グッチーの日本寸評

「わが日本を少しでもいい国、住みたい国にしたい」との思いから日本の政治、経済、世相を自由気ままに評論する。

G20 の閉幕と米大統領の思いつきに思う

2019年06月30日 | 政治
G20がとにもかくにも閉幕した。
当初から予想されたことだが首脳によって採択された宣言は原則論、問題提起が中心で即効性には難があるが現況を考えればやむを得ないことかもしれない。
それにしても海洋プラスチックごみの2050年ゼロ化には溜息が先に出てしまう。
2050年と言えば30年後だからまだどんな技術革新があるのかもしれない。
実際にはもっと目先で具体的な数値なり対象別細分化目標が必要だ。
ところで今回のG20には凄い付録があった。
G20閉幕後韓国に向かった米大統領が板門店で北朝鮮・金委員長と電撃的な再会談を果たしたことだ。
大統領の思いつきが直前の会談申し出に繋がり2分どころか1時間ほど会談したのである。
この会談の成果はこれからの事務レベルの交渉に委ねられるが残念ながらG20の「大阪宣言」はすっかり影が薄くなってしまった。
米大統領は商売がうまいねぇ・・・。
G20の議長を務めた我が国の首相はバイ(2国間)の交渉では結局何の成果も得られなかった。
対北朝鮮問題でもどこか取り残された感がある。
首相は「安定した政権」という名の驕りに(無意識のうちに)気が緩んでいるのではないか、それとも元々外交センスがないのか、そのどちらかなのだろう。


国家リーダーの記者会見の相違に思う

2019年06月29日 | 政治
G20 終了後、たまたま議長役を務めた日本の首相とゲストで訪れた米国大統領の記者会見を目にすることが出来た。
しかしその会見スタイルは相当違いがある。
首相の冒頭の発言はプロンプターを用いたいわば「読み上げ」なのだがそれだけにその内容はどこか作文調である。
その後の質疑応答では司会者が発言者を指名するのだが時間制限があるので発言者は限られる。
あれでは十分メディアからの質問を受け止めたものとは言えないだろう。
一方米国大統領の場合は冒頭の発言からしてアドリブが多く必ずしも理路整然というわけではない。(笑)
その後の質問は大統領自身が質問者を指名していたがとにかく多くの質問者に対応していた。
中には答えたくない内容や直接G20とは直接関係のない質問(例えば来年の大統領選に関する民主党候補者の動静など)も多く出たが驚くほど時間を割いて回答していた。
この違いは一体何なのだろう。
米大統領は乱暴な物言いで「メディアとも摩擦を起こしている」とよく報道されているが我が国の首相の記者会見とはそのオープンさで大きな相違がある。
現政権だけかもしれないが「我が国の政治はメディアをコントロールし過ぎではないか」と思うことがしばしばだ。

東芝の新役員構成に思う

2019年06月27日 | 経済
東芝が26日開催した株主総会で新たな取締役会の構成メンバーを可決した。
それによると新取締役会は社内が2名、社外が10名の12名なのだがこの構成比には本当に驚きだ。
社外取締役メンバーは会計や法律、他企業のトップ経験者など見識が豊かなことは十分なのだろうが東芝のビジネスそのものには必ずしも精通しているわけではない。
こんな体制の下で現業部門が委縮してかえって活力を減衰させてしまうことはないのだろうか。
かって「スタッフ公害」などという言葉もあった。
経理や法務、監査などのガバナンスが重要なことは多言を要しないがライン部門とのバランスはなかなか難しい問題だ。
今回の役員の布陣については従来の社内取締役3名が執行役に退いたという。
執行役と取締役とでは対外的な重みが違う。
もし新任の社外取締役が張り切り過ぎて無用の口出しをするようなことがあれば同社の再建にマイナスになる恐れもあろう。
新体制の下でたった2名の社内取締役である会長、社長の目配せは極めて重要だ。

野党の問責決議案、不信任決議案提出に思う

2019年06月26日 | 政治
いささか旧聞になるが先日野党4党が財務相の問責決議案やら内閣の不信任決議案等を国会に提出しいずれも否決されて国会が閉じた。
いつも思うのだが本当にこのプロセスが野党にとってプラスになっているのか、よく分からない。
そもそも与野党の議席数現状を考えると可決などは想定しにくい。
たとえ否決されてもそれが有権者に評価されていればそれなりの意味はあるのだろうがそれすらもよく分からない。
与党サイドからやれ年中行事だの、解散の心配がなくなったので決議案を提出したのだろう、などと揶揄されるだけでは加点どころかむしろ失点ではないかと思ってしまう。
世に「ダメ元」という言葉があるが政治の世界に一瞬のムダも許されない。
限られた開会期間はもっと有効に使うべきだ。
こんな時間消費を続けているようでは政権交代など当分望めないのではないか。
たとえ一日でも半日であってももっと生産性を有した行動をとるべきだと思うが如何?


年金に関する政府のスタンスとは?

2019年06月24日 | 政治
金融庁の市場ワーキンググループが準備した例の報告書が今だに浮遊したままだ。
金融相は「(この報告書が)政府のスタンスと異なる」として受け取りを拒否しているがそれならその政治スタンスがどういうものでどこが違うか、をもう少し説明しないといけない。
平均値を引用した数値は誤解を与えるというのなら更にいくつかサンプルを提示し国民の理解を得なければならないと思うが残念ながらその多くは2000万円の不足で留まらないように思う。
今の状況が続けば国民の不安は増幅するばかりである。
情けないのは政府・与党が金融相の受け取り拒否に同調するばかりで表立ってなかなか打開策が出てこないことだ。
幹事長や国対委員長の本件に関する発言は本当に信じられないものだ。
とても政権与党の態度とは思えない。
本件はたまたま金融庁が震源地であったが元々年金問題なのだから厚労省、与党内であれば厚労部会が前面に立って善処すべきだろう。
それにしても「政治の一強体制」というのは罪深いものだねぇ。         

インバウンド需要の変容に思う

2019年06月22日 | 政治・経済・社会問題
21日に公表された観光白書19年版によれば訪日外国客の存在感が地方で大きく伸びているとのことだ。
察するところこれはリピータ比率の向上がその背景にあるのではないか。
最初の訪日時には東京など3大都市圏のみに留まったが2度目以降になれば今度は別の地域に行きたいと思うのはごく当たり前の心情である。
「前回は浅草寺や東京スカイツリーに行ったが今度は金沢の兼六園や日光の東照宮に行ってみたい」と言った具合である。
リピータ比率が高まれば高まるほど地方のウェートが高まるのは自然の理に適っているといっていいだろう。
インバウンド需要の変容にはもう一つ、モノ消費からコト消費という側面がある。
初めてインバウンド需要が押し寄せた数年前には「爆買い」という言葉が流行語になった。
しかしネット通販が普及した今、いくら日本製が優秀だからといって電気釜など大きな荷物を抱えて帰路につくこともない。
折角多額の旅行費用を使うのだったら日本でしか体験できないことをやった方が自然である。
ところで昨日だったか、百貨店協会が2か月連続で昨年度の販売実績割れを報じていたがこれも訪日客のモノ消費からコト消費へのシフトが影響しているのかもしれない。
百貨店協会には申し訳ないが訪日客の「爆買い」などはあまりアテにしない方がいい。
リストラの妨げになるだけだろう。

とりあえず将棋の棋譜作成はAIにお任せしよう

2019年06月21日 | 政治・経済・社会問題
将棋連盟とリコーが将棋棋譜の作成システムを共同開発、近く本格導入を目指すとのことだ。
将棋の棋譜作成は地味な仕事で従来担当していた奨励会会員も大学等の進学率向上で人手不足になっていたというからこれはまさに「渡りに船」だ。
今回のシステムは盤上の動きを天井のカメラで撮影、映像記録をもとに棋譜を作成するというものだがこれだけなら何もAIなどに頼らなくとも自動作成などできそうなものだが問題は対局棋士が前のめりになってカメラを遮ってしまうことがあることだ。
そこからがAIの出番だ。
遮ってしまってからの指し手をAIが解析し棋譜を作成する、これがAIの真骨頂である。
ただ棋譜はプロ棋士の公式対戦記録だからAIが棋譜を作成するといっても最終的に棋士相互の確認行為が必要になる。
何かゴルフ競技のホールアウト後のアテストみたいだねぇ…。(笑)
昨今「AIがどの程度ヒトが行ってきた業務を代替するか」が大きな関心事となっている。
上記の例のように単純化される業務は間違いなくAIにとって代わられるだろう。
ただ世の中にはコンピュータ類やAIなどでは容易に置換できない創造的な仕事や対人業務が多数ある。
AIに任せられる仕事と人間に委ねなければならない仕事をいかに分別・整理しコストパフォーマンスの最大化を実現するか、これがあらゆる競争社会で問われることになろう。

トランプ米大統領の再選出馬表明に思う

2019年06月19日 | 国際政治
トランプ米大統領がフロリダ州で開いた自身の選挙集会で来年11月に行われる大統領選への出馬を早々に表明した。
トランプ氏が米大統領選に勝ち抜き就任した際には4年間の任期はおろか中間選挙までもたないのではないと思ったものだが何の何の、数々の修羅場を乗り越え何とか次期大統領選に再出馬するところまでやってきた。
今度の選挙スローガンは「Keep America Great」ということだから「Make America Great Again 」という目的はひとまず達成したということだ。
当面の懸案は中国との貿易問題だが習主席を「素晴らしい友人」と持ち上げる一方で関税税率では一歩も譲歩する気配はない。
北朝鮮の金委員長にも全く同じ手口である。(笑)
ここで気になるのが我が国との交渉経過である。
参院選を見越した「8月になったらいいニュースが・・・」は何やら不気味でもある。
トランプ大統領には接待攻勢などまるで通用しない。
意外とトランプ大統領の方が我が国の首相よりもズーッと先まで政権維持することになるのかもしれない。
彼は就任時も歴代最高齢だったが在任最高齢も見越しているようだ。

米国の対中攻勢に思う

2019年06月18日 | 国際政治
米国の国務長官が香港問題について月末に行われる大阪G20で提起すると発言していた。
中国にとってはただでさえ米中貿易協議で守勢に立たされているのに香港のあの大騒動はほんとに余計だった。
香港の行政長官は若干軟化の姿勢を見せているが残念ながらG20までに終息する見込みはない。
そこで中国・習主席の採った対抗策は北朝鮮を巻き込み援軍を増やすことだった。
結局北朝鮮は中国に首根っこを押さえられているので与えられた役割を粛々と演じるのだろうがやっぱり米国の方に分がありそうだ。
北朝鮮自身はG20に出席することはないからねぇ。
しかしここでも開催国日本の存在感は乏しい。
このままだと日本は会場を貸しただけで参加国が勝手にバイ(2国間)で外交することだけに終わるのかもしれない。
形通りの共同コミュニケなどは発表されるのだろうが本当に実のある地球レベルの会合がなされるのはいつの日か。
議長を務める首相も本来の立ち位置を守れるかどうか・・・、我が国の中立性が問われる。





自民党の分裂はあるか

2019年06月16日 | 政治・経済・社会問題
今朝何気なく新聞を見ていたらある観測記事が目に留まった。
衆参同時選後の国会で国民民主党が次期首相候補として自民党の石破元幹事長を担ぐというものだった。
残念ながら国民民主党が立憲民主党と元の鞘に収まるというシナリオは描きにくい。
そんな折、自民党の中で不遇を託っている石破氏が比較的政策面で近いとされる国民民主党と手を組む可能性はなくはなかった。
ただ問題は国民民主党、自民党内の石破元幹事長支援グループ両者で都合何人参加しさらに今後の国政選挙でどれだけ上積みできるか、だろう。
それにしても自民党の現総裁一強体制は強固である。
異次元金融緩和がらみを除くとさしたる成果はないのに、である。
自民党が党是と掲げる憲法改正問題も6年経っていまだに発議のスケジュールすらない。
こんな状況では通常総裁の3選などあり得ないと思うのだが国選5連勝の威光なのだろうか、アッという間に実現してしまった。
対立候補をあえて潰してきたという見方もあるのだが。(笑)
総裁交代は自民党の分裂が先か、それとも党内の政権交代が先なのか、興味は尽きない。
残念ながら政権の賞味期限はとっくに切れているのだが・・・。