ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』

2010-04-07 23:16:06 | 新作映画
----おっ。これはみんなが待ち望んでいた、
あの映画『のだめカンタービレ 最終楽章 前編』の続編だニャ。
スゴい人気があるだけに、下手なことは喋れない…。
「そうだね。
楽しみにしている人は多いし、
喋りすぎてもいけない。
でも、そんなことばかり言っていると前には進まないから、
ちゃちゃっとやっちゃおう。
前編は千秋(玉木宏)
のだめと一緒のアパートを出て行くところで終了。
千秋は、静かな環境でもっと勉強をしたいというのがその理由。
一方、のだめはピアノレッスンに励むも、
オクレール先生からコンクールの許可がなかなか下りない。
そんな中、のだめの元に
峰(瑛太)真澄(小出恵介)
ヴァイオリンコンクールに出場する清良(水川あさみ)
応援するために現れる…。
なんて、こういうサブエピソードは、
この映画のファンにとって、興味があるのかどうかも、
ぼくにはよく分からないんだけど、
ここで、峰と清良の関係、
さらにはターニャ(ベッキー)黒木(福士誠治)の関係にも、
ある発展がみられる。
さて、話を本筋に戻して、
のだめはコンクールのピアノ部門で聴いた『ラヴェル ピアノ協奏曲』に心奪われ、
いつか千秋と一緒に演奏することを夢見る。
ところが、それは、
千秋が孫Rui(山田優)と共演する曲だったことを後で知り、大ショックを受ける。
しかも、ふたりの共演は自分が思っていた以上の素晴らしい出来。
翌朝、のだめは千秋をまっすぐに見つめ、
ついに言う。
『結婚してくだサイ!』

----おおおっ! 
よく知らニャいけど…。
「(笑)。さあ、このプロポーズに
千秋はどう出るのか?
そこからが、この映画の見どころだね」

----ニャんだか、話聞いていると、
前作とずいぶん違う。
あまり、ふざけてないような…。
「そうなんだよね。
鍵盤の道路をのだめが踊るように駆けるといった、
ミュージカル風の楽しいシーンもあるとはいえ、
お話の中身に合わせるかのように
映画の作りそのものもシリアスに。
ポップ路線を期待していると肩透かしを食らうかも。
あのマングースだっけ?
今回は、劇中では登場しないしね」

----そういえば。のだめは、千秋と
『いつか二人でコンチェルトを!』という夢を抱いていたんだよね?
「そう。
そこが、この映画のポイントだね。
千秋とのコンチェルトは、
すでに孫Ruiがこれ以上ないベストのものをやっちゃってるわけで、
のだめとしては、もう意気消沈。
音楽よりも、千秋先輩との結婚を…と、なるわけだ。
だけど、おそらくファンとしてはそれじゃ満足しない。
なにせ、“天才のだめ”だからね。
そこで映画では、のだめの演奏シーンもちゃんと押さえている。
なんと彼女は、
あのシュトレーゼマン(竹中直人)の指名で
彼のプラハ公演でコンチェルトを…。
しかも、その曲は『ショパン ピアノ協奏曲』。
さあ、オクレール先生の気持ちは?
そして千秋は?
話は、まだまだ続いてゆく…」

----う~む。どうニャるんだろう?
「いやあ。
音楽にも恋にも、なかなか見事な決着を付けるよ。
これなら、ファンはみんな文句なし。
それも、テレビを最初から観ている人はね…」

----って、テレビは観ていなかったのに分かるの?
「うん。回想シーンを巧く入れ込んでいるからね。
つまりテレビでのエピソードが
今回のプロットの中に活かされているわけだ。
それも、おそらく名シーンとして名高いであろうエピソードがね。
監督もテレビを手掛けていた川村泰祐
そのあたりはツボを心得ている。
でも、映画としての楽しい部分もないわけでもない。
あの蒼井優が上野樹里と3度目の挑戦。
と言っても声だけだけど…。
さて、彼女が声を吹き替えているフランス人作曲家ヤドヴィが演奏している楽器。
これを当てられる人は、まずいないんじゃないかな。
僕なんかは、そういうところの方が楽しかったな」

----バカだねぇ~。
ヤドヴィは原作にも出ているの。
やっぱり、のだめファンに怒られそう(笑)。



         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ありゃ、あの谷原章介は今回出ていないのニャ」なにこれ?

※これは大ヒット間違いない度


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猫ニュー

『ゼブラーマン2 ゼブラシティの逆襲』

2010-04-05 23:51:35 | 新作映画
----今日は苦手の三池崇史作品。
しかも、あの映画の続編。
ちゃんと最後まで観ることできたの?
「あっ。これが意外と言ってはなんだけど、
けっこうオモシロかったね。
ある種、管理化された未来社会で
人殺しもOK!ってところに、
『リアル鬼ごっこ』を思い出さないでもなかったけど…」

----それって、ディストピアってことかニャ。
「そうも言えるかな。
ただ、そこはさすがクドカン
ゼブラタイムなるものを設定して、
その時間だけは、警察は無条件に人を撃ち殺していいし、
教師もセクハラなどやりたい放題。
つまり、悪の時間が認められているって設定」

----そんなの、ありえニャい。
「都知事の相原(ガダルカナタカ)いわく、
犯罪抑制には、
この朝夕5分間、悪いことをすることで発散ができ、
全体的には犯罪が減るという、
まあ、なんとも都合のいい理論なんだ。
だけど、その性悪説を掲げる知事よりもさらにたちが悪いのが
彼の娘で、スーパーアーティストのゼブラクイーンこと相原ユイ」

----ふうん。あれっ、ゼブラマンは?
哀川翔の名前がなかなか出てこないけど…。
「うん。実は彼は記憶喪失で、
ある朝、見慣れぬ街の路上で突然目覚めるという設定。
映画としては、その前後に、かつての彼の活躍や、
奇妙な研究施設でなにやら人体実験らしきものを受けている姿が描かれる。
初めのうちは、よく分からないながらも、
これらが見事に繋がってくるんだ。
もちろん、前回登場したエイリアンも再登場。
まあ、詳しいストーリーは、かえって興をそぐから、
ここでは控えるけどね」

----ゼブラと言いながら哀川翔は真っ白。
で、ゼブラクイーンは真っ黒みたいだけど…。
「そう。そこが今回のポイント。
で、もうあちこちで聞いていると思うけど、
このゼブラクイーンを、
肌露出面積いっぱいに演じているのが仲里依沙
彼女自身、初の悪役。
歌って踊ってで、そのPV的な映像を観たときには、
ライブを映画に取り入れるのが好きな三池監督らしいなと、
このあたりはあまりノレなかったんだけど、
クライマックスの一大バトルは、
たとえば『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』に比べても、決して見劣りしない。
CGのレベルは前作よりも格段に上がったね。
しかも、その中に、三池作品ならではの気の抜けたようなギャグを入れちゃう。
白ゼブラマンと黒ゼブラマンの合体に、
わざわざ汚い布団を敷くばかりか、
ご丁寧に、コンドームまで用意。
で、『STOP!AIDZ』の文字。
でも、最大の彼らしさは、この後のエンディングだろうな。
さあ、そこで何が起こるか?
これは誰も想像つかないだろうね」


     (byえいwithフォーン)


フォーンの一言「あらら、さらっと喋っちゃったニャ」ぱっちり


※まあ、いろいろある度

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猫ニュー

『孤高のメス』

2010-04-03 19:30:12 | 新作映画
※ネタバレではありませんが、映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。




----これって、もしかして流行りの医療サスペンス?
「う~ん。サスペンスというのとは違うね。
真摯に医療問題と取り組んでいる、そういう作品だ。
モチーフとしては、脳死肝移植が扱われているんだけど、
ほかにも、医師不足、手術ミス、地域医療など、
現代にも通じる多くの問題を提起。
そして、それらの根底に横たわっているのが、
『目の前の患者を救いたい』という医師の強い信念。
主人公の外科医・当麻鉄彦は、
人間関係には鈍で、
自分にセッティングされたお見合いにも気づかないほど。
そんな彼が声を荒げるのは、
事務長がある患者のことを『寿命だから…』と言ったとき」

----その主人公を堤真一が演じているわけだニャ。
「うん。
彼は、その風貌も手伝って
“昭和の人”というイメージがピッタリ。
『ALWAYS 三丁目の夕日』『ALWAYS 続・三丁目の夕日』もそうだし、
『クライマーズ・ハイ』もそう。
この映画は、物語自体はそう目新しいものではない。
時代背景は年号が昭和から平成に変わる1989年。
主人公は、なによりも命の最優先を考える外科医・当麻。
彼はピッツバーグ大学で肝臓移植をも手掛けたほどの腕を持っている。
そんな当麻が赴任したのは、地方都市の市民病院。
そこは、大学病院に依存し、外科手術一つまともにできない
停滞した病院だった。
大学病院からは、
外科部長の野本(生瀬勝久)をはじめ、
多数の医師が派遣されている。
野本の技術は稚拙で、
助かる患者のガンの手術を途中で放り投げたり、
自分の手に余るからと、大学病院に転送したり。
そんな現状に、嫌悪感を抱いていたのが看護婦の浪子(夏川結衣)。
物語は、彼女が遺した日記を息子の弘平(成宮寛貴)が
読み進めるという形で語られていく」

----えっ。遺したって…
それって、浪子という人は死んじゃうということだよね。
そんなことまで話しちゃっていいの?
「この映画に限っては大丈夫。
それはさして大きな問題ではないんだ。
さて、この映画、手術シーンが実にリアル。
メスを入れるわけだから、もちろん血も出る。
でも、それは目をそむけたくなるというようなものではなく、
ほんとうに高い技術の手術というものが
ある意味、崇高なまでに美しいことを教えてくれる。
野本の時は大仰なほどに雑に描くから、
こちらは、手術から目をそむけたくなる。
このあたりは、あの『おくりびと』を思い出してもらうといいかもしれない」

----それは分かりやすい比較だニャあ。
「さっきもちょっと話したけど、
この映画は、いまではあまり見かけなくなった
昭和的人物像を描くことで、
この時代が失ったものをそこから照射しようとしている。
そうそう、東映ならではのフィルムの色調、触感がまたいい。
この映画にはピッタリ。
あと、語り部である夏川結衣の不機嫌そうなふくれっ面。
これも効果的。
押さえた感情を爆発させるラストの別れのシーンでは、
思わず涙がにじんできたもの。
おそらく、当麻への愛も芽生えていただろうに、
それを、最後まで相手にも気づかせない。
だから、『ジェネラル・ルージュの凱旋』のようなエンディングにはならない」

----昭和といえば、都はるみが使われているようだけど…。
「あっ。これがどこで出てくるか?
それは知らない方がいいと思うよ。
これから観ようと思う人は、特にね」


     (byえいwithフォーン)


フォーンの一言「東映ならではの色?どういうことなのニャ」ぼくも観たい



※独特のくすんだ青緑がかった色あいだ度

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『カケラ』

2010-04-02 21:10:05 | 新作映画
----あらら。この映画『カケラ』って、
もう、明日公開だ。
「そうなんだよね。
最初、別のお話を…と、考えていたんだけど、
これは、やはり一言言及しておかなくては…という映画。
これまた奥田瑛二がらみ。
あの安藤サクラの姉・安藤モモ子
メガホンを取った映画なんだ」

----主演は、またまた話題の満島ひかりだよね。
「そう。ただ、これまでの彼女の役柄に比べて、
今回のヒロイン・ハルは、それほどアクは強くない。
とはいえ、中村瑛里子演じるリコに
強く恋い焦がれられてしまうという、
ちょっとややこしいな役どころ」

----えっ。それってレズビアンってこと?
「う~ん。リコの立場からすると、
大事なのは男とか女とかではなく人間。
まあ、そう言いながらも、
このリコは、男に対して強い対抗意識は持つわ、
レズビアンのサロンで陶子( かたせ梨乃)と
深い仲になるわで、
やはりレズであることは間違いないんだけどね。
この映画は、そんなふたりの出会いと
その恋(?)の行方を、
女性ならではの筆致で描いたもの」

----女性ならでは?
「うん。男性の監督だったら、
その多くが自制して描くのを避けてしまうような、
“女性特有の時間”を描いちゃう。
このあたりを言い始めると、
コードに引っかかっちゃうから難しいんだけど、
たとえば、このタイトル『カケラ』にしてもそう。
映画の中には『女の真ん中に空いた穴』なんて言葉もある。
じゃあ、それは誰が埋めるのか?
『それは男じゃないよ~~』ってな感じかな。
リコの職業はメディカルアーティスト。
病気や事故で身体の一部を亡くした人たちの
精巧なパーツを作っている。
これもタイトルやテーマとダブってくる。
この設定は桜沢エリカの原作『ラブ・ヴァイス』には
なかったようだけど…」

----そういえば、映画音楽も話題になっているよね。
スマッシング・パンプキンズジェームス・イハが担当しているからね。
ただ、個人的には、それよりも
挿入曲として使われた山崎ハコ『気分を変えて』の方が
嬉しかったけどね」

----これも70年代DNAってことだニャ。

     (byえいwithフォーン)


フォーンの一言「いろいろ言いたいけど、際どくなるから止めたらしいのニャ」複雑だニャ


※ちょっと男は喋りにくい度

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