グッチーの日本寸評

「わが日本を少しでもいい国、住みたい国にしたい」との思いから日本の政治、経済、世相を自由気ままに評論する。

ワクチン接種計画の進捗状況に思う

2021年05月31日 | 政治

首相は先週末の非常事態宣言延長に伴う記者会見でワクチン接種計画をコロナ禍終息のための絶対的条件としてぶち上げていた。

「最早これしかない」と言わんばかりの口ぶりだったが世論の眼は依然厳しいようである。

日経新聞がこの週末行った世論調査結果によれば全体の72%が「順調だとは思わない」と回答、「順調だと思う」の22%を大きく上回っている。

遅れの理由についても77%が「国の準備不足」と指摘、「自治体の準備不足」や「医師会など医療団体の協力不足」などの理由を大きく上回った。

明らかに国の司令塔としての機能が不十分なのだ。

ワクチンの確保状況についてはもう少し前広に週単位、自治体ごとにデリバリー見通しを公表すべきだろう。

地域毎の多少の不公平さが顕在化するかもしれないが接種計画の緻密化に不可欠なものだ。

集団接種会場については今だに自薦組が官邸を訪れているようだがもしもワクチン自体と打ち手の確保が見込めるようであれば国が自発的に会場探しに動くべきだ。

その上で集団免疫のメドとされる国民全体の50%、あるいは70%接種終了見通しの時期についても速やかに明らかにすべきである。

そんな積重ねもなくただ「1日100万回接種する」などを呪文のように言っても誰も信用しないだろう。

企業でいえばこんな杜撰なオペレーションはとても許されないだろう。

何も「企業と同等のオペレーションを」などという積りはないがもっと企業のマネジメント活動を参考にしたらいいと思うのである。

 


どうにも締まらない首相の記者会見に思う

2021年05月29日 | 政治

昨夕も首相が緊急事態宣言延長に絡んで記者会見を行っていたがどうにもピシッと締まった感じがしない。

このところズーっとこんな調子で無力感だけが漂っている感じなのだ。

言葉だけは「コロナに打ち勝つ」「私が先頭に立って」「内閣が総力を挙げて」など勇ましいフレーズが並ぶのだがどこか国民の心に響かない。

「国民の声に耳を傾けて」という言葉もあったがあのフレーズを額面通り受け止めた国民は少ないようのではないか。

今回の記者会見の焦点の一つは東京五輪の開催可否問題だが前回の記者会見でも外国メディアから「東京五輪を開催するにあたってのメリットとデメリットは?」という質問があったことを記憶している。

その時の首相の回答は質問内容から外れた、しかも極めて抽象的なものだった。

今回の会見でこの辺りをあらためて具体的に説明すれば感じは随分変わっていたように思うがそれもなかった。

1日100万回という接種目標も意欲だけが空回りした感じで「なるほど、これならいけそうだ」という雰囲気を醸成するものではなかった。

官邸は一体いつまでこんな空虚な会見を繰り返すつもりなのか。

首相にスピーチライターは居ないのだろうか?

メディアから官邸入りした補佐官とやらは今いずこ?


度重なる「緊急事態宣言」の延長に思う

2021年05月27日 | 政治

東京、大阪のコロナウィルス緊急事態宣言が再び延長される見通しである。

東京都などは年明け早々から緊急事態宣言の発令、延長が相次ぎ言わば慢性化しているようである。

これでは事業継続に大きな影響を受ける飲食業界やエンタメ業界の関係者は堪ったものではない。

100M競争に例えるとゴールを示すテープが見えてきた途端それがさらに遠ざかっていくことを意味しているからねぇ・・・。

筆者はかって企業に在職中に社長が主催する重要会議の事務局業務に従事していたことがある。

時折社長の社外での業務が長引いたり交通渋滞に巻き込まれたり、の理由で帰社が遅れ会議開催時刻に間に合わないことがあった。

そんなとき社長(秘書)からの連絡は遅刻幅が大きめに知らされることが多かったので実際に会議開催時刻遅延の影響は予想したよりも軽微ですみ胸をなでおろしたことが何度もあった。

そんなとき上に立つものは常に状況を悲観的に捉え不確実性に備える重要性を学んだ気がした。

さて今般の緊急事態宣言の期限設定プロセスはどうだろうか。

為政者はもう少し事態を悲観的(気味)に捉えたほうが安易に延長するよりベターではないかと思うのである。

 


ベラルーシの反体制運動家拘束に思う

2021年05月26日 | 政治

ベラルーシの反体制運動家が民間機の強制着陸などという想像もつかなかった手段で当局に拘束された。

それも「当該民間機は(パレスチナの)ハマスによって爆弾が仕掛けられた」とか・・・、一体ハマスにそんな余裕があるのかねぇ、と思ってしまう。

爆弾が発見されなければそのまま航空機を開放させるかと思いきや反体制運動家だけを拘束したというからこれは紛れもない手段を選ばぬ(反体制運動家の)拘束劇である。

ふと一昔前に東京のホテルで起きた韓国・金大中氏拉致事件を思い出した。

それにしてもこのところロシアの反体制運動家薬殺未遂(と言っていいか微妙だが)やミャンマーのクーデター、香港での民主運動抑圧などなんともいやな出来事が続いている。

どうやら世界は専制主義対民主主義の戦いが進んでいるようだ。

しかもここにきて専制主義勢力が攻勢を強めているのである。

民主主義勢力の対抗措置である「経済制裁」はいかほどの抗力を持つのだろうか、どこまで強めれば抑止力を発揮するのだろうか?、・・・悩ましい問題である。

 

 

 


身内に大甘の首相に思う

2021年05月24日 | 政治

コロナウィルス死者数について「さざ波(程度)」と表現したり、緊急事態宣言を「(戒厳令などでもなく)屁みたいなもの」と発言していた内閣官房参与が「不適切な発言であった」と謝罪し辞任した。

当人の辞任申し出はともかくとして任命権者たる首相のこの間の行動にはある種の物足らなさを抱かざるを得ない。

首相は当初国会で参与の当該言動について「個人的な意見につきコメントを避けたい」などといかにも参与をかばうような反応を示していた。

その後世論の反発を受けて参与が態度を一変させると今度は首相もそれに同調してしまう。

首相は「参与は大変反省しておられた」などとコメントしていたがさらに反省すべきは首相自身ではないだろうか。

自分の意見にそぐわない官僚・学者には遠慮会釈なく人事権を行使するのに身内に対するこのベタ甘さは何といったらいいのだろうか。

東北新社の接待疑惑の件もそうだ。

自らの子息がキープレーヤーの一員なのだが実態調査は東北新社や総務省に任せっぱなしで「息子とは別人格」などと宣う。

首相が我が息子を呼びつけ判明した事項を総務省や東北新社の内部調査に反映させればいいと思うのだがそれもしないでただ嵐が過ぎるのを待っているようだ。

首相は国民からの支持を取り戻す絶好の機会をただただ放棄しているように思うが如何だろう。

「泣いて馬謖を切る」という故事もあるのだが・・・。


東京五輪まで2か月を切った

2021年05月23日 | 社会

たしか東京五輪の開催予定日は7月23日では・・・? とすれば今日でついに開催まであと2か月を切ったという訳だ。

それにしてはコロナウィルス新規感染者数は目立った減少が見られないので世論も一部アスリートも本当に開催していいのか、疑念が高まっている。

現場の医療を与る病院関係者は従来以上にラジカルな姿勢を強めている。

どこかの病院の窓に掲げられた「オリンピックはむり」の張り紙は衝撃的でもある。

さらに政府のコロナ対策について諮問を受ける立場の分科会も徐々に厳しい意見をぶつけるようになった。

どうも日本も東京五輪を巡って分断が進んでいるようだ。

トランプ治世の米国で「分断」がよく喧伝されたがまさに日本でもこんなに顕著な分断現象が現出するなど思いもしなかった。

やっぱり首相の国民に対する説明が少ないのだろう。

関係機関、関係者は具体的にどんな大会にするのか、例えば競技種目は絞るのか、参加国はどれくらいになるのか、参加人数は国別にいかほどになるのか、・・・そろそろミクロの数字を提示して医療体制を含めすべての対応方策を具申していく時期に来ている。

いつまでに・・・? もう遅すぎるくらいのものだ。

 

 


国際社会での日本のプレゼンスを考える

2021年05月21日 | 国際政治

アジアの政治・経済について討議する国際交流会議「アジアの未来」で首相がオンラインでスピーチを行っていた。

その中で新型コロナウィルスの感染拡大について「途上国を含め、安全で効果的なワクチンの公平な確保に取り組む」と述べたとされるが果たしてどの程度現実感を持って参加国聴講者に受け取られたのだろうか。

首相は先般訪米時にPfizerCEOに掛け合って数千万人のワクチンを確保したとアピールしていたが前述の発言と整合性があるのか、いささか気になる。

もしも日本がワクチンの供給国であれば話は違ってくるが現況は残念ながら供給を受ける国であってしかも全国各地から矢のような督促を受けているのが現状なのだ。

経済回復の切り札と掲げるデジタル化推進についても日本がお手本になる、あるいはそのように進んでいると言い難い。

日本は従来からアジア唯一のG7メンバーとして域内のリーダー的存在であったが昨今ではすっかり輝きを失ってしまったようだ。

首相が国際会議でどれだけ声高に大言壮語を発しても参加国は見透かしているように思う。

悔しいことだが1つ1つ実績を積み上げていく以外にかってのプレゼンスを取り戻す道はない。

 


大相撲の審判委員に「あっぱれ」(その2)

2021年05月20日 | 社会

17日付けのこのブログで大相撲審判委員の縁の下の活躍ぶりを記したところだが昨日の取り組みでも感心したシーンがあった。

優勝街道をひた走る大関照ノ富士と平幕妙義龍との一番だ。

土俵上で照ノ富士が妙義龍をねじ伏せ軍配は照ノ富士に上がった。

とその時、審判委員から物言いがあったのか、・・・5人の審判委員が立ち上がった。

テレビ中継を視ていた筆者はその時に何がどうなったのか、全く状況が分からなかった。

しばらくして(照ノ富士が妙義龍をねじ伏せた際)彼の右手が妙義龍の髷にかかっていたことが判明した。

結果は審判委員の物言いが採用され照ノ富士は反則負け、行司は差し違え、という裁可が下った。

角度から見てあの反則行為は5人の審判委員のうち1人しか確認できなかったはずだがビデオに頼らずよく正しい判断が出来たものだ。

一瞬の動きも見逃さない審判委員の活躍にあらためて「あっぱれ」だ。

 


あの1億5千万円はどこへ行った?

2021年05月19日 | 政治

自民党が広島選挙区の河井陣営に対し支出した1億5千万円の行方に世間の関心が集まっている。

党ナンバー2の幹事長は「私は支出には関与していない」という。

振られた当時の選挙対策委員長だった甘利氏は「1ミリも、1ミクロンも関わっていない」という。

党の河井元法相は「1億5千万円は買収には使っていない」という。

もう何が何だか分からない。

この1億5千万円のせいで苦汁を舐めさせられた広島県連の岸田前政調会長の心中は察するに余りある。

やはり幹事長にはたとえ自らが直接関与していないとしても誰が実質的に支出について決裁を行ったか明らかにする義務がある。

また使途についても調査権を発動し何に使ったのか、例えば党勢拡大のためのチラシを作ったというのであれば印刷費の発注書や領収書、チラシ現物などのエビデンスを公開する必要があるのではないか。

驚いたのは先日の幹事長記者会見席上で林幹事長代行が質問記者に放った「党内のことに根掘り葉掘り詮索しないで欲しい」との一言だ。

公党にあるまじきオープン性を欠く態度である。

政党には政党助成金という国庫からの交付金があるのだからもし「党内のことに・・・」というのなら交付金を全額返上してからにして欲しいと思うものだ。

 


2020年度のGDP4.6%減に思う

2021年05月18日 | 経済

内閣府が2020年度のGDPについて前年比4.6%減になることを発表した。

落込み幅は戦後最大であのリーマンショック時(3.5%減)を上回るものになった。

たしかにリーマンショック時は株価こそ凄いダメージを受けたが大幅な消費抑制を強いられた記憶はない。

さらに今回のコロナ禍は航空、鉄道、外食など特定業種を狙い撃ちにしている。

これらの業種の経営陣は本格的な回復時期は22年度以降になるものとみているようにコロナ不況からの脱出は時間がかかりそうだ。

本来だったら景気回復の起爆剤となるはずだった東京オリ・パラも開催が危ぶまれ風前の灯だ。

今から思うとリーマンショックなどなんてことはなかったねぇ・・・。

巷はコロナワクチン接種騒動でてんやわんやだがGDPがもとに戻るのはいつになるのだろうか。