グッチーの日本寸評

「わが日本を少しでもいい国、住みたい国にしたい」との思いから日本の政治、経済、世相を自由気ままに評論する。

危なっかしいイスラエルの新連立政権に思う

2021年06月14日 | 国際政治

イスラエル国会が過去12年続いたネタニエフ政権と決別し8党連立の新政権を承認した。

しかしその票決は賛成60、反対59、棄権1、と実に際どいものだった。

しかも8党連立の中身は左右両派混成というからどう考えても先行きの不安が拭いきれない。

首相ポストは2年ごとの輪番制を採るというから「もう、どうかねぇ」と言うよりほかない。(笑)

これではほんのちょっとした出来事でネタニエフ政権に戻ってしまう恐れは十二分にある。

あまりに好戦的なネタニエフ前政権に戻るのもどうかと思うがそれにしてもパレスチナ問題の解決は本当に難しい。

新生8党連立政権の生命線はイスラエル国民の良識にかかっていると言っていいのではないか。

さてさて後ろ盾の米国はどう動くか、ちょっと興味深い。

 

 

 


国際社会での日本のプレゼンスを考える

2021年05月21日 | 国際政治

アジアの政治・経済について討議する国際交流会議「アジアの未来」で首相がオンラインでスピーチを行っていた。

その中で新型コロナウィルスの感染拡大について「途上国を含め、安全で効果的なワクチンの公平な確保に取り組む」と述べたとされるが果たしてどの程度現実感を持って参加国聴講者に受け取られたのだろうか。

首相は先般訪米時にPfizerCEOに掛け合って数千万人のワクチンを確保したとアピールしていたが前述の発言と整合性があるのか、いささか気になる。

もしも日本がワクチンの供給国であれば話は違ってくるが現況は残念ながら供給を受ける国であってしかも全国各地から矢のような督促を受けているのが現状なのだ。

経済回復の切り札と掲げるデジタル化推進についても日本がお手本になる、あるいはそのように進んでいると言い難い。

日本は従来からアジア唯一のG7メンバーとして域内のリーダー的存在であったが昨今ではすっかり輝きを失ってしまったようだ。

首相が国際会議でどれだけ声高に大言壮語を発しても参加国は見透かしているように思う。

悔しいことだが1つ1つ実績を積み上げていく以外にかってのプレゼンスを取り戻す道はない。

 


北朝鮮の「南北連絡事務所」爆破に思う

2020年06月19日 | 国際政治
先日公開された北朝鮮の「南北連絡事務所」爆破の映像は何度見ても痛々しい。
開城と言えば南北朝鮮の融和と言うか、あるいは同一民族協力の聖地だったはずである。
それが、それが、・・・シンボルとなる建物を木っ端微塵に爆破しその映像をあえて公開するなどとても正気の沙汰とは思えない。
やっぱり脱北者の配布したチラシ内容がよほど気に食わなかったのだろう。
韓国側としても連絡事務所爆破に続きあれだけ罵詈雑言を浴びせられては応戦せざるを得ない。
さすがに今すぐ戦火を交えるなんてことはないだろうが開城工業団地での南北協力関係は当面戻ることはないだろう。
この事実は北朝鮮にとっても相当なダメージだと思うがどうだろう。
北朝鮮の経済と日常生活は今後ますます困窮度を増していくことが予想される。
非武装地帯はさらに緊張度を増していく。
一方で韓国の文政権は南北融和政策が頓挫してしまった。
どうも朝鮮半島は20年前の金正日ー金大中関係のさらにそれ以前に戻ってしまったようである。

台湾総統選における現職の圧勝に思う(その2)

2020年01月14日 | 国際政治
この度行われた台湾総統選は中国政府を距離を置く現職候補が過去最多得票で勝利したのだが勝利候補に祝意を表した日英米各国に今度は中国がクレームを入れたそうである。
気持ちは分からないでもないが余計なお世話である。(笑)
こんなことをやってもなんの足しにもならないだろう。
中国は台湾との付き合い方を根本から考え直したらいいと思う。
ついでに香港、新疆ウイグル、チベットなどもね。
とはいってもとても無理だろうなぁ。(笑)
それにしても我が国はその中国主席を今春国賓として招待するという。
台湾と中国、この両天秤はうまく説明がつくのかねぇ・・・。

台湾総統選における現職の圧勝に思う

2020年01月12日 | 国際政治
昨日行われた台湾総統選で対中強硬路線を掲げる現職候補が過去最多の得票で再選された。
これは好感囁かれているように香港での一連の騒動が影響したことは否めないと思う。
中国外交部は「絶対に独立は認めない」と強気の姿勢を崩していないが未だに香港の情勢が収まっていないので心中は穏やかではないだろう。
聞くところによると中国本土から台湾への観光客は激減しているとのことだ。
いうまでもなくビザ発給を制限して台湾経済を干上がらせる目論みのようだが果たしてこんな作戦で人心をコントロールできるのか、・・・?
中国の人権問題は世界中が注目してみている。
国家権力を背景にした力づくの民衆の弾圧は今や限界に達している。
中国は世界を相手にして「分断」を深めるか、あるいは多少でも譲歩し「融和」を目指すのか、分岐点に立たされているように思う。

米国・イラン間の奇妙な平穏に思う

2020年01月10日 | 国際政治
米国のイラン革命防衛隊幹部殺害事件が発生した際には誰もが相当の報復合戦を予想、中には第3次世界大戦にすら言及したメディアもあったようだがここにきて何故か平穏状態が続いている。
平穏状態はそれはそれでいいのだが本当にこれで済むのか気になってしまう。
イランのナンバー2だか、ナンバー3が狙い撃ちされそのお返しが米軍基地とはいえ無人の航空機格納庫のミサイル爆破ではいささかバランスを欠く。
しかも米国側には事前通告があったということのようだから米国側の被害は軽微なものだった。
これでイラン側のあの怒涛のような国民感情を鎮められるのか、・・・大丈夫かねぇ?
米国側も軍事的反撃は見送るようなそぶりだが双方とも結構大人の対応だねぇ。(笑)
イラン関連施設52か所だの攻撃目標300か所なんて数字はどこかに行ってしまった。
このまま収まればこれはこれで結構なのだが米国側は依然「経済制裁」は続行するとしている。
ということはまだまだ予断を許さないということだ。
ところで我が国の首相は予定通り明日から中東歴訪を決行するようだ。
状勢が許せばイランにも行って仲裁活動を展開したらどうだろう。

米大統領の殺害指令に思う

2020年01月05日 | 国際政治
イラン防衛隊の幹部が米国の空爆により落命したがこれが米大統領の明確な殺害指令によるものと聞いて聊か驚いた。
たしかに米大使館襲撃などの罪状の疑いがあるにせよIS(イスラム国)ビン・ラディン指導者の時のような世界各国からの理解は得られそうもない。
いくら米大統領が「戦争を行う意思はない」と言ってもそんな道理が通るはずがない。
当然ながらイランはいくつかの報復措置実行を明らかにしている。
ここまでくれば間違いなく報復合戦が待っているだけである。
やれやれ・・・、嘆息あるのみだ。
いつのころだったか、米国が世界の警察官であることを放棄した。
そのころから途端に世界はおかしくなってきたように思う。
「重し」がなくなったどころか、米国自身がある種の犯罪に手を染めるようになった。
我が国の首相が中東訪問に意欲を示しているようだが仲裁者の大役を果たせるかどうか・・・、もし米・イラン両国を平穏に落ち着かせることが出来ればその外交手腕はまさに称賛に値する。
ノーベル平和賞受賞も間違いないだろう・・・、まぁそんなことはどうでもいいことだが。(笑)


米日豪の新興国インフラ開発認証構想に思う

2019年11月17日 | 国際政治
米国、日本、豪州が新興国のインフラ開発に関する認証制度BDN (ブルー・ドット・ネットワーク)構想を進めている。
本構想はインド・太平洋地域の新興国等を対象にインフラ事業の開発スキームを評価し条件を満たせば認証を与えるというものだが言うまでもなく中国が進める「一帯一路構想」に対抗し楔を打ち込むものになるだろう。
「一帯一路構想」に伴うややもすれば強引な手法は当該国の不安や不満が尽きないのでBCN構想が出てくるのもある意味自然の成り行きなのかもしれない。
ただ気になるのはあまり日本がこの構想に肩入れすれば中国側の機嫌を損ねかねない。(笑)
香港の大規模デモについても日本の立ち位置は難しいねぇ。
中国とは例の尖閣諸島問題も抱えている。
こんな状態で習主席の国賓招聘など上手くいくのだろうか・・・。
トランプ大統領のように簡単にはいかないように思う。
下手をすれば全て既成事実として日本側が承服したと受けとられかねない。
日本政府の慎重かつ強固な意志を持った準備が必要になるだろう。

中国のデジタル・シルクロード構想に思う

2019年10月21日 | 国際政治
中国政府が主催する世界インターネット大会が昨日より浙江省・烏鎮で開幕した。
中国は以前から「リアル一帯一路構想」を掲げて主にアジアから中東、ヨーロッパに向けた経済覇権を唱えてきたのだがここにきてリアル一帯一路構想は評判が芳しくない。
曰く、返済能力に乏しい途上国に開発資金を貸し付け返済が滞れば借金のカタに港湾などの物流施設を乗っ取るという強引な手法が目につくということなのだ。
おかげでこのリアル一帯一路構想は急ブレーキがかかってしまった。
そこで登場したのが「サイバー一帯一路構想」だ。
中心的な役割を担うのはGPSや5G、顔認証など中国が持つITそのものである。
しかし「リアル一帯一路政策」と同様にあまりに自国の利益だけを追求すればまたしても頓挫するかもしれない。
ものごとは全て適度な「ギブ&テイク」で上手くいくのであって「テイク&テイク」は必ず失敗することを中国は理解するべきだ。




戦火の絶えないシリア情勢に思う

2019年10月18日 | 国際政治
全くシリアという国はどんな国だと思ってしまう。
ついこの間まで政府軍と反政府軍、イスラム国勢力の三者が三つ巴状態で戦火を交えていた。
それぞれが二つの武装勢力と戦闘を行うなんてなんと複雑で悲惨なことだと考えていたがイスラム国がほぼ壊滅状態になって一見戦火は収まったように感じたものだ。
ところが今度は政府軍とクルド武装勢力、そしてロシアから支援を受けたトルコ軍がまた三つ巴状態で戦乱を繰り広げるようになった。
ここまで来ると戦争をすることが手段ではなく目的ではないかと思ってしまう。
為政者に平和主義など微塵もない戦争を行っていないと気が済まない何かがあるとしか思えない。
ごく最近も米国副大統領がトルコを訪問し同国の大統領に停戦を働きかけていたがこれもいかほどの効果があるのか全く未知数である。
シリアの国土は長年の内戦で荒廃が進んでいるが依然終息する気配はない。
悲惨なのは大多数の一般庶民だ。
国外に難を逃れるルートもない。
一体人類は進歩しているのだろうか、それとも滅亡に近づいているのか、・・・シリアを思うと本当に暗澹たる気持ちに襲われる。