ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ザ・ウォーカー』

2010-04-10 16:30:15 | 新作映画
※カンの鋭い人は注意。
※映画の核に触れる
部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。



(原題:The Book of Eli)

「これはもう珍作。
そう呼ぶしかないね」

----えっ。それはまた挑発的な…。
デンゼル・ワシントンの超大作に
その言葉は似合わないんじゃニャいの?
「この映画の場合、
その“超大作”にしたのが、そもそもの間違い。
本来ならば堂々とした(?)B級として作るべき映画。
ぼくとしては、名画座とかで出会いたかったね。
今の時代無理だけど…。
あっ、ぼくはこの映画そのものを否定しているわけじゃないよ。
物語は、世界が崩壊して30年後の世界。
ウォーカーと呼ばれる、あるひとりの男が、西を目指して歩き続けている。
彼は、天啓に導かれ、ある本をその地まで運んでいるんだ」

----あらら。その本が何かはすぐ分かっちゃうニャあ。
「でしょ。
間違ってもこれは『西遊記』の経典じゃない(笑)。、
さて、旅の途中、彼が立ち寄ったある町では
カーネギー(ゲイリー・オールドマン)という名の独裁者が君臨。
彼もまた、ある本を探していた。
その本を手にした者は、世界を支配できるというんだね。
文明は崩壊し、多くの本は焼却。
しかも、彼の手下は字が読めず、
なかなか探すことはできない」

----で、そのふたりの決闘になるわけだ。
「そういうことだね。
その荒廃した世界観は『マッドマックス』のようでもあり、
マカロニウエスタン風でもある。
おそらく監督の頭にはセルジオ・レオーネがあったんだろうな。
何度も『ワンス・アポ・ア・タイム・イン・アメリカ』の旋律が流れる。
もっとも、こっちはウエスタンじゃないけども…。
あと、主人公のキャラ設定には
『アフロサムライ』があるような気がしたね。
とにかく、デンゼル・ワシントンの殺陣がはやい!
それをロングに引いたシルエットの画の中で一気に見せちゃうという
そのスタイリッシュさは、
この映画の特徴のひとつだろうね。
そういえば、最初はウォーカーがもつ武器として日本刀も検討されたとか。
最終的には、動きやすくて仕舞いやすいということで
中南米の山刀(マチェーテ)に似た形になったらしい」

----ふうん。銃とかはまったく使われないの?
「もちろん。敵はバンバン撃ってくるよ。
クライマックスの老夫婦の家では
ガトリング砲とか言ったっけ?
『続荒野の用心棒』並みに撃ちまくり、
家が一軒壊れてしまう」

----その、老夫婦って?
「ここがぼくは、最高にオモシロかったところ。
マイケル・ガンボン、フランシス・デ・ラ・トゥーアのふたりが演じるその夫婦は、
この時代を必死で生き延びている。
年老いているのになぜ、生き延びているか……。
そのヒントが、このお婆さんが運んでくる紅茶カップを持つ手の震え…」

----ニャに言っているか分からニャいよ。
「うん。分からない方がいい。
ここは、ゾッとする。
いわばホラーになるところ。
そういう意味でもB級臭ぷんぷん。
『ウルヴァリン X-MEN ZERO』の老夫婦とは話が違う。
さて、この映画、実を言うと、
ラストの方で、とんでもない展開を見せる。
ひとつは主人公の正体に関するもので、
さすがに、これはぼくの口から言えない。
ただ、それはこの本に関係あること。
そして、もうひとつは悪玉、大ボスの最期。
●●に倒れる大ボスと言うのは、ぼくは初めて観た気がする」

----いよいよ、ニャんのことだか…。
「だよね。
主人公は撃たれても死なないし、
ぼくは途中から、神が出てくるなどの、
とんでもないことが起こるのかなと思ったけど、
そういう、“なんちゃって”な逃げはない。
同じ文明崩壊映画でも
『アイ・アム・レジェンド』よりはいいと思うよ。
もし、キリスト教を絡めなければ、
堂々たるカルトになったかも。
惜しいなあ」



         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「だけど、30年も歩くなんて出発点はどこなのニャ?」小首ニャ


※どこか分からなかった度


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