グッチーの日本寸評

「わが日本を少しでもいい国、住みたい国にしたい」との思いから日本の政治、経済、世相を自由気ままに評論する。

29年ぶりの大納会高値に思う

2019年12月31日 | 政治
昨日の大納会で日経平均株価が2万3656円と29年ぶりの高値を付けた。
バブル期最高値の3万8千円とかには遠く及ばないものの29年ぶり、平成の「失われた20年」なんて言われていたことを考えると大きな意味がある。
しかし何となくまだしっくりこない。
企業業績の裏付けがあるのだろうか。
多分にカネ余り状態に負うところが多いのではないか。
10月の消費増税以降我が国の消費動向も今いちパッとしない。
この1年で日経平均株価は18%伸びたというが物価や国民の実質所得とは連動していない。
株主構成も昨今大きく変わってきた。
我が国の株式保有率は10%台の上位だと言われているが名寄せすれば10%そこそこだ。
だから国民の経済格差もひろがっているのかもしれない。
どうも手放しで喜べない大納会高株価ではある。
さてさて来年はどうなることやら・・・、政治も国際的に見て波乱含みだから経済の安定もなかなか望めないようだ。
こんな時節こそ「よいお年を」というフレーズがそれなりの重みをもつ。
皆さん、どうぞ良いお年を。



辺野古の埋立て工事難航に思う

2019年12月29日 | 社会
辺野古の米軍基地建設が難航しているようだ。
候補地はもともと近隣海底の軟弱さが心配されていたのだが予想以上に手こずっている。
なんでも費用は当初見積もりの約3倍、工事期間は5年以上延びるということだ。
この数字だってまだ不確定要素があるという。
それでも初志貫徹というから恐れ入る。
普通の民間企業であれば費用予算の見積もりが3倍になれば計画自体の見直しと担当者の責任追及が避けられないはずだ。
今からでも遅くない。
もう一度候補地探しや、いやそれ以前に立ち返って必要性から再検討したらいいと思う。
秋田、山口でのイージス・アショアもありその上で普天間の代替基地を(コストの見積りすら困難な)軟弱地盤海域に作らなければならないのだろうか。
それに米大統領はさらなる駐留経費の負担増額を求めているのだ。
今さら責任は問うまい。
ただ出直す勇気は必要だ。
もう少しましな「解」があると思うのである。
米国とももっと真摯な話し合いをしたらいい。

日本郵政社長の辞任会見に思う

2019年12月28日 | 経済
昨日日本郵政の社長が傘下のかんぽ生命、日本郵便の社長とともに辞任記者会見を行っていた。
気になったのはつい数日前行っていた謝罪会見の最後で記者たちの「即時辞任はないのですか」との質問に「これ以上でもなければこれ以下でもない」と憤然と否定していたことだ。
この後蹴るようにしてその場を去った。
そして昨日のこの様である。
この間然るべき筋から何らかの沙汰のあったのだろう。
目下の人間には居丈高、権力者には容易に折れる(折れざるを得ないのかもしれないが)、こんな姿を目にして本当に残念な思いである。
正しいことは正しい、正しくないことは正しくない。
誰が言ったからどう、ということは関係ないのである。
本当に辞任すべきでないというのならもっと踏ん張ったらどうか。
もしも経営責任を感じているのならさらに以前の段階で出所進退を明らかにすべきだろう。
本当に不愉快である。
昨今政界や公務員の世界で跋扈している「忖度」もこんなところに原点があるのではないか。
そうそう、かの社長は「現場の情報が上がってこなかった」とも述懐していたがこれがガバナンス不在の典型だ。
残念ながら今回辞任した3人の社長は経営者の能力も資格もない。
後任の3社長に委ねられた役割はとてつもなく大きいがキチンと期待に応えてくれるだろうか。

サウジ・ジャーナリスト謀殺事件の判決結果に思う

2019年12月25日 | 政治
このニュースだけは見たくも聞きたくもなかった。
例のサウジアラビア反政府ジャーナリストの謀殺事件に関わる判決結果を見聞した時のことだ。
実行犯5人に死刑、首謀者と目されたサウジ皇太子側近2人は不起訴になったのだがどうにも腑に落ちない。
通常この種の事件については実行犯より首謀者に思い処罰が課されるものだがこのケースはそうではなかった。
しかも死刑5人は極刑も極刑、その黒幕が無罪放免ではやっぱり割り切れない。
これが絶対王政国家の所作なのだろうか。
犯行現場も治外法権下の在外大使館だったから当該国、たしかトルコだったかな? も必要以上に口出しできない。
やっぱり計算尽くされた犯行だったことは間違いないだろうからこんな判決は許してはいけない。
そういえばどこかの国でも似たような出来事があったなぁ、為政者の側近が難を逃れるケースが・・・。
弱いものだけが割を食う、そんな世の中は見たくもないし聞きたくもない。

日本の「お正月」はどう変わる?

2019年12月22日 | 社会
いよいよ今年も残すところ10日を切った。
望む、望まざるに関わらずもうすぐ日本全国が「お正月」になる。
その昔「お正月」はとにかく典型的なハレの世界だった。
行事と言えば紅白歌合戦、初詣、おせち料理、新調の衣服、お年玉、・・・年始回りなんてのもあった。
レジャーと言えば「寅さん」に象徴される映画が定番、ボウリングに行って長時間待った記憶もいまだに鮮明にある。
それがいつの間にかケの世界に近づいた。
正月の行事は分散化・個性化し、流通業は元日営業も珍しくなくなった。
年末年始を利用した帰省ではない例えば海外旅行なども一般化した。
しかしここにきて若干揺り戻し現象も起きている。
コンビニや外食大手で元日休業の動きが現れている。
旅行なども海外は横ばいだが国内はシュリンクしているとのことだ。
年賀状の交換も紙媒体は激減だがSNSを含めて考えたらどうなのだろうか・・・。
不特定多数向けを考えれば発信量は確実に増えているだろう。
結局「お正月」の光景は「昔ながら」を残しつつも少しづつ変わっているようである。
それにしても子供たちの数は減ってきたなぁ・・・、本当に末恐ろしくなる。


東京オリンピックの聖火リレー演出に思う

2019年12月20日 | 社会
いよいよ東京オリンピックが半年近くに迫ってきた。
最近ではマラソンの開催地が札幌に変更することが話題になっている。
コースの詳細はまだ未定だが宿泊キャパシティーは大丈夫なのか・・・、いささか気になるねぇ。
それはそうとして今度は聖火リレーの方法やメンバーが注目だ。
福島県からスタート、女子サッカーのなでしこチームが第一走者を務めるとか・・・。
しかしその後のリレーが凄い。
古式泳法で運ぶとか、ロープウェイで山に登るとか、・・・北海道ではばんえい競馬のそりに載って移動するとのことだ。
ランナーもアスリートだけでなく様々な分野のタレントや有名人が参加する。
こうなるともう立派なアトラクションである。
聖火と言えばその名の通りもっと神聖なものかと勝手に想像していたが関係者は客寄せの1つとして考えているのかもしれない。
少なくとも前回のオリンピックではもっと粛々と行われていたように思うがこれも時代の趨勢か、あるいはパフォーマンス好きな主催者の意向なのだろうか。(笑)
個人的な意見を言わせてもらえば余計な演出などない方が本来の競技が創り出す感動がより高まるように思うのだが如何?

日本郵政グループ3社長の失敗記者会見に思う

2019年12月19日 | 経済
昨日行われた日本郵政グループ3社のお詫び記者会見はやはり酷い結果に終わった。
最後は記者団からの怒号の中で逃げるように立ち去った社長たちだったがあれではやっぱりやらなかった方がまだよかった。
今日あらためて記者会見の要旨を読ませてもらったが謝罪も改革案もまるで真剣さが伝わってこない。
日本郵政社長の「特別調査委員会から中立・公正かつ非常に厳しい意見をいただいた」とはこういう場での常套句なのだが具体的な内容を問われると「まだ調査報告書は見ていない」という。
真偽のほどは確認しようもないが「見ていて見ていない」と言っても、たとえ本当に見ていなくてもいずれにしても大失点だろう。
「法令違反件数48件、社内規定違反622件という数字も不正の疑いがある1万2千件に比べれば・・・云々」というのも全く事の重大さを認識していない。
1つ、持株会社の社長を庇うとすれば今回起きたことはまず事業会社であるかんぽ生命、日本郵便の両社がキチンと受け止め報告すべきだった。
無論それでも持株会社社長の経営責任は免れないと思うが・・・。
そうそう。持株会社社長としては昨年だったか・・・、豪州の物流会社買収失敗に伴う経営責任はどうなってしまったのか。
それにこの3社長に引導を渡すべき政府側もヨロヨロだしねぇ・・・、困ったものだ。


大学入試共通テストの改革難航に思う

2019年12月18日 | 社会
2020年度からの大学入試共通テストで導入を予定していた国・数の記述式問題について本日文科相が導入中止を含めて再検討する旨表明していた。
英語の民間機関活用断念に引き続き直前になっての方針変更はいただけない。
一体文科省や与党文科族は何をやっていたんだという気がしてならない。
記述式にしても英語のヒアリング試験も意義は十分理解できる。
問題は50万人超の受験者に対しいかに公平で納得のできる試験が可能かどうか、あるいはその限界について見極めをつけることなのだ。
話は変わるが大学入試制度についていつも思うことは日本の大学は「入学は難しいが一旦入ってしまえば卒業はいとも容易い」と言われていることだ。
それぞれの大学の協力を得て入学だけが関門で卒業はスルーパスになることがないよう大学自身の改革を進めることも急がねばならない。
時間はかかるかもしれないが大学は真に有意な人材をどれほど輩出できるか、入試制度のあり方とは別に卒業までのカリキュラムをあらためて考えるべきだし文科省も入試制度以外に大学の改革を支援することに腐心してほしいと思うのである。

元農水次官の家庭崩壊に思う

2019年12月17日 | 社会
引きこもり状態にあった長男を刺殺した罪状で元農水次官に懲役6年の有罪判決があった。
弁護側は犯行には短絡的な面もあったとして執行猶予付きを求めていたがは判決は計画性の方をより重視したということだ。
それにしても元次官の家庭は極限状態にあったようだ。
長男の引きこもりは家族に対する暴力のみならず長女の婚約破談と自殺、母親のうつ病発症などをもたらし、今回犯行者となった父親自身もたびたび生命の危険を感じたいうことだ。
こんな話を聞くと本当にいたたまれない。
たしかに「外部に相談すればよかったのに」という声もあるがそれ以上に追い詰められてしまったということだろう。
筆者がそれ以外に注目したのは我が国に中高年引きこもり者が50~60万人いるという現実である。
つまり上掲のような悲惨な現実を生み出す予備軍がまだまだ存在するということだ。
対象者をどうケアすればいいのか、社会復帰をどう支援すればいいのか、回答や解決手段は難しいのかもしれないが喫緊の課題だろう。
少子化対策もそうなのだが政府には全世代型社会保障と並んで、あるいはそれ以前に取り組む問題が山積している。
「憲法改正」や衆院解散などやっている場合ではないように思うが如何?

今年の漢字一文字は「令」に思う

2019年12月14日 | 社会
清水寺の貫主が今年の世相を表す一文字として「令」を揮毫していた。
この一文字は漢字能力検定協会が全国から募集し票数の多かったものが自動的に選ばれるというもののようだがこの結果にはどうも面白くない。(笑)
というのも「令」は新元号の一部なのだがこれはいわば政府から与えられたものであって国民の間から自然に盛り上がってきたものではない。
盛り上げさせられたと言う気さえするのである。
もう一つ、過去の例を見ると複数の事象から共通する一文字を抽出していることが多い。
これこそ本イベントの妙味と言っていうものだ。
そういう意味では第2位に入った「新」(スポーツ界の新記録続出や新消費税率とキャッシュレス決済の普及など)や第3位の「和」(日本ラグビーチームの標語であるOne Teamやローマ教王の平和活動などが挙げられるが新元号「令和」との関わりも「和」ならある)の方がしっくりくる。
個人的には「桜」(日本ラグビーチームの桜のエンブレムや首相主催の「桜を見る会」など)を推したいところだがこれは政権幹部が見たくもないところだろうから日の目を見ることはなさそうだ。(笑)