グッチーの日本寸評

「わが日本を少しでもいい国、住みたい国にしたい」との思いから日本の政治、経済、世相を自由気ままに評論する。

国会の9月解散検討報道に思う

2021年06月16日 | 政治

首相が9月の衆院解散検討を明らかにしたようである。

国会の解散権はいつの世も首相の専権事項とされその実施時期についてこれほど前広に公表されることは珍しい。

とはいえ現下の状況を考えると「これしかない」という感じである。

このコロナ禍の中でいくら内閣不信任案を出されたからと言って即解散・総選挙などできないだろう。

と言っても7月からは悲願の東京オリ・パラが控えている。

という訳でオリ・パラ終了後の9月がラストチャンス、これを逃すと任期満了選挙しか残っていない。

時期的に言ってとうに所謂追い込まれ選挙になるが何といっても今はコロナとの闘いの真っ只中だから気にすることはないのである。

首相にとってはオリ・パラという世紀のビッグ・イベントを大過なくこなしワクチン効果で感染の抑え込みに成功すれば、そして総選挙で結果が認められれば総裁再選が見えてくる。

今考えられるベストシナリオがこれだ。

これしかない,これに賭けよう、というのが今の心境ではないだろうか。


首相のG7での発言内容に思う

2021年06月13日 | 政治

英国コーンウォールで開催されているG7の席で首相は各国首脳に対しあらためて東京五輪の開催と運営協力を要請したとのことだ。

首相は国内では「私は主催者ではない」として開催の可否基準について明示を交わし続けていたが海外では別人のようにふるまっている、野党のようにいろいろ追及されることなないからねぇ・・・。(笑)

これぞ政治家、ということかもしれない。

ここまで来ればさすがに中止案や延期案を持ち出すことはないだろう。

あとは無観客か、有観客か、・・・後者の場合観客数上限はどうなるのか、に絞られたように思う。

ただそれでも緊急事態宣言に伴う各種規制、まん延防止重点措置法絡みと五輪大会運営細則との調整は難問だ。

パブリックビューイングの是非についても東京都と周辺各県と対応が異なり依然くすぶったままである。

いやはや、「平和の祭典」もコロナ禍の前では分断や利害衝突の原因となる罪作りなイベントになってしまったようである。

IOCも今やすっかり疎んじられる存在になってしまった、決して本意ではないだろうが・・・。


大規模接種センターの予約状況伸び悩みに思う

2021年06月11日 | 政治

政府の肝入りでスタートした東京・大阪のコロナワクチン接種会場に異変が起きているようだ。

接種開始第1週こそキャパシティがほぼ満杯だったようだが2週目から東京の場合は約2割、大阪の場合は約3割しか接種利用者が埋まっていないという。

これは一体どうしたことか。

どうも各地域で、あるいは各職域での接種体制が整いつつあることが背景にあるとの説が有力のようだがそれならそれで貴重な接種体制リソースを遊ばせない工夫が必要だ。

ところが大規模センターを運営する防衛省の副大臣は「(今まで近隣府県に限定していた)接種対象者を全国に拡大する」と宣っていた。

本当にこんな対策が有効なのだろうか・・・?

近隣各地の住民さえ敬遠しているのにそれより遠隔地の住民がはるばる出かけるのだろうかと思ってしまうのだ。

それよりも東阪の会場規模を(需要に合わせて)縮小し捻出できた自衛隊医官、看護官パワーを地方の接種会場に派遣したらどうだろう。

もしも東阪の会場が今後もガラガラ状態が続くとしたら需給のミスマッチもいいところだ。

民間企業であればとても許されないだろう。

 

 

 

 


党首討論の成果は何?

2021年06月10日 | 政治

昨日2年ぶりに国会で与野党党首討論が行われたが残念ながら討論がかみ合わず聞いていてストレスが逆に貯まってしまった。

野党側の質問は概ね予想されたものだったがやはり正面から誠実に答えようとしない首相の答弁に異議ありだ。

あのような党首答弁を許容する党内の姿勢もいかがなものか・・・、なんの動きも見られないのは奇妙でさえある。

討論の中で首相が「10~11月には希望するすべての人への接種を完了する」と表明していたいかほどの根拠があるのだろうか。

全国の自治体からはワクチンの供給計画を早く知らせて欲しいとの声が上がっているのに、である。

それに首相が言及していた1日100万回接種という実績もフライングだったし東京・大阪の大規模接種会場の予約状況もガラガラだと言う。

ワクチンの接種が感染対策のキモだと主張するのは理解できるが実績管理は正確であることが絶対条件である。

職域接種が始まれば集計作業はより大変になるが準備は大丈夫だろうねぇ?

今回の党首討議の唯一の成果がこれ(ワクチン接種管理のオープン化、正確化)だからね。

 


コロナワクチン職域接種のスタートに思う

2021年06月07日 | 政治

ワクチンの職域接種が近く始まるようだ。

コロナ感染対策上とにかく早く接種を進めたい政府にとって職域接種は「期待の星」だろう。

大企業が保有する診療施設は接種会場としてある意味理想的と言えはしまいか。

(ある程度)場所もある、専従の医師・看護師もいる、企業の従業員についてはカルテもあるからねぇ・・・。

政府は当初から接種対象の順番を定めてきた。

先ず医療関係者、次に高齢者、基礎疾患保有者、一般(高齢者以外)と聞いているが現時点では多くの自治体でようやく高齢者に打ち始めたところだ。

もしも職域接種が軌道に乗れば感染リスクの高いと言われる若年層にも接種の普及が進み集団免疫に弾みがつくはずだ。

問題は自治体接種分との情報共有が整然と行われキチンと接種履歴が管理されることだが大丈夫だろうねぇ・・。(笑)

それはそうとして企業立病院の一つである富士通クリニックの動きが気になった。

当面地域住民を対象にワクチン接種を行うとアナウンスしていた。

当然自社従業員を優先し余力があれば地域住民にも、と考えていたがそうではなかった。(筆者の聞き間違いでなければだが)

従業員より地域住民を重視するなんてグッドな地域貢献なのだが何か背景なり特殊な事情があるのだろうか・・・?

 

 

 

 

 


我が国のワクチン国際貢献に思う

2021年06月06日 | 政治

台湾に続きベトナムに対してもコロナワクチンを供給することになったようである。

「ワクチン接種後進国」の汚名すら取り沙汰される日本がこれほどこの分野で国際貢献できるなんて思わなかったなぁ…。(笑)

それに供給されるアストラゼネカ製は我が国では公式接種の対象から外れていたので言わば「持て余していたもの」と言ってもいい、・・・ちょっと言い過ぎかな?

それでも台湾からはそれなりに感謝されていたようだしベトナムからも同じ評価を受ければそれはそれで結構なことだ。

若し日本がファイザー製やモデルナ製しか持ち合わせていなかったらあるいは先方からこれらを所望されればこうはいかなかっただろう。

いずれにせよ今は話がうまくいっている。

本当に日本が国際貢献できるとしたら日本がワクチンの自主開発に成功しあらゆる変異株に有効なタイプを世界に思う存分供給できることだがそんな日が来るのはいつのことだろう。


燻り続ける東京五輪の開催是非論に思う

2021年06月04日 | 政治

オーストラリアの女子ソフトボールチームが来日し合宿地である群馬県に入ったニュース映像を見ていよいよ東京五輪が始まったと感じた人々も多かったに違いない。

選手たちの弾けるような笑顔に五輪開催関係者はあらためて元気づけられ開催意欲を掻き立てられたように思う。

ところが、ところが分科会会長の「このような(パンデミック下で)五輪開催は普通ではない」の一言が水を差した。

さらに首相の「調整会議で2名の専門家から意見を伺っている」で騒ぎは拡大した。

分科会会長は「分科会の統一見解は別途提示したい」として譲らない。

どうやらまだ五輪開催を巡る攻防は終息していなかったようだ。

いつも感じるのだがやっぱり政府・与党の説明力は不十分だ。

それにIOC他諸外国に対し必要以上に気を遣い過ぎているような気もする。

その割に世論に対しては強硬で冷淡でもある。

五輪開催については(予定通りかもしれないが)この辺りで挙行に向けた記者会見をやったらどうだろう。


代々木公園のPV会場が・・・?

2021年06月02日 | 政治

東京五輪のPV(パブリック・ビューイング)会場として整備が進められていた代々木公園の一角がワクチン接種会場に転用されるというニュースを聞いてあまりのギャップに絶句してしまった。

凡そコロナ禍で開催が危ぶまれている東京五輪にPVは似合わない。

そのための会場作りで樹木の大量枝払いまで行っていると聞いて残念な気がしていたが今度は一転してワクチン接種会場とはねぇ・・・。

たしかにワクチン接種の促進は今や国家レベルの課題なのだがつい先日まで東京五輪盛り上げ用に予定されていた施設が突如振り向けられるなど節操がなさすぎる。

こんな安直で国民に迎合するだけの意思決定は決して為政者のプラスにはならないだろう。

それにワクチン接種場所は単なる仮設ではなく大手町のビルのように防塵対策が整った恒久施設の中に設置されるべきだろう。

 


ワクチン接種計画の進捗状況に思う

2021年05月31日 | 政治

首相は先週末の非常事態宣言延長に伴う記者会見でワクチン接種計画をコロナ禍終息のための絶対的条件としてぶち上げていた。

「最早これしかない」と言わんばかりの口ぶりだったが世論の眼は依然厳しいようである。

日経新聞がこの週末行った世論調査結果によれば全体の72%が「順調だとは思わない」と回答、「順調だと思う」の22%を大きく上回っている。

遅れの理由についても77%が「国の準備不足」と指摘、「自治体の準備不足」や「医師会など医療団体の協力不足」などの理由を大きく上回った。

明らかに国の司令塔としての機能が不十分なのだ。

ワクチンの確保状況についてはもう少し前広に週単位、自治体ごとにデリバリー見通しを公表すべきだろう。

地域毎の多少の不公平さが顕在化するかもしれないが接種計画の緻密化に不可欠なものだ。

集団接種会場については今だに自薦組が官邸を訪れているようだがもしもワクチン自体と打ち手の確保が見込めるようであれば国が自発的に会場探しに動くべきだ。

その上で集団免疫のメドとされる国民全体の50%、あるいは70%接種終了見通しの時期についても速やかに明らかにすべきである。

そんな積重ねもなくただ「1日100万回接種する」などを呪文のように言っても誰も信用しないだろう。

企業でいえばこんな杜撰なオペレーションはとても許されないだろう。

何も「企業と同等のオペレーションを」などという積りはないがもっと企業のマネジメント活動を参考にしたらいいと思うのである。

 


どうにも締まらない首相の記者会見に思う

2021年05月29日 | 政治

昨夕も首相が緊急事態宣言延長に絡んで記者会見を行っていたがどうにもピシッと締まった感じがしない。

このところズーっとこんな調子で無力感だけが漂っている感じなのだ。

言葉だけは「コロナに打ち勝つ」「私が先頭に立って」「内閣が総力を挙げて」など勇ましいフレーズが並ぶのだがどこか国民の心に響かない。

「国民の声に耳を傾けて」という言葉もあったがあのフレーズを額面通り受け止めた国民は少ないようのではないか。

今回の記者会見の焦点の一つは東京五輪の開催可否問題だが前回の記者会見でも外国メディアから「東京五輪を開催するにあたってのメリットとデメリットは?」という質問があったことを記憶している。

その時の首相の回答は質問内容から外れた、しかも極めて抽象的なものだった。

今回の会見でこの辺りをあらためて具体的に説明すれば感じは随分変わっていたように思うがそれもなかった。

1日100万回という接種目標も意欲だけが空回りした感じで「なるほど、これならいけそうだ」という雰囲気を醸成するものではなかった。

官邸は一体いつまでこんな空虚な会見を繰り返すつもりなのか。

首相にスピーチライターは居ないのだろうか?

メディアから官邸入りした補佐官とやらは今いずこ?