グッチーの日本寸評

「わが日本を少しでもいい国、住みたい国にしたい」との思いから日本の政治、経済、世相を自由気ままに評論する。

法相のスピード辞任の異常さに思う

2019年10月31日 | 政治
法相が妻の公職選挙法違反疑惑がらみで早々に辞任した。
あまりの潔さに驚くばかりだがよくよく考えるに首をかしげたくなることが多い。
先ず法相の辞表提出後記者団に語った「私も妻も全く与り知らない」の一言だ。
もし本当にそう思うのなら速やかに調査し疑念を晴らすべきだろう。
「行政に一瞬たりとも停滞は許されない」というのは紛れもない事実だが選挙事務所の調査などその気になればそんなに時間はかからないはずだ。
もし時間がかかるというのならやはり何か隠し立てをしていてその隠ぺいストーリーを作りたいという企みが垣間見えはしないか。
「任命責任は私にある」と言う首相もこの段階では辞表を受理せず法相に説明責任を早期に果たすよう指示すべきだ。
その方が首相のダメージも少ないはずなのだが早々に辞表を受理し後任者を任命するのは何故だろう。
首相自身も当事者が懸けられている疑惑を早期に払拭できないと判断しているのかもしれない。
それと今回の騒動の原因となった法相の妻の責任問題が表面化しないのも理解できない。
今回の騒動の原因は一義的には法相の妻にあって夫たる法相ではない。
法相の妻こそ説明責任を果たすべきだと思うが如何だろう。

東京五輪のマラソン・競歩開催地変更計画に思う

2019年10月27日 | 社会
東京五輪のマラソン・競歩の開催地があれあれ、と言う間に札幌に変更されつつある。
蚊帳の外に置かれていた東京都知事はどうにも腹の虫が収まらないようだがこれは当然だろう。
来日しているIOCの調整委員長は「これはもうIOCで決定済のこと」と言い放っていたが開催都市側に何の相談もなく(一部の競技とはいえ)開催地を変更するなど信じられないことだ。
一体IOC・東京都の間に入っていた組織委員会はどんな役割、どんな仲介を果たしたのだろうか。
つまらないことで組織委員会と東京都の関係がおかしくなってしまった。
「アスリート・ファースト」という言葉もどこか虚ろに響く。
もしかしたら本件は日本側の複数の組織間のコミュニケーション、調整能力に原因があるのかもしれない。
いずれにせよスピード感をもって疑念を収束させることだ。
この種の話は時間をかければかけるほど溝は深くなり解決は遠のくものだ。

中国の「顔認証決済」普及に思う

2019年10月26日 | 政治
中国で顔認証決済システムが急速に広がろうとしている。
通常の買い物以外に各種交通機関や金融機関にも適用されつつある。
顔認証決済システムは手ぶらでことが足りる、しかもパスワードなども不要だからまさに究極の決済システムと言っていいだろう。
利用者にとってこれ以上の利便性ない。
しかし、しかし、利用データが政府に筒抜けということであれば話は別だ。
決済の局面以外にもオフィスや工場、学校などの入構管理にも利用が検討されているというからこれはもう完全な監視社会化である。
我が国でも一部で顔認証システムが導入されているがまさか当該企業が政府や警察に顔認証データを提供していることはないでしょうね。
思わず覆面デモで香港行政府に抵抗している香港市民を応援してしまう。
技術の進歩が全て人類の福祉や生活の向上に寄与するなんてこともないのである。

日本経済の24時間化は進むのか

2019年10月25日 | 経済
先日テレビのニュースがJR西日本の終電繰上げを伝えていたのでいささか驚いた。
JR西日本の説明によれば働き方改革等の影響により深夜時間帯の利用者が減ってきているから、ということのようである。
働き方改革の進展により長時間深夜残業が減ってきているとしたらこれは朗報だが一方で10年前、20年前に騒いでいた日本経済の24時間化はどうなったのかという疑問が湧いてくる。
経済のグローバル化は海外諸国との寸断なきコラボレーションが不可欠であり我が国の経済活動もある程度海外の活動時間に合わせていく、つまり経済活動の24時間化が必要だろう。
また海外からのインバウンド需要に応えるために夜時間の活用をもっと強化すべきという声もある。
そんな中で終電繰上げというのはちょっと腑に落ちないのである。
上記のような24時間化環境は都市部と地方の差はあるのかもしれないがJR西日本の話は大阪環状線の話である。
構造改革というのは難しいねぇ・・・、まさに「言うは易く行うは難し」である。


投稿3000回超に思う

2019年10月22日 | 日記
早いものでこのブログを始めてから投稿数が3000件を超えた。
振り返ってみると「よく3000件も書いたなぁ」という感じがしないでもない。
この間約10年、社会でも筆者の周辺でもいろいろなことがあった。
一番のピンチは心臓手術でしばらく入院生活を余儀なくされたことだ。
無事に健康を取り戻してブログ再開をは果たしたときはある種の感慨にふけったものだった。
旅行で我が家を空けたときもなにか忘れ物をしたような気になったこともある。
長い年月の中にはブログの書く材料がなかなか見当たらない、思いつかないこともあった。
逆に材料や候補がありすぎて何を書くべきか迷う時も多々あった。
これからもいろいろあるだろうが誰かが言っているように「継続は力なり」だ。
とにかく今後も極力「一日一件」を目標にブログ投稿を続けていこう。

中国のデジタル・シルクロード構想に思う

2019年10月21日 | 国際政治
中国政府が主催する世界インターネット大会が昨日より浙江省・烏鎮で開幕した。
中国は以前から「リアル一帯一路構想」を掲げて主にアジアから中東、ヨーロッパに向けた経済覇権を唱えてきたのだがここにきてリアル一帯一路構想は評判が芳しくない。
曰く、返済能力に乏しい途上国に開発資金を貸し付け返済が滞れば借金のカタに港湾などの物流施設を乗っ取るという強引な手法が目につくということなのだ。
おかげでこのリアル一帯一路構想は急ブレーキがかかってしまった。
そこで登場したのが「サイバー一帯一路構想」だ。
中心的な役割を担うのはGPSや5G、顔認証など中国が持つITそのものである。
しかし「リアル一帯一路政策」と同様にあまりに自国の利益だけを追求すればまたしても頓挫するかもしれない。
ものごとは全て適度な「ギブ&テイク」で上手くいくのであって「テイク&テイク」は必ず失敗することを中国は理解するべきだ。




消費増税3週間目に思う

2019年10月19日 | 社会
10月1日に消費税率が引き上げられて早いもので3週間目に入った。
今さらながら直前まで「決行する」「回避する」と勝手な憶測が飛び交っていたことを思い出す。
結局「3度目の正直」で引き上げがなされたのだが現場の受け止めはどうだったのだろう。
地元の商店街を歩いてみて先ず感じたのはキャッシュレス決済還元参加店の少なさだ。
経産省のPRサイトで見た例の参加店ポスターを見かけることはいまだに稀である。
まだプレミアム商品券参加店の方が多いのはなぜだろう。
準備が一番進んでいたのがコンビニ・チェーンだ。
コンビニはフランチャイズ店・直営店を問わず、軽減税率適用の有無にかかわらずキャッシュレス分については一律2%ディスカウントをしているようだがある意味非常にシンプルだ。
筆者がよく利用しているコンビニ・イートインも「ここで飲食するんだったら2%払ってね」なんて野暮なことは言わない。
あれっ、これって脱税?、いやいややっぱりシンプルが一番だと思うよ・・。
増税3週間目で一番心配しているのは街の零細規模店が今回の増税で一層競争力を低下させているのではないかということだ。
政府の狙いは意外にこんなところにあるのかねぇ・・・。

戦火の絶えないシリア情勢に思う

2019年10月18日 | 国際政治
全くシリアという国はどんな国だと思ってしまう。
ついこの間まで政府軍と反政府軍、イスラム国勢力の三者が三つ巴状態で戦火を交えていた。
それぞれが二つの武装勢力と戦闘を行うなんてなんと複雑で悲惨なことだと考えていたがイスラム国がほぼ壊滅状態になって一見戦火は収まったように感じたものだ。
ところが今度は政府軍とクルド武装勢力、そしてロシアから支援を受けたトルコ軍がまた三つ巴状態で戦乱を繰り広げるようになった。
ここまで来ると戦争をすることが手段ではなく目的ではないかと思ってしまう。
為政者に平和主義など微塵もない戦争を行っていないと気が済まない何かがあるとしか思えない。
ごく最近も米国副大統領がトルコを訪問し同国の大統領に停戦を働きかけていたがこれもいかほどの効果があるのか全く未知数である。
シリアの国土は長年の内戦で荒廃が進んでいるが依然終息する気配はない。
悲惨なのは大多数の一般庶民だ。
国外に難を逃れるルートもない。
一体人類は進歩しているのだろうか、それとも滅亡に近づいているのか、・・・シリアを思うと本当に暗澹たる気持ちに襲われる。

千曲川の変貌に思う

2019年10月16日 | 社会
千曲川と聞いて昔からまず思い浮かべるのは島崎藤村の「千曲川旅情の歌」だった。
「小諸なる古城のほとり雲白く遊子悲しむ」から始まるこの詩文は千曲川の情緒を雄弁に語るものだった。
もう一つ千曲川で連想するものに五木ひろしの持ち歌である同名の歌謡曲がある。
こちらは「水の流れに花びらをそっと浮かべて泣いた人」で始まる。
両者ともなんとロマンチックで優雅なイメージを醸しだすものか・・・。
この8月だったか、北信地方を旅行したがその際にも静かに流れる千曲川を目にして一層その印象を強くしたものだった。
それが、それが、その千曲川が先日一転して荒々しい暴れ川に変貌してしまった。
今や千曲川と言えば冠水した北陸新幹線基地が頭をよぎる。
北陸新幹線が昔のダイヤを取り戻すのはいつの日か・・・。
千曲川が昔のイメージを取り戻すのはいつの日か・・・。
後者の方はもうないのかもしれないねぇ。
先日の出来事はそれほど酷いものだった。

防災有識者会議の見解に思う

2019年10月15日 | 社会
中央防災会議の有識者会議が以前にまとめた報告で「行政主導の防災対策には限界がある」という見解を出していたと聞いてあらためて考え込んでしまった。
無論個人や企業が自ら防災意識を持つことは言うまでもないことだがこの度の台風19号の被害状況を見るにつけ逆に「個人や企業でどこまで防災対策を講じることが出来るのか」と思ってしまう。
あれほど大規模に冠水地域を生んでしまった現実を見るにつけ、とうに個人や企業で対応できるレベルは超えていると思わざるを得ない。
やっぱり国や自治体など行政が前面に立って防災体制を構築すべきではないのか、特にハード面については。
残念なことだが自然災害の激甚さは年を追うごとに増している。
堤防ひとつとってもより危険度の高いところから順次手を打っていかなければならない。
これを「民間でやれ」と言ってもこれこそ限界がある。
バックウォーターー現象などに十分考慮した最小限の国土強靭化は不可避ではないか。
河川の浚渫などももっと研究したらどうかと思う。