねぇ・・・。

アパレル・デパート業界の業績下方修正に思う

2020年02月16日 | 経済
アパレル・デパート業界の多くで19年度業績の下方修正が相次いでいる。
その理由として顧客層の高齢化・暖冬現象・デジタル対応への後れが挙げられているがこれらは何も昨日今日始まったわけではないだろうというのが率直な感想だ。
無論「(分かってはいたが)予想を越えた」という言い訳はあるかもしれないがプロ経営者ならそんな泣き言は言うべきではない。
見通しそのものが甘かったということがなかったか?
もう少しコンサバティブな事業計画を策定すべきではなかったか?
環境変化をいち早く察知しシフト・チェンジにつなげるコンティンジェンシー・プランの有無は? そしてそれは機能したのか?
繰り返しになるが冒頭に掲げた高齢化等の3要因は決して一過性ではない。
言わば前提条件なのだ。
ただ目を転じれば新技術にしろ新マーケットにしろプラス要因もあるはずだ。
下方修正ラッシュからは早く脱して「アパレル・デパート業界は構造不況業種」などという寂しい見方は吹っ飛ばして欲しいと思うのである。